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2004/02/03

スプライトの流線型蒸機はトルペード?

back issue Vol.13 May 27, 2001, re-edited Nov. 24, 2010

「たった今、テレビを見ていましたら、清涼飲料水スプライトのコマーシャルで、流線型蒸気機関車が映っていました。チラッと1回だけ見ただけですが、真っ黒の塗色に黄色?っぽい横ラインが何本か描かれているというスタイルです。さて、ここで問題です。この蒸機のプロトタイプは何でしょうか?  もちろん、私には目算があります (^^)  ヒントにはなりませんが、スコップで投炭するショットもありました」
  ……と、いうような文章をニフティの外国型会議室に発言したのが3月下旬で、その後もコマーシャルは流れているのですが、メンバーからは全く反応がありません。ちょっと難し過ぎたのでしょうか。

【写真はWikipedia英語版より引用】

 このメールマガジンを御講読いただいている大半の方は御存知の通り、答えはペンシルベニア鉄道の有名なパシフィック機K-4sのうち、1936年にレイモンド・ローウィのデザインで登場した3768号機のはずです。

 ただ、参考写真をと、インターネットで探したのですが、実物もモデルも見つかりませんでした。というわけで面倒ですが、カーンバック社の蒸機図面集Cyclopedia Vol.1 Steam Locomotivesのp140をご覧いただくか、トレイン誌の1989年3月号p127、キー・インポーツ製品をご覧ください。

 この3768のことを“トルペード=魚雷”というニックネームで呼んでいるのを何処かで見た記憶があって、流線型の定番本であるThe Streamline Eraや、同鉄道の動力車を解説した名著Pennsy Powerで確認しようとしたのですが、出てきません。ご存じの方のフォローをお願いいたします。

 なお、K-4sの“K”は4-6-2のパシフィック車輪配置を表し、“4”は、その4番目の形式、小文字の“s”はスーパーヒーター、過熱式ということです。

  K4sには3768号機以外にも1940-41年バージョン4両が存在します。

 ペンシィの流線型というとデュプレックスの試作機S-1、6-4-4-6や、その量産機T-1、4-4-4-4が有名ですけれど、K-4sの2種類は派手さが無いので、どちらかといえば日本人ウケしないスタイルなのかもしれません。

 ところで、これらの蒸機に塗られた黒色は若干緑がかっていて、ブランズウィック・グリーンという名前が付いています。
 旅客車に塗っていた赤茶色の方はタスカン・レッドという名で、イタリアはトスカーナ地方の屋根の色に因む名前であるらしいことは、トレイン誌2001年2月号p110に書かせていただいた通りです。黒緑の方の由来も知りたいとは思っているのですが……。

【追記】その後、ペンシィの流線型蒸機の写真はサイマンさんよりBBS掲示板の方に写真サイトを紹介する投稿がありました。ただし、当方が保存するのを怠ったために消滅してしまっていまして、お詫び申し上げます。ここではウィキペディア英語版より引用しました。
 次の写真は、2010年春のJORC関西に登場したモデルで、間抜けなことにどなたの所有か聞き漏らしています。GG-1電気機関車の横が1940年バージョンで、その右がレイモンド・ローウィデザインのトルペードです。テンダーの長さにもご注意ください。2010-11-24

Jorc_kansai2010s_047a
【クリックで拡大します】

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