プロト2000のSD60で弄じれる部分は
back issue Vol.35 July 15, 2001, re-edited on Nov. 27, 2010
KItbash deas for Life-Like Proto 2000 SD60 BN scheme
遅れ馳せながら、ライフライク社プロト2000のSD60をやっと入手しました。
私がテリトリーとしているバーリントン・ノーザン鉄道BNは、SD60を大量に使っていましたから、本来なら発売と同時に購入しなければいけなかったんですけれど、当初は全く“食欲”が湧いてきませんでした。
というのは、製品自体が完璧に近いレベルに仕上がっている上に、BNに存在したスキームが全て揃っていて、オマケに番号違いまで用意されているというパーフェクトな品揃えが何を意味するかといえば、手を加えるところが無い。すなわち、私が楽しめる製品ではないということだったんです。また、値段も少々張りましたから、伊達や酔狂だけで買うという気にもなれませんでした。
それが先日、あるところで現物を見せられ、かつ格安で譲ると言われて、偶々良かったフトコロ具合の勢いで即決してしまったという顛末です。
GM-EMDのSD60については、Withers出版からまさに“EMD's SD60 Series”という本が出ています。
各鉄道に納入された製造ロット毎の詳細を12枚の1/87図面や潤沢な写真を交えて解説してくれていますから、モデラーとして資料に困るということは全くありません。これに拠れば、1984年から1995年までに造られた1,146両が次のバリエーションに分けられる様です。
SD60 スタンダード・キャブ
(今回、プロト2000で発売になったスタイル)
SD60M Ph.1 ワイド・キャブで正面3枚窓
SD60M Ph.2 ワイド・キャブで正面2枚窓
SD60F フル・カウル・ボディ(CN)
SD60I アイソレイテッド・キャブ(Conrail)
SD60MAC ACモーター試作機
このうちBNは、SD60とSD60MACを借り入れて、SD60MのPh.1とPh.2を買い込んでいます。さらにSD60には2つのグループがあって、1つは8300~8302の3両がBNグリーンで2年間試用され、のちにEMDマルーンに塗り替えられてリース機となりBN線上でも活躍したもの、もう1つはEMDの子会社Oakwayからのリース機9000~9099、100両で青と白の塗り分けです。私は今回、BNグリーンの8300、EMDマルーンの8302、それにOakwayの9046と3種類共、揃えてしまいました。
さてモデルの方は、見れば見る程、良くできています。
BNスキーム8300では、黒一色で十分なロングフード上面を一部、滑り止め塗装としているのには正直、恐れ入りました。軟質プラスチックの別付けパーツは、ハンドレール、ラジエターファン、ホイッスルなどで、僅かにツヤが異なるものの、色味は3両とも良く合っていて、少し離れてみれば全く気にならないレベルです。また別添えパーツも、スノープロー、ウインターライゼイション・ハッチ、サン・シェード、ディッチ・ライト、ウインド・デフレクターなど、贅沢を言わなければ市販のパーツを買う必要はありませんし、各スキームでの有無を記したリストと共に、屋根上や側窓回りの孔開けジグまで添えられています。
では、キットバッシャーとしてどこに手を入れる余地があるかと言えば、まず、給油口回り、正面窓の縁などの色差しです。レタリングや表記類も、探せばメーカーズプレートなど、デカールを追加するところがあります。
ハンドレールを金属製にするか否かは大いに悩みますが、手間を考えたら、このままとしたいところです。判断の分かれ目は、ステップ左右の垂直部分を白に塗装できるかということと、ロングフード右側が伸びていて、端付近のスタンション数本が僅かに傾いていることです。金属化するつもりなら、ハンドレール・スタンションは、スモーキィ・バレー社にロスト製で品番135、SD60用59本セットがあります。
また、アンチクライマー下のMUケーブルは、オレンジ色に透明感があることと、プラグ(連結栓)が表現されていないこととで、取り替えた方がよいと思います。ディテールズ・ウェスト社の品番236は、ケーブル長さが少し短いかも知れませんが唯一の製品です。空気ホース類も、先端をスノープローの切り欠き穴から出す場合には交換となるでしょう。
正面窓ガラスで、一体モールドとなったワイパーは当然、削り落として、別付けとしたいところです。ただし、中央2枚用を結んでいるリンクが車体上のモールドで表現されていますから、これを上手にカモフラージュする必要があります。
さて8300~8302には、特別な問題があります。それは、キャブ前、左サイドのハンドブレーキが丸ハンドルではなくて、レバー式だということです。この部分のショートフードは車体から外すことが出来ますので、改造は簡単ですが、塗装済製品では色合わせが大変そうですが、BNグリーンは面が仕切られていることもあって何とかなりそうです。しかし、EMDマルーン・スキームは3色が掛かっていますから諦めた方が利口ということでしょう。
ところで私は、これらの製品をこのままストックするつもりでいます。というのは、しばらくしたら同じプロト2000でSD60Mの方が発売されるのではないかと期待しているのです。2枚窓ではBNグリーンに加えて当然、1991号機の“フリーダム”スキームも発売されるでしょうから、全部揃ったところで一気に仕上げようという遠大な計画です。SD60MACは、車体が2フィート5インチ長く改造が難しいので、OMI辺りが製品化してくれていると、完璧となります。
また、ボディと下回りを組み立てないままでおく理由には、完成した車両を収納する方法がないということもあります。過去にGP18などでアイ・ボルト=吊り環がポロポロと取れてしまった経験があるものですから、SD60でも心配なわけです。皆さんはこの繊細なプロト2000を組み立てた後、どうやって保管されているのでしょうか。何か良い方法をご存じでしたらお教えください。
| 固定リンク
「新旧製品探訪」カテゴリの記事
- ラピード製F40PHとDCC問答(2016.03.15)
- ExactRailのMagor 4750カバードホッパー(2011.08.05)
- 金属車輪は何を買えばよいのか?(2011.07.28)
- 製品寸評 プロト2000のSD60MフェーズⅠ(2005.01.10)
- イースタン・カー・ワークスの貨車(2004.12.01)
「ディーゼル・サウンダーズ」カテゴリの記事
- ラピード製F40PHとDCC問答(2016.03.15)
- 製品寸評 プロト2000のSD60MフェーズⅠ(2005.01.10)
- レール・パワー製品の作例集(2004.09.08)
- プロト2000のSD60で弄じれる部分は(2004.04.05)
- デラウェア&ハドソンはエーボン・ブルー(2010.10.17)
コメント