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2004/05/01

アサーン製AC4400CW塗装済の加工(3)

back issue Vol.41 Aug. 21, 2001, re-edited Nov. 27, 2010
A model-kitbashing 3 CSX AC4400CW locomotives bollowed by BN in 1995, part 3


写真が消失したので,とりあえず2018年の年賀状に使ったもの

 アサーン社AC4400CWのCSX塗装済キットをディテールアップするプロジェクトは、何とか滑り込みで完成し、JAMコンベンションのコンクールに出品することができました。その姿をHP上でお見せできればよいのですけれど、撮影し忘れています。一応、8月10日号の補足として、皆さんのご参考になりそうな点を、ご説明しておきましょう。

 まず窓ガラスは、既に申し上げていたとおり、アメリカン・モデル・ビルダーズ社製のレーザーカット・アクリル板でダッシュ9用を使っています。ただし、全13枚のうち、ピッタリと合ったのは、キャブ前後の4枚と側窓の2枚、それにボンネット・ドアの1枚だけで、あとの6枚は自分で切り出さざるを得ませんでした。やはり、金型自体の寸法が微妙に異なっているようです。

 ここで、気掛かりだった正面窓用のガラスは、やはり切り口が直角で、車体穴とガラスの間に隙間が出てしまうものでした。
 この部分の形状は、第1回に示した写真を見ていただければ分かる様に、金型の関係で穴に角度がついていますから、窓の車体中央寄と下辺に隙間が出ることになります。ですから、他の直角な面のガラスでは押し込むだけでガラスが固定できるのに対して、この正面窓では接着剤の使用が必須というわけで、RMM誌98年10月号では佐々木也寸志氏がゴム系を奨められています。

 しかしゴム系は、シンナーで溶かして使っても乾燥が速くて塗り難く、また糸を引き易いことから、私は苦手としていまして、在庫を持っていなかったので近所のDIY店に買いに出かけたのですが、ここで面白い新製品を見つけました。それがコニシ株式会社、昔の小西儀助商店の商品名“ボンド水性G”です。

 「合成ゴム系・水性形接着剤」とあって、要は同じ水性の木工用ボンドにソックリな白い液体なのですが、これを接合面に塗って乾燥させ、白い色が消えて透明になったら貼り合わせるものです。木工用ボンドよりシャバシャバしていますから、乾く速度が遅くて伸びもよく、塗り作業は極めて楽です。コツは、なるべく塗膜を薄くすることと、完全に乾いてから接合することでしょう。20ml入りチューブが280円という値段で、普通の合成ゴム系よりは高めでした。

 ところで、同時に加工している3両のうちの1両には、正面窓も自分で切り出したガラスをハメ込んでいます。もちろん、2辺に隙間が空かないように斜めに削り、同じ水性ゴム系を使って取り付けています。

 あとは、この接着剤の耐久性の面が心配ですが、ことによると、ペーパーやブラス板の車体で、裏から塩ビ板などの窓ガラスを接着する場合にも使える可能性があります。

 なお、窓ガラスのハメ込みで最大のコツは、ガラスの切り口と窓穴の厚さ部分を黒く塗っておくことだと思います。これで、プラスチック製品特有の肉厚感を消し去ることができます。私は安直にマジック・インクでグルっと一回り、なぞっているだけです。

 さて、台車を組み立てる段になって驚かされたのは、ダンパーとブレーキシリンダーの組み合わせバリエーションです。製造年や鉄道による取付方が、アサーンの説明書に述べられていますので、これを仔細に読み解く必要がありました。もちろん、実物の写真があるなら参考にできます。

 この中で工作的な困難は、これらのパーツを台車枠へ取り付ける際に、取付用の穴の大きさが小さく、ボスを押し込もうとしても、なかなか入らないことでした。穴とボスの形が半丸ですから、ドリルで広げるわけにもいきません。それで私は、穴にラッカーシンナーを垂らして内面が溶けるのを待ち、頃合いを見計らってパーツを押し込んで、接着も兼ねてしまうという方法を採りました。正に単純明快な手法ですから当然、既に多くの方々が常用されておられることでしょう。

 ところで、形態的なバリエーションがエグゾースト・スタック=排気煙突にもあって、東部の鉄道は高さが低くなっている、というキットの説明を読んだのは完成間際でした。それで私は、煙突を切り詰めて済ませていますが、本来ならボディに穴を開けて沈み込ませるのが正解のようです。

