イースタン・カー・ワークスの貨車
back issue Vol.111 May 23, 2002, re-edited on Nov. 28, 2010
エアースライドといえば、ジェネラル・スチールGSC社が製造したカバードホッパー貨車で、日本では東洋電機製造がパテントを取得して、ホキ5700などを製造していたことをご存知の方も多いことでしょう。エアースライドは1940年代に開発されて1970年過ぎまで、彼の地では1ベイの2,600立方フィートと2ベイの4,180立方フィートが製造されました。HOスケールの製品では、前者1ベイがウォルサーズ、コンコー、イースタン・カー・ワークスから、後者2ベイがウォルサーズから出ていて、形態的にも面白いのか、人気のある型式です。
もちろん私は、BN色でコレクションをしてきていまして、1ベイが6両に2ベイが2両と、あらかたモデル化し終わっています。そこで次の課題として、実物の登場順に合わせて“ドライ・フロー”を企て、イースタン・カー・ワークスのキット(品番117-2640)を取り寄せてみました。
このメーカーの製品はスチロール樹脂の射出成形とはいうものの、一両でも購入された方ならお解かりいただけると思いますが、線が太くて、“合い”が悪いという、どちらかと言えば避けたい部類なのですが、ドライ・フローはマイナーな貨車で製品はこれしかありませんから、仕方がありません。そして、比較的新しい製品ですから、古い70トンACFカバードホッパーの様なことはないだろうと期待していたわけです。
ところが、“開けてビックリ玉手箱”とはこのことでした。何と、同社のエアースライド貨車1ベイ・タイプが2両分、入っているのです。屋根と床板は1本物となっているものの、側板は切って継げというのです。実はRMC誌1990年11月号にこの方法による改造例が掲載されているのです。
製品の案内として、ウォルサーズHOカタログの2002年版p177では、全く触れられていませんから、“詐欺”紛いと言えるかもしれません。
イースタン・カー・ワークスといえば、客車のコア・キットに着目されている方も多いことでしょうが、この辺りの覚悟が必要なことは言を待たないと思います。
さて、このドライ・フロー貨車を、BNの前身であるCB&QとNPが1960年前後にそれぞれ200両と5両を購入し、合併後の1970年代後半まで在籍して、幾ばくかがBNグリーンに塗り替えられているということまでは掴んでいます。まあ、あれやこれやの事情が重なって、またまた“棚の肥やし”となる雲行きですね。
■旧聞になってしまいましたが、5月15日の日経に拠れば、富士重工業がバス車体と鉄道車両の生産から撤退する方針を決めたとのこと。
また、5月16日の日経産業新聞に拠れば、武庫川車両工業は9月末で解散とのことで、新潟鉄工に続き寂しい限りです。さらにアルナ工機も路面電車に特化するとのことで、時代はドンドン、変化していきます。これと同じように我々の趣味のスタイルも時々刻々、変わってきてきるのでしょうね。
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