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2004/07/06

アサーン貨車のカプラーには#27が

back issue Vol.66 Oct. 14, 2001, re-edited Nov. 27, 2010

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 10月10日号でアサーン社の新しい貨車を紹介しましたが、やはり私にとっては従来から発売されているものの方が安い上に手間も要らず、壊れ易い部分も少ないので安心です。これら旧シリーズのアンデコを、私はBNファンとして当面必要な量を十分にストックしているにもかかわらず、最近の発売分の中身に気になることがあって、塗装済1両を買ってみました。【画像はクリックで拡大します】

 ところで近年、プラスチック製品であっても一定の数を発売して終わり。もしくは、数年後の忘れた頃に再生産という例が多くなっています。アサーン社に限っては、古い製品でも万遍なくコンスタントに供給してくれますから、我々にとってはありがたい存在といえます。

 しかし、これは反面、店の棚の上で年月を経ている商品であっても判かり難いこととなります。もちろん、プラスチック製品はナマモノではなくて、箱に入っていれば塗色が褪せることもありませんから、普段はこれを気にする必要はないといえます。数年前に箱絵が蒸機からダッシュ9に変更になりましたけれど、ことさら箱を選んで買うというような人はいなかったはずです。

 ところが、昨年辺りからこの事情が変わってきました。各社とも同梱のカプラーを、ホーンフック・タイプではなく、ケーディー・タイプを入れるようになったためです。当然、ほとんどの方はケーディー・タイプを標準としておられるでしょうから、値段が一緒ならこちらの方を選びたいのは当たり前です。アトラスなど一部のメーカーは箱に表示しています。

 これに対してアサーン社はどうなのか、という疑問が今回、模型店で最近発売分を探した理由でした。実際に購入したのは品番5685、50' Single Door Railbox Carです。

Athearnboxcar111

 で、結論からいいますと、メーカーによる明白な表示はありませんでした。しかし、箱端面で品名などを示してある部分が、ゴシック体で印刷されたシールになっているものが新しい製造分で、ケーディー・タイプのE-Zカプラーが入っていると判断出来るということの様です。この辺りは新しい製品のPS-5344にも採用されている表示方法です。

 箱を開けても、カプラーは不透明なクラフト紙の袋に分包されていますから、直接は分かりません。唯一、説明書のイラストで、PS-5433だけは、ここに「E-Z Coupler」との記載があって、それと知れますが、旧シリーズのイラストは古いイラストを使っていますから、判断できません。

 アサーン社が殊更にカプラー種別を表示しない理由は、従来製品の在庫をたくさん抱えている小売店のことを考慮してのことでしょうが、変更されて1年以上経ちましたから、この秘密をバラしても叱られることはないでしょう。

 ところで、このカプラーに大きな問題があります。それは、添付されていたE-Zカプラーが標準型、すなわちケーディーの#5と互換性のあるタイプだという点です。

 この件について以前にニフティでも話題としましたが、私の経験からすると、アサーン社の旧シリーズの貨車に適合するケーディー・カプラーは、実は#27なのです。

 よく雑誌などでアサーン貨車の解放ピンが上方向に仰け反らせて付いている姿をご覧になると思います。実は、旧シリーズに#5を組むとカプラー高さが低く過ぎて、解放ピンの先がレール上面よりも下に来てしまい、ポイントなどで突っ掛ける事故が発生することになります。この対策が、解放ピンを上向きに反らす加工なのです。

 ですから、これらの貨車には、カプラーのナックルがアームの上部に付いているケーディーの#27が合致するというわけです。

 それにもかかわらず、箱には#5コンパチブル品が入っていましたので、ガッカリしたわけです。ただし、アサーン貨車の魚骨構造は基本的にプラスチック・モールドの歪みが出易く、希に個体によっては#5とした方がいい場合もあることはあります。

 添付品は他への流用が可能なので無駄にはならないとはいうものの、結局は#27に交換しなければならないわけです。ケーディー・カプラーのクローンはたくさん登場したけれど、ほとんどが標準の#5ですから、バリエーションを揃えている本家ケーディーはやはり有り難い存在といえます。

