アサーンDLウォークウェイの塗装
back issue Vol.101 Mar. 18, 2002
Vol.99(3月14日号)に引き続きSW1000を例にとって、アサーン社のフード・ディーゼル機に最小限の範囲で効果的な、私流の手の加え方をご説明いたしましょう。2回目は、ウォークウェイ、すなわち機関室周りの歩く面への色入れです。
実物のこの面は機関士などが汚れた靴で踏む関係上、明るい色が塗ってある場合は少なくて、ほとんどが濃い色となっています。例えばBNでは、機関室も側梁もグリーンですがここは黒という風です。実物の機関車は地平レベルから眺めることが多いので、この面が直接、見えることが少ないものの、モデルでは当然、上から見下ろしますから非常に目立ちます。
実は、この塗り分けがカッコイイのです。ここを塗り分けたBNスキームのモデル製品は確か1993年のカトーSD40が最初だったと思いますが、私にとっては正に衝撃でした。この黒によって下回りがグっと締まり、カスケード・グリーンがますます映えて見えたのです。その頃持っていたRS3、C424やC425、さらにアサーンのGP38-2を片っ端から塗ったのは言うまでもありません。
ただし、実物写真で各鉄道のここの色を確認しようと思っても、中々判明し難いのも確かです。ほとんどの写真は地面に立った高さからの撮影ですから色が判る様に写っていることは希ですし、俯瞰撮影でも、汚れていたり、機関室の色が映り込んでいたりと特定することが困難なことが多いのです。BN以外の写真の手持ちが少ないので滅多なことは言えませんが、各鉄道のウォークウェイの色をざっと見たところでは、Chessie、Conrail、SPSFコダクローム・スキーム、KCSが黒、UPがグレー等となっています。ただ、実物でも面倒なのか、この中にもそうでない例があります。DM&IR、ICやCSXグレーには塗り分けた車が見つかりませんでした。
モデルでも近年、これがちゃんと表現される様になってきた一方で、面倒な階段部分が省略されている場合が多いようです。少し古い製品のグレードアップを含めて、簡単な作業ですから是非お薦めしたい加工です。
ところで、このウォークウェイの着色を私は、いつもは塗装で表現していますが、今回はステップにマスキング・テープ貼りで難しい部分があることと、先日に極めた“奥義”を試してみたくて、デカールによる表現を試みました。マイクロスケール社の透明デカールにグンゼ産業(現GSIクレオス、昨年11月改称)のブルーを吹き付けて、それを切って貼るというものです。
で、その結果は、半分が成功で、半分が失敗でした。
成功は、階段ステップ上面で、四角に切って貼り込むだけですから、本当に簡単です。前後のデッキ部分で複雑な形状は、10×20mmという大きさに切り出したものを少し張り出させて貼っておいて、乾いてからカッターで削ぎ落とすという方法が上手くいっています。
失敗は、フード両側の7mm幅、約100mm長の部分で、10数mmおきにヒビが入ってしまいました。最初、水に濡らして置いたときに全長で1mmほど伸びましたから、それが縮む過程で切れてしまったのでしょう。
製品のデカールにはこれ以上に長い帯状のパターンがたくさんありますので、市販品では大丈夫なのでしょうが、塗装すると展性が失われてしまうのかも知れません。老眼の出てきた目で少し離れて眺めると、この亀裂がほとんど判らないという理由で私は、このままとしています。
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