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2004/07/07

UPファン日記◆いずこも同じ塗装の悩み

back issue Vol.67 Oct. 21, 2001, re-edited Nov. 27, 2010

by Bullmoose稲垣

 UPファンだけでなく、外国型ファンの多くが塗装、塗料について悩みをお持ちのことだと思います。そこで国内製品を何とか利用出来ないかという考えが浮かぶわけで、この“アメ情”でも代用塗料データベースが提言されています。

 私は以前、フロッキル社のエナメル塗料を使用していましたが、UPのアーマーイエローの色調がOMI製品とあわないことに少々の苛立ちを感じていたことと併せて、最近はシンナーが輸送上の安全性の問題から入手困難になっています。

 そこで、同社のセカンドラインであるポリーなる通販可能な水性アクリル塗料に転換しようかとも考えたのですが、フロッキルとの色調の差が余りに大きいこと、塗り難さ、さらに表面のテクスチュアー=質感が受け入れがたかったので国産塗料への転換を決めました。

 ここで私が考えた条件は、マッハ等のプライマーが使えること、発色が良いこと、塗りやすいこと、ラッカー系であることの4点です。

 フロッキルはエナメル系でしたが、とても良い塗料でした。唯一の欠点は表面のテクスチュアーです。鉄の冷たさを表現していません。その代わり、紫外線にさらされたようには見えますが……。これはエナメル系の大きな欠点と私的には思っています。

 さて、ラッカー系で模型用の塗料によりUPのアーマーイエローを再現しようというわけですが、すぐに考え付く選択肢は2つあります。1つはマッハの塗料で調合する。他はプラ用塗料で調合する方法です。

 マッハの塗料は鉄道模型用として広く使われていますので第一候補です。しかし、使われたことのある方には理解していただけると思いますが、粘性が高く、かつ透明度が高いという性質を持っていて、塗り難い塗料といえます。

 特に、ノズル径が0.2から0.4mm位の細いハンドピースを使っている場合にはかなりの困難が伴います。塗り易くなるまで薄めますと隠蔽性が低くなり、何度でも重ね塗らなければなりませんし、少し濃くすると粘度が高いので塗装面で塗料の粒子が崩れて平面になる前に硬化して滑らかな表面になりません。うまく塗るためにはノズル径の大きなガンでちょっと濃いままドバッと分厚く塗り、この塗膜の厚さで乾燥時間が遅くして平面化する方法をとる必要があります。吹き付けた塗料の粒子が小さいハンドピースではすぐ硬化してしまうので、ザラつく結果となり易い様です。しかもちょっと高価です。

 これに対してプラ用塗料はとても塗りやすく、普通に塗る分には技術なんか必要としないくらいです。ただ、マッハのプライマーが効かないし、また、未塗装製品に塗布されているクリアーラッカーにも食いつかないのが難点です。両者ともに塗料に含まれる溶剤が下地をすこし溶かすために食いつくわけですから駄目です。でも、塗りやすいのが使いたいですよね。プラ用が下地を溶かせば…。

 そこで強力な東邦化学の万能シンナーをグンゼ産業のMr.カラーに使用してみました。結果は問題なく使用できます。しかも、強力に下地に食いつきます。

 ただ、すこし延びが無くなりますのでグンゼのレベリングシンナー(リターダー)の併用をお勧めします。これを使えば塗装がうまくなった気になります。私は一回目の吹き付けには万能シンナーとレベリングシンナーを併用し、その上に塗り重ねるときはレベリングシンナーのみを使っています。

 さて、肝心のアーマーイエローの調色ですが、OMIの色には、Mr.カラー113番のRML04イエローを3、Mr.カラー58番の黄橙色を1の比率でバッチリ合います。好みによりオリーブグリーンかオリーブドラブなどのくすんだ緑をほんのちょっと補色として入れてもいいでしょう。ただ、黄色系は透明度が高く、下地が透けていると緑っぽく見えるので注意が必要です。

 なお、他の塗料を使った調色結果が代用塗料データベースに登録されていますので、皆さんのお好みの参考にしていただければ幸いです。

■当メール・マガジンの旧記事は http://kkworks.hoops.ne.jp/【現在は閉鎖し、こちらのブログに移行】 に、その推敲版を掲載していますが、今回アップしたもののうちの9月14日号(No.53)には写真を貼付しましたので一度、ご覧ください。GSB社製SD40-2の優秀さをご理解いただけるものと存じます。
 なお、10月13日号(No.65)で発行部数が100の大台に到達いたしました。これからもご愛読のほどを宜しくお願いいたします。(栗)

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