SD40-2アンデコの正しい選び方
back issue Vol.15 May 29, 2001, re-edited Nov. 24, 2010, Jan. 15, 2024 How to choose the correct undecorated shell for your EMD SD40-2 diesel locomotive model
本誌2001年5月25日号では、日本の模型雑誌今月発売号でのアメリカ型関連記事について言及しました。実をいうと、この中で私が最もインパクトを受けたのは、トレイン誌p26「とれいんギャラリー」の広告ページでした。
ここに「アサーンのSD40-2スヌートが入荷」と謳われていて、「アンデコ(未塗装)も少数」とあります。こうれはもう、狙っていた方に早めに動かれることをお勧めしたいと存じます。私としては、我が国でもアンデコが売れる時代がとうとう到来したか、という感慨ですね。
初期型 from RailFan.net drawn by Michael Eby in 2002
SD40-2は御存知の様に、1970、1980年代のアメリカを代表する電気式ディーゼル機関車で、ジェネラル・モータースGMの機関車製造部門EMDが送り出した3,000馬力の6軸機です。派手さはないものの、日本でならDD51の様な存在と言えるでしょうか。
どの鉄道でも保有していて、そのバリエーションを作り分けるのが彼の地のファンの楽しみとなっています。
ところが、今までの各誌におけるSD40-2の製品紹介は全く分かり難いものだったと思います。特に“鼻”の長さに誤解がある様な気がしています。そこで、僭越ですが御購入の参考にしていただこうと一覧表を作ってみました。
要するに、製造年で各部パターンの組み合わせがありますから、まずプロトタイプとする車の製造年を調べて、標準型とスヌートの別にアンデコを選ぶということです。例えば製造年が1977年製でスヌートという場合は、中期型ですから、アサーンでは#4800、カトーで#2900ということになります。なお、これらの品番などは、鈴木俊一氏の御助言に依っています。
中期型 from RailFan.net drawn by Stan Lytle. in 1996
さて、ここからが4種類ある“鼻”、あちらのファンがショートフードと呼ぶ、いわゆるボンネット部分の長さの問題です。
まず、標準型の場合は、製造年で分かれ、1976年以前が81インチ、1977年以後が88インチと単純です。モデルも概ね正確で、この表からの選択で間違いありません。ただ唯一、アサーンの#6300だけは、81インチが正しいところを安直に88インチとなっていますのでご注意ください。
スヌートsnootは、鉄道名で分かれていまして、実物は、UPが116インチ、ATSF(現在はBNSF)とKCSが123インチです。これに対して、モデル製品の長さは、佐々木也寸志氏に手持ち品を測っていただいたところ、カトーが33.5mmで、アサーンが34.5mmとのことでした。HOスケールでは116インチが33.8mmで、123インチが35.9mmですから、カトーがUPバージョンにドンピシャリで、アサーンはドッチ付かずといったところでしょうか。さらに佐々木氏に拠れば、カトーはアンチクライマーが無く、UPスヌートで最初のグループの姿によく合っているとのことです。
中期型 SP Snoot from RailFan.net drawn by Tom Fassett. in 1993
また“鼻”はハンドブレーキの方式や位置も関係してきますから、忠実に模型化しようとすれば、キャノンのパーツに交換するのがファイン・モデラーの歩むべき道である、と鈴木氏は曰うておられます。ちなみに、キャノン製ショートフードの品番と説明文は、次の通りです。ハンドブレーキは各々の品番で、ラチェットと丸ハンドルの両方が入っています。
1103 81' Introduced in 1963, used on all hood units, from early 35 line through early Dash 2s.
1104 88' Introduced in 1977, this is the standard nose for all post-1977 Dash 2s through the GP60s and SD70s.
1105 116' The first of the "snoots," used on early SP SD40T-2 "tunnel motors" and UP SD40-2s.
1106 123' The final version of the "snoot," used on ATSF and KCS SD40-2s, plus SP and SSW SD40T-2s
ところで、アサーンの古い、品番が4400番代の製品をお買いになると、鈴木氏と私がトレイン誌1999年7月号でご披露した難行苦行が待ち受けていることになりますので、絶対にご注意いただきたいと存じます。
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