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2004/12/07

コレクションはアートだ!

buck issue Vol.117 2002/06/19

 「交通新聞」という旅行や物流の業界関係者を対象とする日刊紙があります。全国紙と同じ判型で全4頁が標準の、土日祝が休刊、税と送料込みの月極め購読料が2,250円という、知る人ぞ知るメディアです。特にJR関係に強く、イベント情報などが早くて詳しいので、興味のあるアマチュアの中には定期購読している方もおられるようです。発行が 交通新聞社 といって「鉄道ダイヤ情報」誌を出している会社といったら、お分かりいただけるでしょうか。

 さて、この交通新聞の2002年6月17日に「デザイン&コレクション」という題で、我々の趣味の本質を突く谷口正和という方の一文が掲載されていました。

 曰く「“集める”ことは、優れた自己表現だ」、「コレクションは、ある臨界点を突破すると、たちまちアートの世界になる」、「気に入ったデザインを集めることが即コレクションに変わる」、「集める→見せる→仲間に出会う→評価し合う……というコレクション・クラブ型の社会が、旅から休日の過ごし方まで、ほとんどのマーケットの活性軸になるだろう」というものです。

  うぅむ。これは正に私たちのことを差しています。
  原文そのままをここに示して、説得力のある御本人の文言に直接触れていただきたいものの、お見せ出来ないのが口惜しい限りです。でも、論理は単純明快ですから、その主旨はお解りいただけると思います。

 我々の世界に置き換えれば、鉄道名とか、地域、形式、あるいは時代をテーマに製品を買い集めたり、キットバッシュやスクラッチを行って、10年20年を掛けて固有の世界を築いてゆく。それがある程度の形を成してくると、理解出来た人間に感動を与える。そして次のチャレンジが派生するという図式ですから、完全に一緒です。

 その中で、ほとんどの方が月に2万円や3万円の出費を厭わず、単なるサラリーマンでありながら年に100万円、200万円を注ぎ込んでもケロリとしている連中がゴロゴロしているわけです。さらに、この趣味のために情報収集用のパソコンを買い、休日を潰し、アメリカに取材旅行をし、家の一室をレイアウト(運転場)や展示ルームにシツラえるという行為が、日本の景気向上に寄与していないはずはありません。極言すれば、趣味に打ち込むのに便利な職業を選び、雑事に煩わされるか否かの基準で家庭を持つか持たないかを決めた者まで、本当にいるんですから……。

 一方、我が国の趣味界では、値段の高いブラス完成品を買い漁るという狭義の“コレクション”を、忌み嫌う風潮が無きにしもあらずという中にあって、この論文がコレクターの大きな後ろ盾になることは間違いないことでしょう。もちろん、それが評価に耐えうるテーマと質と量を兼ね備えている必要があることは言うまでもありません。

 ただ、私としては一つ、気になる点があります。それは一文の中に出てくる“仲間”や“社会”という存在です。
 これこそがコレクション=趣味を拡大再生産するメカニズムそのものであるはずなのに、我々がそれを持っているのか、持っているとしても上手く機能させているのかと問われれば、手放しで肯定できる状態には無い、という判断に異を唱える方はまずいないはずです。

 ですから、JAMコンベンションに期待するところ大だったのですが、2回参加して見聞きした範囲では、催物自体にファン同士で切磋琢磨するという面が少なく、また絶対的人数の少ないアメリカ型というジャンルは、理解してもらえる場が全く無いという事実が厳然とありました。
  だからこそ、僭越ですが、このメールマガジンが何かの足しになれるのではないかと思っています。この論旨にある“仲間”や“社会”を現出させるために、時間や距離の制約を取り除く道具として、インターネットを上手く使いたいものだと考えています。

 ところで、筆者の谷口正和氏はジャパンライフデザインシステムズの社長をされている方で、 同社のHP を検索すると折しも、専門領域を極限にまで特化した超文化型専門店としてスモール・ミュージアム・ショップなるコンセプトを示す一文が掲載されていました。これも我々にとって、正に理想的な模型店の姿だと肯かれることでしょう。
  今回はちょっと、理屈に奔りすぎましたか。

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老年の主張 戯言」カテゴリの記事

コメント

10/8/2005の「コレクションはアートだ」の記事を、大変興味深く拝見しました。

私も日頃、ここに書かれている内容に付いて幾度となく考えていました。
常日頃、自分の趣味に疑問を持ち、限界を感じ取りそうになっていました。

あまりにすばらしい内容なので、私のホームページ(貴サイトと総合リンク済み)にその話題を取り上げさせていただき、このブログのURLを参照先に載せさせていただこうと思います。

投稿: F'Track | 2005/10/12 12:47

コメントをいただき、ありがとうございました。ブログという構造に今一つ判らないところがあって、何をどうしたらよいのか迷うばっかりです。しばらくは試行錯誤が続きますがお許しください。

投稿: ワークスK | 2005/10/12 15:22

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