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2005/05/07

シカゴのベルト鉄道

back issue Vol.151 May 7, 2005

 エリエイ出版のレールズ・アメリカーナ1を話題にした本誌4月29日号Vol.149で一つ書き忘れていたことがあります。
 それは同書p32右下の写真にあるトランスファー・カブースのことです。イリノイ鉄道博物館の収蔵品なのですが、HPには写真がないので、ファンのサイトから探し出したものをご覧ください。車両番号が違うものの、ここの上から3つ目の写真です。

 実はこのカブースは、Belt Railway of Chicago(BRC)というアメリカでは結構有名なスイッチング鉄道のものなのです。

 「ハブ」といえば今でこそ航空業界の言葉ですが、昔から鉄道のハブはシカゴ、その放射線状に集まってくるたくさんの鉄道の間で貨車の受け渡しをするインターチェンジ鉄道なのです。
  BRCは創業が19世紀末の1882年、現有営業キロが28マイル、線路長が300マイル、機関車が32両、 株式保有者がBNSF、CN、CP、CSX、NS、UPというクラス1の6鉄道とあります。この接続鉄道の数、昔は数倍だったのでしょうね。

 BRC鉄道自体のHPは、
    http://www.beltrailway.com/
  BRCについての解説は、
    http://en.wikipedia.org/wiki/Belt_Railway_of_Chicago
  カブースの鉄道博物館への搬送を伝えるBRCの広報ニュース98年秋号は、
    http://www.beltrailway.com/newsletters/BeltFall98.pdf 

 全米屈指の786エーカーという広さを誇る同鉄道のClearing Yardは、Chicago Midway Airportの南西に「Clearing」という地名が見えて、道路のない広大な地域がありますから、たぶん、ここです。次の地図の「1」の辺りをクリックしてみてください。
    http://local.yahoo.com/mapview;_ylc=X3oDMTFnM2s0bjZvBF9TAzI3NjY2NzkEX3MDOTY2MTM3OTUEc2VjA2l5LWRkbG9jYWwEc2xrA21hcGFsbA--?fr=dd-local-mapall&stx=belt+railway&csz=Chicago%2C+IL&city=Chicago&state=IL&radius=25&ed=JQBJD6131Dyjj9Mj0KgFpZBeTIOBvK.I1_jQQ3oJrlku

 モデリングの方は、上半色がグレーがかった一寸微妙なものですけれど、下半色は黒で、マイクロスケールのデカールにHO用87-785、またはN用60-785がありますから、カブースさえ欲しがらず、かつ機関車はEMDのSW1500やSD40を対象とするなら、それほど難しい問題ではないと思います。

そうこうしていて、個人で運営しているシカゴの鉄道案内を3つ、見つけました。撮影行には参考になることでしょう。
    http://www.dhke.com/CRJ/index.html
    http://www.railchicago.com/
    http://members.aol.com/chirailfan/

 このうちの3つ目、Bill Vandervoost氏のChicago Transit & Railfanには路線地図が示されています。鉄道ルートを色分けした画が6枚、これをプリンターで印刷して切り貼りしてみて一つ発見しました。BRCと、Indiana Harbor Belt(IHB)、Elgin Jeliet & Eastern(EJE)の関係です。

 なんと3つの鉄道が同心円的に、BRCが半径数キロの小環状、IHBが半径20kmの中環状、EJEが半径50kmの大環状といった具合にシカゴを取り巻いているのです。もっともシカゴの東はミシガン湖ですから半円ですけれど……。

 改めて英和辞書で「belt」を引くと、環状線,環状道路という訳語が載っています。モデラーは「Cotton Belt」鉄道を知っていますから、ベルトは地帯、ゾーンの意味とばかり思いこんでいたお粗末です。

 またこのHPには、どうやって調べたのかtrack diagramなんてものも掲載されていて、線路の本数はおろか分岐器の位置や信号の種類まで判ります。

 Shortlines of Chicago Historical Societyなどという団体もあります。
    http://www.dhke.com/schs/schsmain.htm

 書籍だと思いますが、Train Watcher's Guide to Chicagoのサイトは、
    http://www.szwajkart.com/

 そしてそして、とんでもないものをヒットしました。シカゴのベルト3鉄道を巡るツアーです。実施がこの5月末ということで、しばらくするとこの案内も消えるでしょうけど、アメリカ鉄道車両個人所有者協会(AAPRCO=The American Association of Private Railroad Car Owners http://www.aaprco.com/ )のサイトです。80年以上も前のヘビー・ウェイト客車を、ワシントンDCからアムトラックのキャピトル・リミテッドに牽引させて、6日間で2,549ドルというのですから凄いですね。

旅行の案内は、
    http://www.aaprco.com/publictrips/trip.html
  使用する客車の詳細は、
    http://www.aaprco.com/cgi-bin/cardisplay.pl?dover-harbor:name
    http://www.aaprco.com/cgi-bin/cardisplay.pl?pointe-charles:name

■MM誌に広告が出ていた新興のブラスメーカー、グローバル・アウトレット社のウェブサイト http://www.globaloutlet.com/ に行ってみました。
最初の製品がVGNのB-B+B-B片運転台電機とサンド・タワーで、予告製品もインガルスのスイッチャー、N&Wのジョン・ヘンリー、BLW/WHの試作ガスタービン機ブルー・グースなどと、ケッタイなブツばかり並んでいて、行く末を案じるのは私だけではないようです。興味を持ったのは、B-B+B-B電機の動力の伝達方法です。CAD図面と先行試作品の写真からみると、渡りなどの複雑な線路形状を巧く通り抜けられるか心配になるのですが、同じ台車構成のOMIのタービン機とかU50Dなんかはどうなんでしょう。保有されている方のご感想をお聞きしたいものです。

OMIといえばプラスチック・モデルの製造に乗り出す第1陣の中に3ユニット・タービンが挙げられています。同社HP http://www.overlandmodels.com/ の左にあるTower55をクリックしてください。6月になったら詳しい発表があるとのことです。

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