流線形コレクション3:PRR,NYC,ATSF
今回のアンケートは、JAMコンベンションに行かれた回数をお尋ね……
melma! Back Number 2006/07/22 Vol.189 total 298 copies
JAMコンベンション大阪大会にモデルを展示するに当たって、頭を悩ませたのはその方法です。主催者から提供される平面テーブルの上に、ただ並べたのでは芸がありません。編成美を示したいので、昔から試みたかった雛壇スタイルをやることにしました。
事務局に申請して与えられた広さは、「個人」用の倍で、幅1,780mm、奥行き730mmの机を4個、2×2に配置したもの。この上にパンチカーペットを敷くとのことです。私は、奥の方に幅3,560mmの雛壇を設置して編成物を機関車+5両編成で並べ、手前の平面に単品を幾つか斜めに置くプランを立てました。【画像はクリックで拡大します】
家や職場の近くにあるホームセンターを4軒、見て回り、思案の末、発泡スチロール製でコンクリート・ブロックを模したもの(約400×200×100mm)を切ったり貼ったりして、奥行き100mm、高さ100mmの段が5つある階段状のものを作り、それらの間に集成材の平板(100×18×1,780mm)を2連で渡す構造を考えました。
渡すだけならブロックの階段は3つでよいのですが、平板の真ん中のタワミを支える2つを追加して5つです。また、階段の横倒れを防止する目的で、ブロックの幅を2重の200mmとしました。ブロックの接着剤はもちろん、木工用ホワイト・ボンドです。
目論見的にはブロックはモールド品なので、段の高さ寸法を簡単に揃えられるだろうという考えだったのですが、実際には1mm程度のバラツキがあって、調整用に厚紙を用意しています。また平角材の長さ寸法切りは、販売店の切断サービスを利用し、こちらは直角も長さも精度を出すことが出来ました。
それと、平板の上に、車輪を案内するレールの代わりとして檜の平角棒(5×2mm)を2条ずつ接着しました。常識的にはフレキシブル・レールを敷くところですが、高価だし、視覚的にうるさいし、おまけに面倒だという理由です。ただし、機械を持っていればフランジウェイの溝彫りがベストでしょう。また、レール中心を手前に寄せて、展示車両を持つために指が奥側に入るようにしました。木材部分は白木のまま、ブロックも素材の黒を活かすというカラー・コーディネートです。
これで材料の購入費用は1万5千円、作るのに丸4日ほど掛かりました。写真は右半分を畳の部屋でセットしてみたところです。
また走行テストベンチ上で蒸機の動輪を回して展示に動きをつけるというアイデアは、アメリカで既製品を売っているものの、電源が要るし、買うのも面倒になって止めました。あと、会場の照明が暗いという話がありましたので、電気スタンドを息子から借りて持っていくつもりです。
さて、「アメリカ型の流線形」というと、私の想いは当然、蒸気機関車ですけれど、彼の地で最初に登場したのは内燃エンジン車両、また数の上でも活躍した期間でもボンネット型のキャブ・ディーゼル機関車が圧倒していて、向こうの連中のイメージはこちらの様です。スタイルのバリエーションもGM-EMDをはじめ、アルコ、ボールドウィン、フェアバンク・モースとあって、我々趣味人には大変に興味深いものがあります。
しかし、これらを並べてしまうと、カラーリングの派手さで、見る側の目を引いてしまって、蒸気機関車の方が目立たなくなる危惧があります。特にペンシルベニア鉄道はブランズウィック・グリーンと呼ばれる黒に近い緑だし、NYCも銀、黒、グレーの無彩色系です。そんなわけで、ディーゼル機は代表例といえるサンタフェのFユニットだけに限ることとしました。
■ペンシルベニア鉄道:世界のスタンダードを標榜したPRRは、レイモンド・ローウィを起用して続々と流線形列車を登場させた。1934年ニューヨーク・ワシントンDC間に運用する電気機関車GG-1に始まり、パシフィック・タイプの蒸気機関車として有名なK4sの改造機(model: Weaver)、1939年のニューヨーク世界博に展示された全長42.7mの実験機S-1(model: Sunset)、42年のポペット・バルブ高性能機T-1(model: NJICB)である。また、カブースのキューポラをスラントさせるデザインはPRRの他にGNやCB&Q等でも見られた(model: Sunnyside-Endo)。
■ニューヨーク・セントラル鉄道:ヘンリー・ドレイファスが手掛けた20世紀特急(model: WSM-KTM)とエンパイヤ・ステート特急(model: MTH )はスーパーハドソン4-6-4と呼ばれ、ニューヨークとシカゴを結ぶ大幹線の花形列車で、時代を代表するデザインといえる。
■サンタフェ鉄道:シカゴ・ロサンゼルス間を結ぶAT&SFは、スーパー・チーフなどの豪華大陸横断特急にジェネラル・モーターズEMD製のF7(model: P&D Shop)など、流線形ディーゼル機関車を次々と導入し、どれもウォーボンネット(インディアン酋長の羽根飾り)と呼ばれるカラースキームで彩った。それらの予備機として1両だけ投入された流線形の蒸気機関車3460(model: Weaver)には、その色調からブルーグースというあだ名がある。
また、古い蒸機に僅かな飾りを施して流線形を気取る鉄道が多かったが、サンタフェ鉄道も1939年にサンフランシスコで開かれたゴールデン・ゲート博覧会の輸送用としてバレー・フライヤーと名付けた4-6-2牽引列車を投入した。
■さて今回のアンケートは、JAMコンベンションに行かれた回数をお尋ねすることにします。次の中から1つをクリックしてください。
◆0回。これからも行く気はない
◆0回。今度の大阪大会は行く
◆0回。将来近くで開催なら行く
◆1回行った
◆2回行った
◆3回行った
◆4回行った
◆5回行った
◆6回全部行った
◆6回。これからも全部行く
○結果を見る
┗ http://clickenquete.com/a/r.php?Q0015820Ce769
○コメントボード
締切:2006年07月29日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/
■この続きは「流線形コレクション4:パシフィック競演」へ
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