RMJ誌03年4月号 SD60シリーズは今が旬だが
Vol.138 April 21, 2003
先週届いたレールモデル・ジャーナル誌2003年4月号のメイン記事は、プロト2000のSD60M、3枚窓バージョンで、UPのウィング・エンブレム・スキームにキットバッシュされたモデルです。表紙に4倍ほどで大写しされて、「スーパーディテーリング」の文字が躍っています。
驚くのはロングフードの側面2/3をソックリ作り直していることです。確かに製品におけるキャブ後部のエレクトロ・キャビネットはUP仕様ではないため、気持ちは判らなくもないのですが、エンジン点検ドアのどこが気に入らないのかと思って較べてみれば、2+4+4+1の配置は同じものの、一部のドアでラッチの有無や方向が異なっています。
ウィザーズ出版から出ている EMD's SD60 Series -Steppingstone to the 21st Century-という解説本を開くと、掲載されている図面に忠実に製品はSD60とSD60Mが作り分けられていました。BN機もUP機とラッチ位置が同じですから、図面が間違っていたということのようです。なお同書はVol.130で「品切中」とお伝えしていましたが、今は在庫があるようです。
羨ましかったのは、燃料タンク上部に露出しているダイキャスト・シャシー部分をフライス盤で削り取っていることで、これはこの製品の最大の欠陥と私は思っている部分です。トレイン誌2002年12月号p111を見ていただくと判るとおり、製品ではここが詰まった形になっていて、EMD機特有の雰囲気が出ていないのです。分解してみると、削っても機能上何ら問題ないことが判って、メーカーの怠慢を詰りたくなります。ただ、RMJ誌のカメラマンはこの価値に気が付いていないようで、効果が判るアングルをことごとく外しています。
なお、メーカー写真では、この辺りが誤魔化されています。
ところで、あちらのあるファンが「コーラ瓶の底の様だ」と表現した製品の正面窓は、そのまま組まれています。アメリカン・モデル・ビルダーズ社からレーザー・カット・ガラス発売を望みたいところですが、これ、塗装済み製品では接着剤で固定されていて、外し難いという事情もあります。
SD60シリーズはプロト2000から3つのフェーズが全て売り出されて、私も全部で10両を買い込んいます。僅かな手数で最大の効果を上げるべく着手はしているのですが、諸々の都合があって……。
さて、この号では他に製品紹介で、ウォルサーズ社から発売されたPRRのR50Bというエクスプレス・リーファーに目が止まりました。
実は私のところにこの古いブラス製品が1両転がっていて、付属していなかった台車を物色していたからです。ペデスタルとイコライザーがややこしそうな構造の変な台車も、ウォルサーズはちゃんと製品化しているようです。このリーファー、屋根が丸かったり、車体側面にリベット付の帯があったりと、極めて特異なスタイルで、ペンシィ以外にツブシの効く車両ではないのですけれど、つくづく嘆きたいのは、この頃はどうしてこんなマイナーな車両までプラスチック製品で出てきてしまうのかということです。そんなわけで、長い間探し求めていたブラスが目の前に現れても、逡巡してしまう今日この頃です。
http://www.walthers.com/exec/productinfo/932-5883
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■メインライン・モデラー誌4月号をめくっていて、レイアウトに星空を再現する記事を見付けました。バックドロップ、すなわち背景の板に沢山の小さな穴を開け、そこに光ファイバーを差し込んで、電球から光を導くというものです。
星座図というのでしょうか、そういうものを参考に季節とか、時刻、方角から、星のパターンを決めるのが第一段階だと書いてありますが、ここのところが腑に落ちない部分です。すなわち、それだと絵画や写真、彫刻やジオラマの様に、レイアウトが一瞬を切り取っていることになってしまい、“動き”を再現しようとする鉄道模型本来のあり方に対して違和感が湧いてくるのです。
バックドロップが1枚ならわかるけれど、複数枚あったときには同じ星があっちにもこっちにも出現するということになるし、月が出ていなければおかしい場面もあるはずです。また、星特有の色やマタタキはどうするのでしょう。明るい時間帯のうち、少なくとも日の出や日の入りには、どこかに太陽を出現させなければ理屈に合わないし、光ファイバーの先端をいくら上手に仕上げたところで、空のブツブツは完全には隠せないと思います。
まあ、こういう連想をする人間はレイアウト作りに向かないということなのでしょうね。
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