 工作の最後に来て、オーバーコートが白く被るというトラブルに遭遇したり、パーツの不足やら紛失という不始末で、またしても悔いの残るモデルになってしまいましたが、コンテストが終わってからNAPMの展示場で走らせると、佐々木也寸志氏所有のBN石炭車40両編成を快調に牽引してくれています。3両の機関車の間に挟んだGEの性能測定車でも面白さが醸し出せたと思っているのは、独り善がりに過ぎないかも知れませんけれど……

 キットバッシュは簡単に済むと思ったのに4ヶ月ほどを費やしてしまいました。
 以下、反省点です。

 まず、ボンネット上のグラブ・アイアンは0.3mmの洋白線を曲げましたが、予めミッチャクロンというプライマーを塗ったものの塗膜が剥がれ易くなってしまい、随時、ブルーの油性ペンでタッチアップしています。この件については、メールマガジンのVol.102にも書いたとおり、ミッチャクロンと洋白という材質の相性の悪さだと思います。今後、洋白線を塗装部分には使わない様にしようと思っています。ディテール・アソイエーツ製品を使ったドロップ・タイプも洋白線ですが、こちらは擦れる部分ではないからか、今のところ剥がれていません。

 ディッチライトは、パーツは点燈可能な電球となっていますが、面倒なので電線を切って取り付けています。デッキ上面にエポキシ系の接着剤を塗って、その上に置いているだけですが、位置決めが難しいので、ダボか何かを設けた方が良かったようです。

 機関車右サイドのエアータンクが少々、燃料タンクの切り欠きから浮き気味に取り付けられてしまうので、エアータンクを予め薄く削れと、友人に教わり、1両分で実施したものの、作業自体が大変なので、あとの2両はそのままとしてしまいました。真横から見れば目立たないものの、その気になれば気になります。

 カプラーの取り付けは製品のポケット構造をそのまま使ったところ、カプラーの振れがすこぶる悪い状態に仕上がっていまいました。原因は、ポケットがダイキャスト・シャシーと一体のモールドとなっているためでしょうか。あるいはフタを工夫すれば改善されるかもしれません。

 モーターは製品のままです。3重連でもソコソコ走ってくれましたので、このごろのアサーンはあえて交換の必要が無い様です。

 塗装済み製品としては、エンジン・ルーム・サイドの「CSX」の文字や、ボンネット部分のイエローの塗り分け線のカスレがあって、いずれも使用製品一覧に示す塗料でタッチアップを行い、一応は目立たない姿に仕上がっています。ただ、前部両サイドのGEのメーカーズ・プレートの位置などが実機と異なるなど、マッチする塗料が入手できさえして、時間が許せば、未塗装から塗り上げたかったところでした。

【使用パーツ一覧】
Athearn       4348  AC4400CW CSX NO#
Detail Associates 2202  Glab Iron
Details West 236   MU Cable, Double-Ended Receptacke
Details West 256   Snowplow, NSX, NS
Details West 243   Ditch Light, with Platforms & Bulbs
MicroScale   87-915 CSX GE Wide Cab Locos, 1990+
Kadee       #26
American M. B. 2381  Window Set,
Athearn Dash 9 for Low Number Board Cab
マッハ模型   ワイパー
さかつう     サン・シェード
GSIクレオス   缶スプレー ブラック
           缶スプレー ナチュラル・グレー
タミヤ      #4ブルー
グリーンマックス #34西武イエロー
  0.4mm リン青銅線(ハンドレールに使用)
  0.3mm リン青銅線(カプラー・リフト・バーに使用)
  0.3mm 洋白線 (グラブアイアンの一部に使用)

 AC4400CWのキットバッシュは、第1回第2回もご覧ください。

JAMコンベンションでは、NAPM以外で5名の読者の方から声を掛けていただきました。改めて御礼申し上げます。ところで、コンベンションは広報活動の成果もあって3日間の入場者数が昨年の倍とのことでした。印象的には確かにモデラーでない一般の方が多かったと思います。
  そんな中で、見てもらう側の目的と心構えについて、考えさせられてもいます。アメリカ型って、いったい何なんでしょうね。
  代用塗料データの登録についてはトラブルが続きましたので、HP全体を閉鎖し、従前のプロバイダーに移設しています。今後は http://kkworks.hoops.ne.jp/ でお願いします。)【現時点では、pdfファイルです】

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