とれいん誌01年11月号 ペンシィはストライプが命
back number Vol.68, Oct. 22, 2001, re-edited on Nov. 27, 2010
とれいん誌の11月号を皆さんは、もうお手に取られましたでしょうか。
表紙になっているのは、ペンシルベニア鉄道の流線型蒸機、S-1ですけれど、これがNスケールだなんて信じられますか?
私は前以って同誌の発行するメールマガジン“めるとれ”(購読無料、申込方法は11月号147頁)創刊号の予告を読んでいて、初めからそのつもりで眺めたのですが、背景に使われているラッキーストライクとピースのシガレット・パッケージが実物のほぼ倍ですから、この細いゴールド・ストライプは驚異としか言いようがありません。114頁からの製作記を読むと作者は作業中に胃痛に悩んだとあり、正に“さぞや”と思わせる出来映えです。
私は実のところ、この非実用的だったS-1をレイモンド・ローウィの失敗作だと理性的には決めつけているのですが、この機関車には量産されたT-1では感じられない、何とも表現し難い、夢というか、魅力を持つスタイルだと認めざるを得ないところがあります。蒸機時代の末期にこういう“贅沢”をよくぞ許されたものだという思いです。
このS-1は、後期にバルブギアと動輪の保守性を考慮した外装に改造されていて、どうも彼の地ではこちらのミニスカート・スタイルの方に人気がある様に感じますけど、日本ではどうなのでしょう。
ところで佐々木也寸志氏の現地シリーズも、タイミング良く元ペンシィの主力工場であったアルツゥーナ訪問記となっていて、その冒頭をタスカン・レッドとファイブ・ストライプに復元塗装されたGG-1が飾っています。
このストライプこそが工業デザイナー、ローウィの真骨頂で、GG-1では機関室通風口の無骨さをネグレクトする目的だったはずです。しかし、私には一つ疑問があります。というのは、この通風口の金網部分でストライプの1本1本がどのようになっていたかということです。
佐々木氏の写真では、一段引っ込んだ金網自体にストライプが塗装されています。しかし、現役時代の写真では、ラインが外板とツライチの面にハッキリとした濃さで引かれているとしか見えないのです。すなわち、ストライプのためにわざわざ帯金が設けてあったという想像です。この辺りをご存じの方がおられましたら是非、お教えください。というのは、手元に1台のGG-1が……。
さて、この11月号のもう一つの目玉は、松謙氏が例の事件に寄せる思いでしょう。パイプ・スモーキング欄で吐露されている氏の激情の方は、このメール・マガジンの範疇を越えてしまっていますので、やはり話題とすべきは「自由に栄光あれ!」と題されたコレクションの方です。
ここにあるOMI社製のディーゼル機関車は、バイセンテニュアル(アメリカ建国200記念)塗装が5両と、湾岸戦争記念塗装が2両で、いずれも見事な出来栄えですから、それぞれの鉄道をテリトリーとされている方々には垂涎の的なことでしょう。
私が注目するのはもちろんBN機で、SD40-2とSD60Mの2両です。このうち前者の1876号機については、同誌1999年7月号にアサーン製品からデっち上げたものを掲載していただいていますが、この写真と比べられると、ダクト側面の塗り分けをミスっていることがバレバレです。BNはバイセンテニュアル色として他にSDP40とU30Cを登場させましたから、これを手掛けるときに同時に直そうと考えているところです。
一方、私が唯一、自慢出来るのはナンバーボードの車番です。ここの「1876」という数字が異様に小さいことに気が付かれると思いますが、これによってデカールにマイクロスケール社の品番87-459を使っていることが分かります。私の車番は、ロングフード側面用の大きなものをスキャナーで読み込み、アルプス・プリンターを用いて正しい大きさに印刷した自作デカールなのです。
このマイクロスケール社のデカールを私は3枚も購入していて、パッケージの相違からそれぞれが別の製造ロットだと判断出来るものの、このミスは直っていません。
ところでSD60Mの方は、プロト2000がノーマルなSD60に引き続いて売り出してくれるものと期待しています。
私はこの様なユニークで塗装し甲斐のあるスキームに目がないのですけれど、皆さんはどんな特別塗装機を所有されている、あるいは考えておられるのでしょうか。是非、お聞かせください。
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