アサーン製AC4400CW塗装済の加工(1)
私の所属するクラブNAPMの競作で2001年夏の「ハイテク・ワイドキャブ機」という課題には正直、参りました。私の愛するBNでは、SD60MかSD70MAC、試作機のSD60MACがあるのですけれど、当時発売されていた製品からでっち上げるとなると、いずれも大仕事です。
そこで思い付いたのは、BNが借り入れてテストしたことのあるCSXのAC4400CWでした。
この型式ならアサーンにバージョンがピッタリと合う製品があります。実物は1995年に、3両をセットで1ヶ月間ほど試用されました。既に保有していたSD70MACと比較する目的です。反対に、CSXへは同時期にBNからSD70MACが同じく3両、貸し出されています。
この時の写真は、GEの性能試験車を挟み、石炭列車を牽引している姿となっています。幸い、石炭車はバックマン社から出ていますし、GEのテストカーもOMI製品があって手持ちがあります。問題は機関車ですけれど、探したら、1996年に発売されたCSX色の塗装済でナンバー無しというお誂え向きのキットが3両とも簡単に手に入ってしまいました。
また私は、今まで専ら古いEMDばかりを手掛け、GE機、それもハイテク機は今回が初めての購入でした。ボディとシャーシの固定、それにカプラーの取付を加工する必要が無く、また燃料タンクのサイド面がプラスチック・モールドで手を入れる必要が無いのには正直、ホっとしています。
これに対し塗装済み製品として気になるところは、まず塗り分けラインのボケと乱れ、それにロングフード側面に並んだ点検ドアの上に描かれた「CSX」ロゴが段差で切れているという塗装上の問題ですが、これらは類似色の筆塗りタッチアップである程度は対処できると踏みました。金型の継ぎ目=パーテーション・ラインはボンネット横などに見えるものの、タッチアップしなくても、そのままで我慢できるレベルでしょう。
モールドのヒケは、ボンネットと前部ウォークウェイ(デッキ)の上面に見られます。前者がグラブアイアンを取り付ければ目立たなくなりそうなのに対して、後者はパテ埋めの必要があります。ということは紺色の前部ウォークウェイ全体を塗り替えなければいけないということですが、実物は多分黒でしょうから、市販缶スプレーで吹き付け塗装ができます。
また、私の入手した製品は前後のステップと端梁の一部が割れていました。接着剤で修理できるレベルですが、ダッシュ9を含めて、日本の模型店で現物を見て買える場合には、この辺りの確認がポイントだと思います。
なお、ハンドレールには、古くからのアサーン社でお馴染みの、鉄の線材と帯材が入っています。これの実物色は少し濃いグレーで、適当な缶スプレーをグンゼなどから探して使うつもりでいます。窓ガラスは、期待していたアメリカン・モデル・ビルダーズ社のアクリル板レイザーカット製品にAC4400CW用が発売されていないので、同社に問い合わせたら「ダッシュ9用で代用してみてくれ」と返事をもらっています。
ところで詳細図面の方は、CSX鉄道のAC4400CWそのものがRMC誌96年1月号に掲載されていて、製品と比較すると良く合っています。一番心配だった全長も忠実でした。各部の細部写真の方は、Diesel Era誌97年7月号に出ていて参考になります。ただし、RMJ誌96年2月号に解説されているパーツ一覧は、当てにならないようです。
最近の出荷分は塗装が改善されているかもしれませんが、ソコソコのグレードアップを目差すつもりなら総体的に見て、アサーンのAC4400CWやダッシュ9は未塗装品を購入した方がよい、というのが私の結論ですけれど、今回は塗装済製品のままキットバッシュしようと決心しています。手すりを作り直して、デッチライトやスノープローを取り付ければ、ソコソコ見えるようになると思っています。これが完成したら、また報告させていただきます。
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