グレート・アメリカン・トレイン・ショーの体験
back issue Vol.124 2002/08/27
【グレート・アメリカン・トレイン・ショーGATSの紹介記事を見直していて、確認のためMR誌2005年12月号に広告を探したのですが、載っていませんでした。その代わりp39に一ページ大でGreenberg's Great Train Expoというのがありました。たぶん似た様な催しなのでしょう。このサイトは http://www.greattrainexpo.com/ です。以下の内容は、私が1998年の2月に経験したGATS http://www.greatamericantrainshow.com/ の方です】
トレイン・ショーとは、言うなれば即売会かフリーマーケット、またはスワップ・ミートの様な感じ。メーカーの出展がなかったり、アマチュアの出番は少ないので、日本の鉄模連ショウやJAMコンベンションとはちょっと違う雰囲気です。
GATS(Great American Train Show)という名前の企業が主催して、毎週末の土曜と日曜にどこかの1都市か2都市で開かれています。25年以上の歴史があるらしく、当初は、この類のショーとして最大手だったようです。
私が行った切っ掛けは、友人の「航空運賃が安いシーズン・オフに、模型店と一緒にレンタカーで回るが……」という誘いでした。ポートランドとサンフランシスコ。ちょうど上手い具合に1週間をおいて2カ所を回る計画が立てられました。
ポートランドでの会場は市中心部のコンベンション・センターというところで、ホテルから歩いて行け、入場料は5ドルでした。
サンフランシスコの会場は、市街地から少し離れたカウ・プレイスという名前の何か家畜関係の施設でした。我々は模型店巡りも兼ねてレンタカーを用意いていたからいいようなものの、タクシーの場合は帰りを考えないとだめでしょう。入場料1人5ドルの他に駐車料として1台5ドルが必要でした。隣でパソコン・ショーをやっていました。
両会場を較べると、サンフランシスコはポートランドのザッと倍の規模ですから、敢えて訪問するなら大都市での開催の方が面白いと思います。地域性は無くて、2カ所も見る価値は全くありません。
出展しているのは、両会場で同じ体裁のブースが多かったことや、専用のディスプレーを使っていることからすると、ほとんどがこれを専門としている業者の様です。中には地元の個人とおぼしきブースもありました。メーカーの参加はありません。また、個人やクラブによるモジュール・レイアウトの展示が2、3ありました。
店は、約半分がティントイです。ただ、メーカーや時代でバリエーションがあって、我々が思っている以上に奥の深い世界のようです。中には戦前製品用のパーツや消耗品だけを扱っているブースなんてのもありました。
HOやNでも、ライオネルやモデル・パワーといったトレインセット・レベルが幅を利かせていました。これらの中古品は、買う気にはなれなかったものの、日本では見られない珍しいものばかりで、興味本位で見物しました。タンク蒸機のダイキャスト製上回りなどのジャンクは多分、廃業したメーカーからの出物だと思いますが、これを山の様に積んでいる業者がいました。
もちろん、スケール物のプラスチック製品も何店かあって、いずれも潤沢に商品を積み上げていました。私としては、わざわざここで買う必然性のないものばかりでしたが、ポートランド会場でERMのビール貨車の組立済BNスモールロゴ付きという特製品をゲットしました。この辺りは地域性なのでしょう。
ブラス製品を扱うブースは僅かですが両会場共にあり、サンフランシスコで同行者は、カツミの南薩0-6-0輸出バージョンやツボミのBタンクを掘り出して、さらに値切って買えたと御満悦でした。ブラスは近年のOMIなども並んでいましたが、どちらかといえば古めで、未塗装品が多い雰囲気でした。
またポートランドでは、HOn2・1/2のフリー的に仕上げた車両を並べていて、あまりの出来映えに1列車!を買ってしまいました。
ROCO製品とか、メルクリンに商品を限定したブースがありました。各スケールの星条旗だけ、レイアウト用のロック・モールド、NからGまでの展示用アクリル・ケース、レール・クリーナー車を扱う業者が目に付きました。工具屋はピンセットとヤットコなど特殊な形状のものを揃えていて、思わず買い込んでしまいました。
書籍を扱うブースは多く、新本もあるものの、どちらかと言えば古本が主です。古い時刻表は各鉄道のものがズラリと並んでいました。
木製積み木は、遊べるコーナーもあって、子どもに大人気でした。イラストやTシャツ、ディーゼル機関車音のCDを売っていました。汽笛の音が出る木製の笛は安くて。土産用として6本も買い込みました。
サンフランシスコ会場では、ハンドカーの体験コーナーがあって、何か判りませんが寄付金を募っていました。また、会場に付属して軽食コーナーがありました。
ところで入場者の大半は、ざっとした印象で、専門誌を購読するレベルのファンではなくて、汽車好きの家族連れ一般人というものです。この辺りはJAMコンベンションと一緒でしょう。しかし毎週、これだけの人間が集まるのですから、大したものです。なお、買い物には全てクレジットカードが使えました。
年がら年中、アメリカのどこかの都市で開催されていますから、行く機会があって上手く日程が合えば、一度くらいは覗いてみて損はないと思います。インターネットのホームページ http://www.greatamericantrainshow.com/ に会場風景も載っていますので是非、ご覧ください。次のHPにグリーンバーグと併せた日程が載っていて、実際に行かれたい方の参考になるでしょう。HP消滅
【追記】このGATSは、2006年6月で廃業してしまいました。ただし、同種の催しは他にも継続して開催されていて、MR誌やネット(ウィキペディア)を探せば幾らでも見つかります。
御幌鉄道さんご紹介の一文はここかな。ちょっと長文。2014-11-11
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コメント
もう皆様お読みでしょうが、John BruceさんのHPにThe Sociology of Model Railroading という辛口の論文があって、Train Showのことが載っています。Google でsociology of model railroadinng で検索すればトップで出てきます。
投稿: 御幌鉄道 | 2005/11/07 20:15