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2004/10/09

アサーンDL鉄製ハンドレールのコツ

back issue Vol.99 Mar. 14, 2002


   前号Vol.98(3月12日号)で話題としたW-Vカブースは、アサーン・スペシャル・セットの一品ですから、そのカタワレであるディーゼル機関車SW1000の方も、もちろん一緒に組み立てています。
Fleet

  プロトタイプについては本誌Vol.56(2001年9月19日号)でお解かりいただける通り、GM/EMDが製造する1,000馬力の入換機で、1,500馬力のSW1500共々、現行機種としてアメリカ中の鉄道で活躍している型式です。両者は大きさもスタイルも全く同一ですから一瞥では見分けが付き難いのですが、コツは排気煙突の数で、前者が1本、後者が2本となっています。
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 モデルの方は1990年の発売開始で、GP38-2以降の製品ですから、ロング・フード幅に代表される基本寸法や全体のモールドは十分なポテンシャルを持っていて、ディテール・アップを図りたいキットバッシャーにとっては、格好の題材と言えます。
  今回は出発点がアサーン・スペシャルの塗装済ということで、特定のプロトタイプがあるわけでは無く、“それなり”の姿を目指すことになりますので、手を入れる個所はいずれも基本的な部分だけです。というわけで、アサーン社のジェネシス・ラインではない従来タイプ、すなわちクラシック・ラインの参考例として、まず、アサーンにおける最大の特徴である金属製の手すりを組む、私の方法を御披露することにしましょう。

101_sw1000_c
 先ず、この製品の鉄製、正確に言うと軟鋼製のハンドレールとスタンション=支柱です。
 プラスチック製と比べて細かいディテールでは劣るものの、直線性や頑丈さ、さらに細さでは未だ未だアドバンテッジがあります。ただし、これを活かすためには、垂直材であるスタンションをビシっと立てることが肝要で、それさえ実現すれば、ハンドレールの線材の方は精度が十分に良いので、申し分の無い仕上がりが得られます。具体的には、スタンションの高さを揃えて、ウォークウェイへの差込部の曲げを正すことです。

 私の実施している方法は、まずスタンション先端の孔にハンドレールを通して、接合部をプライヤーで潰します。そして、数本のスタンションを揃えて柱部分を万力で咥え、車体への差込部を金槌で叩くと、高さが揃って曲がりが直角なスタンションが出来上がるというものです。
  不思議なことに、これを“やる”と“やらない”とでは月とスッポンの差が出ます。オーバーな言い方をすれば、“やる”ことによって品格が大幅にアップして、全く別の製品に見せられると私は思っています。

 スタンションが直りましたら次は、ハンドレールとスタンション全体をボディに仮にセットします。このとき、差込孔が浅い場合がありますので、予め0.8mmのドリル刃でサラっておいた方がよいでしょう。また、この後に一度引き抜く必要がありますから、差込孔を僅かながらルーズにするという効能もあります。

 差し込み後は、スタンションが垂直になるように徹底的に調整します。真横から見て、垂直とするわけですから、背後に見える点検ドアの垂直線に合わせるのが尋常でしょう。もし接合部が緩いなら、再びプライヤーで絞めます。
 垂直性が満足のいくレベルに達したら、ハンドレールとスタンションの接合部にサラサラ・タイプの瞬間接着剤を垂らします。接着剤の量が多いと、ここが太めになってしまいますから、あくまでも少量です。また誤って塗装面に垂れてしまわない様に、紙などでカバーした方がいいでしょう。

 なお、固定には半田付けという方法もあります。確かに、妻部の4本支柱で、真ん中2本の間のハンドレールを切り取って、チェーンに置き換える場合は当然、半田付けが望ましいと思いますが、それ以外では瞬間接着剤で十分だと思います。鉄は半田付けが少々難しいという面もあります。

 接着剤が固まったら、ハンドレール一式をソっとボディから引き抜きます。私は根元付近をマイナスドライバーの先で押しています。このとき、接合部が回転しまうことがありますが、位置がズレなければ大丈夫です。そして一式に所定の色を吹き付け塗装を施してから、全体工程の最後に再びセットという手順です。

 おっと、ハンドレールだけでこんな長文になってしまいました。というわけで、SW1000については“to be continued”ということにさせていただきます。

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コメント

Gスケール線路のカーブを曲げる機械があれば、価格と
購入方法を教えてください。

投稿: 西田博次 | 2007/08/01 08:35

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