 極論ですが、このコンセプトを貫けば、カプラー高さの調整のために解放ピンの曲がりを弄るという行為は邪道ということになります。ケーディーで一番大事なことはナックル高さを10mmに維持することで、これにより自然解放を防ぐことが出来るわけです。解放ピンを曲げるということは、ナックル高さが10mmになっていないことに他なりません。本来は、解放ピン曲げ調整用のプライヤー(ヤットコ、品番237)をケーディー社自身が発売すること自体、矛盾だといえます。

 ここでお断りしておかなければならないのは、ウォルサーズHOカタログにおいてケーディー社の推奨している適合カプラーが「#5+Shims」となっていることです。同社の製品で「Shims」という品名は品番211だけで、これはカプラー・ポケットと車体の間の調整板ですから、「#5+Shims」という表記は「アサーン製品のカプラー・ポケットを切り取って、ケーディー自体のカプラー・ポケットを車体に直接、取り付けろ」という風に解釈出来ますけれど、それではウェイト鉄板に取付孔を開けるという大仕事が必要となります。

 となれば、この「Shims」は台車中心ピンに挟むワッシャを指していると解釈するのが一般的でしょう。このワッシャはケーディー社純正品なら、品番208(0.015"=0.38mm)と品番209(0.010"=0.25mm)です。

 ただし私は、この方法では1.0mm厚もワッシャが必要ですから、車体が腰高となって“見てくれ”が悪くなるし、ただでさえ悪い車体の安定を更に悪化させるだけだという考えで、#27を使う方針を採っています。

 アサーンのカブースなどについてはケーディー社の表がちゃんと#27としているのに、同じホーンフックを使うボックスカーが、どうして「#5+Shims」なのか不思議ですが、多分、不足する高さが1.0mm前後であるのに対して、#5と#27とでは取り付け高さの差が1.2mmもあって、“上げ過ぎ”になるという判断なのだと思っています。

 ところで、今回購入のキットにはもう一つ、落胆することがありました。それは、カプラーのフタ金?が金属地膚そのままだったことです。以前はツヤ消しの黒色で、サイドから見ても目立たない様になっていたのですけれど、この製品ではキラキラ光るメタリックのままでした。材質は磁石に引き付けられますから鉄(軟鋼)板でしょう。私は錆止めなどの処理をせず、外側だけ油性ペンで黒く塗って、お茶を濁しています。

Photo_4

 なお、カプラーを組み付けるのは魚骨状態のときということは皆さんも良く認識されていると思います。ここでの留意点はフタ金を填め込むときに、ポケットの爪を削らないことです。
 すなわち、チャンネル状の曲げにバネ作用を期待して、きつめに曲げて押し込んではいけません。そうすると、プラスチック製のポケットに整形された爪が削れてしまう上に、鉄板のフタ金の曲がりがバネの様には戻ってくれないのです。よって、この甘いフタの懸かりのせいで、走行中にカプラーを落とす事故が発生することになります。

 ですから、フタの曲がりを予め広げておいて、カプラー・ポケットに被せてから、ラジオペンチなどで爪に懸かる部分を潰してください。不幸にも爪を削ってしまった場合には、爪の上の、フタ金を押し込む面を削り取って懸かり代を稼ぐと、外れなくなります。

 まあ、アサーン旧シリーズの貨車はカプラーだけでもこれだけの“楽しみ”があり、さらに台車やウェイトなどもそれぞれの問題を持っています。それらについては後日、またユックリとご紹介させていただくことにいたします。

10月10日付で配信されたアサーン・ニュースに拠れば、メキシコ国鉄色のボックスカーからカブースまでの貨車が一式、発売となるようです。
 我が国でメキシコにご関心をお持ちの向きは、私はお二人を存じ申し上げているだけですけれど、機関車や客車を含めて曰く因縁の経歴を持つ車両が多く、知れば知るほど面白いようです。何か話題がありましたら、アメリカとカナダばかりだけではなく、こちらについても話題を御提供いただければ幸いです。

【追記】この記事でカプラーに#27を奨めていますが、魚骨タイプの台枠とカプラーポケットが一体となったタイプ、すなわちアサーンのブルーボックス・シリーズでは、このポケットを切り取った方がよい、というのが私の結論です。檜山政明さんの仰るように、カプラー高さがドンピシャというわけではないし、プラスチックの変形が避けられないからです。
 結論的に当方では、「アサーン貨車 カプラー高さの続報」でお伝えした方法を採用することとしました。2010-11-27

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