MM誌2001年4月号:ブラスの賢い収集方法
back issue Vol.3 May 14, 2001, re-edited Nov. 23, 2010, Nov 20, 2016
メインライン・モデラーMainline Modeler誌、通称“MM”は、このところ“鉄の時代”、すなわち蒸気機関車から初期型ディーゼルまでの年代を中心に据えた記事構成となっています。
最新の2001年4月号でも、メインはKCSのサザン・ベル1949年編成で、リベット付き客車詳細図面4両分と貴重なカラー写真を付けて紹介しているものですし、先月号に続くDM&IR蒸機の風景が芳香族炭化水素のフェロモンを大々的に撒き散らしています。
さらに輪を掛けるのが、デイブ・アーノルド氏の「Affordable Brass」、すなわち「手の届くブラス・モデル」とでも訳せるテキストでしょう。
拙い英語力でザッと拾い読みしますと、筆者が披露するリーズナブル・プライスで買うコツは、まず、コインや切手のコレクションと同じように考えないこと。半田付けや塗装の技術を身につけ、ダメージ品を買って自分で修理すること。古いけれど基本がしっかりした日本製を手に入れてモーターやディテールを交換すること。「ブラウン・ブック」などを駆使してモデルの価値、特徴に対する知識を養っておくこと。西部では東海岸の機関車が安いなどという地域特性を利用することだと言っています。
その中で特に感銘を受けたのは、ランボードやキャブなどが曲がって付いていたり、パイロットが高すぎるのは致命的な欠陥で、メーカーのワークマン・シップ不足が元凶だから、そういうモデルは避けるという記述です。
ワークマン・シップを満しているのは主にPFMが輸入したモデルだが、初期のTenshodoは除く。KTMは、MG、AHM、HOTなどを通してインプレッシブだとも言っています。この辺りは、我々の認識と軌を一にしていますね。
ダメージ品を蘇らせた例として、AHM/KTM PRR J1 2-10-4、MG UP 4-8-4、MG SP 4-8-4、Tens NYC 4-8-2、Tens C&NW 4-4-2を写真で紹介しています。
一方、ワークマン・シップがプアーだとしているモデルは、LMB 2-10-4、Alco PRR 6-8-6です。 また記事では、中古ブラスを扱っているカブース・ホビーズやオリジナル・ホイッスル・ストップなどの模型店も紹介しています。もちろん既に皆さんよくご存じで、入手チャンネルに対する目新しい知見は少ないでしょう。
しかし、モデラーの指向性、方向性に対しては、大いに示唆に富んでいるはずです。
なおメインライン・モデラー誌は、西山洋書やアメリカ型を置いている模型店で手に入ります。まあ、定期購読しても年間12冊が船便で49ドル、航空便で125ドルです。VisaとMastercardのクレジットカードが使えて、申し込みは簡単です。
もちろん、郵便局から外国為替を送る方法もあります。宛先が同誌目次ページの左半分にあります。ご参考までに記しておきますと、Mainline Modeler, 13110 Beverly Park Road, Mukilteo, WA 98275, U.S.A.、ファクス番号は425-787-9269です。残念ながらインターネットには全く対応していません。
MG:Max Gray
AHM:Associated Hobby Manufacturers
HOT:HO Train Company
【追記】その後、インターネットで、アクセスできるようになったものの、残念ながら同誌自体が2006年8月号で廃刊となってしまいました。2010-11-23
| 固定リンク
「メディア情報」カテゴリの記事
- とれいん誌2018年7月号 砂焼き小屋と芦屋変電所(2018.06.22)
- RMC誌2011年4月号にスクラッチ記事(2011.03.25)
- MR誌2018年1月号を手に取って(2018.01.18)
- ポーラー・エクスプレス(2005.03.07)
- RMJ誌03年4月号 SD60シリーズは今が旬だが(2005.02.08)
「ブラスのキラメキ」カテゴリの記事
- PFM社ドン・ドリュー回顧録を読んで(3)(2018.06.15)
- PFM社ドン・ドリュー回顧録を読んで(1)(2018.05.26)
- ブラス・インポーターのLMBモデルズ(2011.03.25)
- UPファン日記◆クマタの客車を弄る話(2004.07.03)
コメント