トロリー趣味はアメ車が欲しい!
しばらく前に友人が、HOゲージのモジュール式線路パネルで路面電車のDCC運転を実演してくれたものですから、それ以来、トロリーに対する興味が湧き上がってきていて、アームチェアーに座ったままという状態ではあるものの、このところ頭の中がそれで一杯という有り様です。メールマガジンの発行が緩慢になっている本当の理由も、実はここら辺りにあったりします。
まず、最初の思い付きは、ストックしているプラスチック・モデルの1/45、2軸路面電車の動力化でした。
大昔にGマーク、その後モデモのブランドで、京都N電と東京市電、さらに大阪市電は2階建てまで市販されましたから、読者の中にもお持ちの方が多いことでしょう。
雑誌に事例が発表された様な気がして探しますが、見つかりません。しかし、キットのブリル単台車枠を活用して、その内側に、17mm径車輪と軸間距離46mmの動力ユニットを納める方法をアレやコレやと思案するのも楽しいものです。
私自身の嗜好からすれば、キットのままの明治風ではなくて、出入り口にドアを設け、戦後のスタイルといっても不自然ではない姿としたいところ。1/45といっても1/48でも十分に通用しますから、カラーはアメリカンで、イリノイ・ターミナルやサウス・ショア風に、ボディーがオレンジでサッシがブラウン、さらに大きなレタリングを施したい。戦争直後の混乱が一応収まった1950年代のローカル・ラインを、2軸車でノンビリと走る姿がいい……。
と、ここで妄想が、あらぬ方法へ発展していきます。
私の頭の中でチンチン電車は、田舎道に寄り添って走ります。未舗装のガタゴト道に立ち上がった土煙から飛び出してきた車は、どんなスタイルなのかと考えて思い付いたのは、エルビス・プレスリーが乗っていたような派手なオープンカーです。
ちょうどその頃にあった東京出張の折りに訪れた巣鴨のサカツウで尋ねると、「車モデルの世界は、ヨーロッパ型に集中していてアメリカ物は少ない。特に戦争前後の時代は不人気。1/43という縮尺があり、ダイキャスト製のモデルが発売されていて、専門店もある」と、表参道のメークアップという店などを紹介していただいたわけです。加えて、西山洋書などを巡って関係する書物を集めると、私の知らなかった世界が見えてきました。
まず驚いたのは、アメリカの自動車で1950年代というと、その頃に登場したジェット機のエアロ・ダイナミックス=航空力学をモチーフとした後部の羽根=テール・フィンと、クロームメッキをふんだんに使った高級車が跳梁跋扈していた、際立って特異な時代だったということで、私などの年代にとっては豊かなアメリカの象徴であるケバケバしいスタイルが、ほんの10年間に現れただけだった事実でした。
それに、ベルエアとかインパラとかといったモデルが日本では人気が無いというのも意外でした。専門店にも、ほとんど置かれていません。
それでも根気よく探していくと、ダイキャスト製の普及品でアーテルErtlや、サンスターSun Starといったブランドがあって、アメリカではソコソコ売られていることが分かってきました。また高級品ではソフト・メタルのブルックリンBrooklynというイギリスのメーカーもあります。
まあ、1/43と1/48の比を数字だけで比べれば、1/80と1/87の差より大きいわけですが、鉄道車両と自動車とでは絶対的な大きさが違いますから、許される範囲という気がしますし、事実、彼の地では同一視しているようです。もっとも、自動車並みの車体しかないナローでは違和感がある場合があるかもしれません。車運搬貨車などの様に微妙な寸法が影響することもあることでしょう。
一方HOスケールではどうなのかと、ウォルサーズHOカタログを探してみると、Alloy Forms、Classic Metal Works、Williams Bros.などといった聞き慣れないメーカーから、僅かですが出ていますが、こちらも僅かです。
ところで、これら金ピカのアメ車を特集した雑誌が、幸いなことにちょうど今、入手可能です。RMM誌を発行しているネコ・パブリッシングが発行する「モデル・カーズ」2002年1月号で、書店からバックナンバーとして取り寄せてもらえるはずです。また、この本に登場する作品は1/25のプラスチック・モデルが中心ですが、ダックテールという同好会のHPで見ることが出来ます。
また同誌の2002年6月号は、同じ1950年代に被さるスバル360やパブリカといった「国民車構想」を特集していますから、日本型を対象としているモデラーにお勧めします。この時代のモデルが1/43で結構、発売されていたことも驚きでした。エブロとか京商といったブランドです。
フィフティズといえば鉄道では“トランジッション・エラ”、すなわちビッグボーイなどの巨大蒸機が最後の活躍を見せ、EMDのFシリーズやアルコのPAといった流線型ディーゼル機が主役を務めていますから、まさにアメリカ型の華と言える時代です。このシーンの中にも当然、キャデラックを登場させたいと思われる方は少なくないでしょう。私も、もう少し頭を突っ込んでみようと思っています。
■前回のアンケートは、モデルの購入方法をお尋ねするもので、25名の方にご回答をいただきました。まあ、本誌の読者の皆さんには、インターネットをやっているというフィルターが掛かっていますから、この結果が即、現実の比率とは判断出来ないでしょうが、海外からの通信販売を利用される方は、無視出来ない数字になっているものと思われます。
模型店での直接購入 10人 (40%) **********
日本の模型店からの通信販売 4人 (16%) ****
海外からの通信販売 11人 (44%) ***********
というわけで、この号のアンケートは、模型を海外通販で購入される理由をお尋ねいたしたいと存知ます。色々な思いがおありでしょうが、敢えて次から一番だというものを選んでお答えください
◆値段が安くつくから
◆品物が豊富だから
◆英語の文通が楽しいから
□途中経過・最終結果を見る
┗< http://clickanketo.com/cgi-bin/a.cgi?q00011157ae0 >
締め切りは6月11日23時です。
| 固定リンク
「路面電車大プロジェクト」カテゴリの記事
- トロリー趣味はアメ車が欲しい!(2004.12.05)
- ラジコン路面電車の怪走(2007.10.12)
- ラジコン路面電車の試作(2005.11.13)
- Oゲージ路面電車の大構想(2005.11.09)
「建物、自動車etc.」カテゴリの記事
- ミカン山のラック式モノレール(2012.11.17)
- 五新線のコンクリート連続アーチ橋(2012.08.15)
- モデルカーのクリエーターたち(2011.11.16)
- 浜大津付近の街並み散策(2011.11.05)
- 京都の四条大橋界隈今昔(2011.05.02)
コメント