アサーンHW客車のウエイトとカプラー
NMRAのRP-20.1があって、近年は市販製品もこれに倣っていますから……
melma! Back Number 2006/11/12 Vol.210 total 311
現在、ブログの左フレームに「ガラクタ・コレクション」と題して、手持ちの“イロモノ”の写真アルバムを開陳しているのですが、入手の経緯を思い出すと結構面白くなって、次々と追加するほどにハマっています。まあ、出るわ出るわ、これだけでもモデルショップを相当に潤してしまったなあと反省しています。
その中で、全く手付かずだったのが、これ、アサーンの70フィート・ヘビーウェイト客車です。玩具ライクなショーティであることの他に、台車マウントのカプラーと、ウエイトがどうしようもない構造をしていて、手を付ける気になれなかったのが原因です。しかし今回、ホームセンターを徘徊していて、上手い材料を発見しましたので、仕上げることにしました。【画像はクリックで拡大します】
その材料とは鋼帯、フラットバーと呼ばれる細長い平棒です。HOスケールの車体に入れるのに、ちょうどいい25mm幅のものがあったのです。厚さは3、4.5、6mmの3種類で、これを適当に切ればウエイトになります。おまけに、手数料は要るものの、店で切断と孔明けのサービスがあります。
望ましいトレーラーの重量については、NMRA=全米模型鉄道協会の規格に 推奨値RP-20.1 があって、近年は市販製品もこれに倣っていますから、ちょっと重めかとも思いますが、私も可能な限り適合させています。
そのオンスとインチを、グラムとミリメートル(1 oz = 28.35 g, 1 inch = 25.4 mm)に換算すると、次の式になります。
HO 28.35×(1 +0.0197×L) グラム
N 28.35×(0.5+0.0059×L) グラム
ここで“L”は車体(carbody)長さmmです。
すなわち、HOゲージ、アサーン客車の例で車体長さが250mmだと、168gということになり、本製品も重さだけなら合致しています。ウエイトを除いたモデルの重さが100gですから、ウエイトに求める重さは68gです。鋼板の密度を0.0072 g/mm^3として、幅×厚×長×密度で重さが出ます。これを逆算してウエイトの寸法を決めます。今回は、幅25mm、厚さ3mmの平帯材で126mm長のものを切り出せばよいことになります。値段は910mm長で102円で、切断と孔明けが1回100円ですから、材料費はウエイト1個で310円ほどになりました。工具を無料で使わせてくれる店では、10円ということになります。
これを脱脂して、下塗り用のミッチャクロンマルチを吹き付け、黒の塗料を上塗りすれば完成です。車体への取付孔は3.2mm径を開けてもらい、M3のビスを使いましたけれど、M2でも十分だと思います。プラスチックの床板に硬めのタップを切って、黒メッキのナベ小ネジをねじ込みました。
カプラーの取付は、Jay-Beeというメーカーからカプラー・マウント・パッドなる商品が出ていますが、プラスチック板から切り出せば簡単です。ケイデーの#5を採用するなら、床板のスジの間に厚さ1mmで幅5mmの小片を貼り付けるだけです。これで、わずかに、0.2か0.3mmほど高めかとも思いますが、こんなものでしょう。気になる様でしたらカプラーの取付面に薄板を貼り付ける手があります。また、#5を1本のビスで取り付けることに対する回り止めとして、0.5mmのプラスチック板を貼り付けています。この辺りは写真をご覧ください。
なお、車輪は金属とプラスチックなどと、左右で別の材質となっていることに、違和感がありますが、直径が10.5mmですから、コストのことを考えて、そのままとしました。
完成した5両は、荷物車とコーチが各1両なのに、オブザベーションが3両もあるというチグハグさです。適当な機関車もないし、ガラクタ・ボックスに載せるための写真を撮ったら当分は箱に仕舞ったままになります。
【追記】トレーラー重量推奨値の詳細については、掲示板ログをご覧ください。市販モデルの重量を1995年頃に実測した結果などをお伝えしています。2011-06-16
【追記2】車輪の金属化と、ウエイトの両面テープ接着化を行いました。さらに、展望台レーリングがブラック・モールドのままだったRMC車とNMRA車のそれを、ゴールドとしてみました。これで少しは華やかになったでしょうか。
NMRA車のテールサインはゴム系接着剤で固定されていて、その除去が大変でした。プラ用ラッカーのシンナーで溶けます。2010-03-12
【追記3】以前に購入していたJay-Bee社のカプラーパッドが見つかりました。袋に説明書とプラスチック製のパッド、セルフタップ・ビスが入っています。これで定価4ドルです。3両分のはずですが、ビスが1本足りません。たぶん販売店が陳列用に明けた孔からこぼれ落ちたのでしょう。品番はゴム印です。2010-03-20
【追記4】このシリーズとして1両、増備しました。「10周年記念にHW客車をでっち上げる」をご覧ください。2011-05-10
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コメント
RP20についての記事は初めてですね。
私はこの数字はやや重いと思っています。軸受けの性能などが向上すればもう少し軽くても良いと感じています。NMRAは時代の進歩に合わせて頻繁に改訂するべきだと思います。
15年ほど前、意見を提出したのですが、考慮された形跡はありません。
確かに多少重ければ脱線しにくいのですが、脱線にはもっと他のファクターが大きく、それを解消する方向で考えるべきではないかと考えています。
少なくとも、プラスチックの車輪を金属製に替えるだけでも大きな違いが生まれます。当然車体は軽くでき、重心もさがりますしね。
投稿: Tad | 2006/11/13 10:41