プレシジョン・エンジニアードのPA1-PB1?
back issue Vol.4 May 16, 2001, re-edited Nov. 23, 2010
「ヤフオク」という略称でヤフー・オークションが呼ばれているとは、「悪の手口」なるメールマガジンを読んで初めて知りました。関西人のノリなんでしょうか? 同オークションは、鉄道模型がよく出品されているので皆さんの中にも参加されておられる方が多いことでしょう。
私も頻繁に覗いていますが、アメリカ型モデルの落札は1度、友人に頼まれてしたことがあるだけです。結構、面白い品も出るのですが、出品者の付ける開始価格がどちらかというと高過ぎる気がして、どうしても躊躇してしまいます。
出品する側の気持ちとしては、外国型の品物を余り模型店などで見かけないので「これは珍しいはずだ」とか、「日本では入手不可能のはず」という思い込みを持たれているのかもしれません。あるいは為替が1ドル360円の固定相場制だった時代に購入した当時のままの価値観でおられるのでしょうか。
さて今し方、「HO SP A+B ブラスモデル」などという訳の分からない表題に釣られて覗いた品物は、紛れも無くアルコの旅客用ディーゼル機PA1+PB1でした。
写真を見る限り中々きれいなSPのデイライト塗装です。【ここに示す写真は、"The Art of Brass Vol.1のKMT製未塗装】
説明文には「PRECISION ENGINEERED 日本製」とありますが、この名前のインポーターやメーカーを私は知りません。アメリカ型HOブラス・モデルのバイブルである「ブラウン・ブック」を繰りましたら、PAとPBの日本製はKMTだけですから、この関係なのでしょうか。
出品者の付けた入札開始価格の30,000円が妥当か否かは判りませんが、足回りの状態とか、元箱の有無など、もう少し詳しい情報を付けてくれると食指も動くのですけれど、その辺りが惜しい気がします。もっとも、価値が十分に分かっている人にとっては、公表される情報が少なければ少ないほど競争者が現われないというわけですから、安く落札できるということになります。
なお、この出物に価値を見出せる方は“ヤフオク”へお急ぎください。終了日時が5月17日20時34分となっています。
ところでブラウン・ブックThe Brown Book of Brass Locomotivesとは、アメリカで発売されたブラス・モデルの内、HOスケールの蒸機やディーゼル機、電車などの動力車を網羅したリスト本で、関心の無い向きには何が書いてあるのか意味が分からず、全くの馬耳東風本です。
しかし、ブラス・コレクターには必要不可欠な一冊と言われていて、鉄道名や型式から、インポーター、メーカー、発売年、出荷数、発売価格、中古流通価格などを知ることが出来ます。最新版が1993年の3rd Editionとちょっと旧いのですが、日本製の中古ブラスに関しては完璧です。「ブラウン」という呼び名の由来は、初版を編纂した人の名前に因んでいるはずです。
今でも買えますから、日本でも洋書店に注文すれば取り寄せてもらえることでしょう。
【追記】ブラウン・ブックは絶版となっていて、古書市場では高価で取り引きされています。現時点で発売中のものは「ブラス・モデル・トレインズ プライス&データ・ガイド2」です。2010-11-23
| 固定リンク
「ブラスのキラメキ」カテゴリの記事
- PFM社ドン・ドリュー回顧録を読んで(3)(2018.06.15)
- PFM社ドン・ドリュー回顧録を読んで(1)(2018.05.26)
- ブラス・インポーターのLMBモデルズ(2011.03.25)
- UPファン日記◆クマタの客車を弄る話(2004.07.03)
コメント