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2004/03/02

タービン機関車は全部で10種類

back issue Vol.22 June 5, 2001, re-edited Nov. 25, 2010

 BBS掲示板の方で、ガスタービン機関車で盛り上がっておられますが、今までご興味をお持ちでなかった方々にはチンプンカンプンの話だと思います。それで、アメリカで過去に製造されたタービン機関車の一覧表をご披露しておきましょう。3年ほど前にニフティの外国型会議室用に作ったものです。【クリックで拡大します】
Turbines


UP Standard Turbine, RailFan.net drawn by Stan Lytle

 ざっと御説明しますと、PRR=ペンシルベニア鉄道のS-2は、ボイラーで発生した蒸気でタービンを回し、そのタービンから回転力を歯車で減速して車輪を回す方式ですから、どちらかといえば蒸気機関車です。

PRR 6-8-6 S" Steam Turbine, from PRR Photo Collection

 N&W=ノーフォーク・アンド・ウェスタン鉄道のTE-1と、C&O=チョサピーク・アンド・オハイオ鉄道のM-1は、ボイラーで石炭を焚いて発生した蒸気で発電タービンを回し、起きた電力でモーターを回す方式で、普通の火力発電所のシステムです。

NW Steam Turbine, from North East Rails


C&O Steam Turbine, from North East Rails

 UPの初代1、2は石炭の代わりに重油を燃やします。

UP Steam Turbine, from North East Rails

 そして“gas”とあるのが、正に話題となっているガスタービンで、重油をガス化?してタービン・エンジン=発電機を回し、発生した電力をモーターに供給する方式です。(スーパータービンの8,500馬力については第1次掲示板の発言番号64へ)
UP Super Turbine, RailFan.net drawn by Steve Karnes

 これに対して、“微粉炭”のUP=ユニオン・パシフィック鉄道80は、重油の代わりに微粉炭を燃焼してタービン・エンジンを回すという画期的なシステムです。

UP Coal-Fired Turbine, from North East Rails

 資料はカームバック社の「The Second Diesel Spotter's Guide」で、PRRのS-2を除いて解説されています。またUPの各機種についてはトレイン誌1990年6月号にモデル製品を含めて詳しい記事があります。

 HOスケールでは、ブルーグースを除いてブラス製品化されています。そのブルーグースは、カームバック社のディーゼル機図面集に掲載されていますから、その気になれば……

本誌が「melma!ニュース」の6月4日号で紹介され、「鉄道のことはよくわからないけど…。とにかくすごい!」という“お褒め”のコメントをいただきました。これもヒトエに皆様の御声援の賜物と感謝申し上げます。マイナーな内容にもかかわらず、おかげさまで発行部数は60を数え、BBS掲示板にも既に40を超える発言をいただいております。ともすれば“オタク”指向の文章となり勝ちですが、馴染みの無い方々にも理解していただける誌面を目指して頑張りたいと存じます。これからもよろしくご指導ご鞭撻のほどをお願い申し上げます。

【追記】アサーンからUPのスタンダード・ガスタービンが発売となって、そのテンダーの形態を掲示板の方で探求しました。2009-08-08

【追記2】PRRのS2における蒸気タービンは船舶、特に戦艦用の機関を陸上に適用しようとしたのではないかと思います。ただし不思議なことに、かの戦艦大和のそれがよく判りません。こういうことに詳しいはずのウィキペディア日本語版でも艦本式タービンとはいうものの、年代記に解説されているのは大正13/1924年までで、肝心の時代がアヤフヤです。
 問題は、タービンで発電機を回す方式ですが、これも艦船に普及していたのだろうと種々当たっても、答えに辿り着けていません。2010-11-25

Ct2004fall【追記3】タービン機関車の特集をClassic Trains誌2004年秋号に見つけました。例の10年分のDVDで、8頁にわたって貴重な写真が満載です。何が書いてあるかは‥‥まあ、必要に迫られたら読むことにします(笑)2012-06-08

【追記4】アメリカ型鉄道模型大辞典で「ガス・タービン・エンジン」の項目を整理してみました。2018-01-06

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