コンコー社からエレクトロライナー
back issue Vol.85 Jan. 21, 2002, re-edited on Nov. 27, 2010
“コンコア”、または“コンコール”と表記されることがあるCon-Cor社ですが、私はなぜか“コンコー”と覚えてしまっています。
MP15や3ベイのPS-2、またモノグラム社から引き継いだ静止プラモデルのビッグボーイやハドソン等、なかなか貴重な題材をラインナップしてくれる一方で、今までの出来栄えは全て“トレイン・セット”レベルといったところですから、あまり食指の動くメーカーではありません。そんなコンコーからNゲージでSPのGS-4が予告されたと、1月4日号Vol.81でお伝えしたのに加えて、今度はHOゲージで、何とエレクトロライナーが発表されました。【画像は同社サイトから引用】
Electrolinerは、知る人ぞ知る流線形連接電車で、小田急のSE車を思い浮かべていただくと馴染み易いと思います。しかし、それに先立つ16年も前の1941年(昭和16年)に、既にWN駆動でHSCブレーキだったというスグレモノです。また4車体5台車の連接構造のうち1車体はパーラー車、全車エアコン付きにもかかわらず、集電は2本のポールと第3軌条用集電靴というアンバランスさが魅力の典型的なインタアーバンです。
それで、なぜこんなに詳しいのかといえば、これがシカゴからミシガン湖沿いに北上し、ミルウォーキーまで行っていたシカゴ・ノース・ショア&ミルウォーキー、すなわち有名なノース・ショア電鉄の車両だからです。
手持ちの書籍では、その名もズバリ、Route of the ElectrolinersというCERA=Central Electric Railfans' Association発行の1冊があります。この本は1930年代降を扱っていますが、開通期からでしたらDays of the North Shore Lineとい本もあります。1963年にノース・ショアは廃線となり、801-802、803-804と2本あったエレクトロライナーはフィラデルフィア・サブアーバン・トランスポーテーションPSTに売却され、そこでリバティライナーとして再度の勤めを果たしました。そして、1982年にイリノイ鉄道博物館に引き取られています。
アメリカでスケールの電車がマスプロ製品となることは、1950年代にウォルサーズ社がHOとOで、木材とアルミ鋳物で同じノースショアの古い電車キットを売り出した以外、これが歴史上初めてでしょう。
ブラスではクマタ貿易が、ドア周りが異なるリバティライナーを含めて1974年に製品化したことがあり、中古市場に現れても直ぐに捌けてしまいます。数年前にあった某インポーターからのアナウンスは、いつのまにか立ち消えとなってしまいました。プレス技術的には困難なフォルムではないのですが、赤と緑の細かい縞模様という塗装は大きなネックです。
というわけで、一部には強烈なファンがいるものの、一般的に受け入れられるかどうかは未知数です。ただ、カテナリー物ではアムトラックのアセラが予想外の人気となりましたから、新しい市場を開いてくれる可能性はあるはずです。
まあ、アメリカ型にはこういうものもあるということで、次のURLをご覧ください。 http://www.all-railroads.com/instock/hoelectr.htm
コンコー製品というと正直なところ、二の足を踏まれる方がおられるでしょうが、ことによると日本では予約しないと入手できないかも知れません。実物写真は http://davesrailpix.railfan.net/cnsm/cnsm.htm でいくらでも見ることが出来ます。
なお、NゲージGS-4のテスト・ショット写真は http://www.all-railroads.com/instock/ngs4484.htm にあります。ここを覗いてしまうと、予約される品番に悩まれることでしょう。
■11月23日号Vol.77で言及した洋書History of the J.G. Brill Companyが、TMS誌の2月号メディアチェック欄で1ページを割いて紹介されていました。同誌には昔からインタアーバン関係にウルサい編集者がおられますから、当然といえば当然で、これだけ読めば現物を見なくても大方のファンにとっては用が済んでしまうという詳しさです。多くの方がこの解説によって書籍を購入され、泥沼の道に進んでいただきたいと思っております。
さて、読者が嗜好する鉄道時代アンケートは、独断と偏見により次のカテゴリー分けで実施させていただこうと存じます。1月9日号Vol.83の区分案を整理して、選択肢を少なくしてみました。今まで参加されたことの無い方も、奮って御投票をお願いします。
それでは、貴方がお好みの鉄道の時代を下記より一つだけ選んでお答えください。「アメリカ型は全部好き!」という方も、敢えてどれか一つを決めていただければ幸いです。
①1910年頃まで クラシック・アメリカン(江戸・明治)、②1910-1940年頃 鉄道全盛期、流線型時代(大正・昭和戦前)、③1940-1965年頃 超大型機、ディーゼル台頭(昭和戦中戦後)、④1965-1990年頃 標準機、Dash2、Uボート等(高度成長期)、⑤1990年以降 ハイテク機、Dash9、MAC(平成時代)、 ⑥アメリカ型は判らない、◎途中経過・最終結果を見る、◎コメントボード
なお、締切は4日後の1月25日22時00分です。
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