とれいん誌2001年6月号:UPのチャレンジャーとSD70M
back issue Vol.12 May 25, 2001, re-edited Nov. 24, 2010
今月発売の月刊3誌の中でアメリカ型を取り上げてくれたのはトレイン誌だけでしたので、ちょっと寂しい気分です。ただ、TMSのメディアチェック欄が言及されたRMC誌のレイアウト紹介は、私も以前にニフティで発言したものだったので、少しだけ溜飲を下げています。
さて、トレイン誌の2つの記事のうち、1つはUPのチャレンジャーとSD70Mを、現地のエクスカーションで追跡された写真と、手を加えたモデルを交えて紹介する松尾彦孝(よしたか)氏の手になるものです。【画像はクリックで拡大します】
【同記事より引用】
この内のチャレンジャー4-6-6-4はリバロッシ製とのことですが、私の記憶にあるハイフランジで腰高というイメージとは異なって、ブラス製品と見紛うばかりに中々良い雰囲気を出しています。ウエザリングなどを含めて筆者の腕の賜物でしょう。昔の前後部動輪群をボギーさせる構造は新しい製品では変更されているのでしょうか? この辺りは全くの門外漢なので、“専門家”の御発言をお待ちしております。
テキストにあるテンダーの石炭積みからオイル積みへの改造は、このメールマガジンの読者にとっては大変興味のある事柄ですから、俯瞰写真でも示して欲しかったところです。
SD70Mの方は、チャレンジャーと比べると4400馬力と言えど流石にこれでも短い気がします。全出力でも、全長が長いチャレンジャーの方がまだ勝っているはずです。モデルはアサーン・ジェネシスの塗装済に手を加えたとのことで、特に足回りに重厚さを醸し出していると思います。ワイパーの角度は、心憎い演出ですね。ヒネクレ者として唯一気になる部分はハンドレールで、写真に白っぽく写っているのはライティングの反射だけでは無いはずです。「やはり、これは針金でないと……」と一人肯いております。
また佐々木也寸志氏の連載記事は、UPウエスト・コルトン機関庫のディテールに及んで、佳境に入ってきました。機関車用便器やごみ箱などは、モデラーでなければ目の届かないアイテムでしょう。サンドタワーや給油ポートなど、これだけでファシリティのモジュールが出来てしまいそうな写真の分量です。
機関車のモデリングにおいても、単体のQファンやクーラーユニットはスーパー・ディテーリングの参考になること、請け合いですし、SD40-2BユニットやConrailのダッシュ8改番機を見て、ネタとして美味しそうとばかりに舌なめずりした方も多いことでしょう。
というわけで、この号はとりわけユニオン・パシフィックのファンには外せないと思います。
なお、p132に出ている松謙氏の手になるSPのSD9は、出版社に在庫のあるグリーンリバーリポートVol.1に再録されていますので、ご興味のある方は一度、ご覧いただけたらと存じます。多くのアメリカ型ファンは、この記事とデカール解説を穴のあくほど読み返した経験をお持ちのはずです。
【追記】松尾彦孝氏よりメールをいただきました。一部、改変してお目に掛けます。2001-06-02
メールマガジンに、当方のネタを採り上げて頂き、光栄です。ご参考までに、補足情報をお伝えします。
ジェネシスSD70Mのハンドレールは、軟質プラ製で質感が悪いです。細くて折れないのは良いのですが。私も金属製が好きです。
リバロッシのチャレンジャーですが、昔の前後部動輪群をボギーさせる構造は、新しい製品でも踏襲されています。モデルを手に持っていると、とても異様ですが、運転性能の効果は、見た目のデメリットを十分補っていると思います。R550のSカーブでも平気で走ってしまう効果には脱帽です。
聞くところによると、リバロッシは会社が潰れたとかで、製品の供給が止まっているらしいです。いずれ他メーカー・ブランドで再開するのでしょうが。
テンダーの、オイル焚き仕様への改造部分の写真、デジタル撮影しましたのでお送りします。とれいんの記事中でも触れましたが、MR誌の図面(イラスト)を参考にしたもので、現在の実物の形態とはかなり違います。給油ハッチは、いさみや(日本型の模型店)店頭で真鍮ドロップのパーツを見付け、それを利用しました。
お役に立てれば幸いです。 松尾彦孝(まつお よしたか)
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