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2006/11/03

京阪三条の"しのだや"とタコナイト

Gdscf4777 DM&IR、GN、BN辺りのファンしか興味がないかも……
melma! Back Number 2006/11/03 Vol.208 total 311

 久しぶりに三条京阪で昼飯時になったので、「しのだや」に行ってみました。

 私が駆け出しの頃の30年前と全く変わらず、うらぶれた駅前食堂のスタイルを守っているのは、天然記念物的と言えます。
 懐かしくなって「ビフかつライスに赤出し」と声を掛けると、そこそこ若い娘が「ビフかつ定食ですね」と答えたのには面食らいましたけれど、セットで注文すると20円引きとなるとのことです。30年前は腰の曲がった婆さんでした。カツは同じように薄くて、味も覚えている通りでした。心持ち小さくなったような気がします。赤出しも、具は油揚げのキザミだけ、味噌の風味も、舌が火傷するほどの熱さも昔のままでした。

 壁の品書きに「たぬき」とあるのを見て思い出したのは、揚げのキザミに葛のトロミが載って出てきたウドン。天カスだけのウドンかソバだとばかり思っていた”余所者”にはカルチャーショックの一品でした。さらに大阪では、「たぬき」が「きつねソバ」と同義語だと聞いて二度驚いたのも昔の話です。
 
 3軒隣りのブックオフに着物姿の舞子さんが2人、立ち読みしていたので、つられて入ってみました。2階で喜多郎のCDベスト版を1,950円で求めて、3階に上がると文庫本や単行本が並んでいます。その中に「エンジニアの業績」なる書名を見つけて、技術屋の端くれだった私は、思わず手に取りました。パラパラとめくっていくと……、「タコナイトのパイオニア」という活字。おおっ!
 
 知っている人は知っているけれど、知らない人は全く知らないものの一つが、これ、タコナイトです。鉄鉱石のオアカーだったら、アメリカ型に興味をお持ちならほとんどの方はご存じでしょう。しかし、こちらの方はDM&IR、GN、BN辺りのファンしか興味がないかも知れません。私が鉄道模型大辞典に書いたテキストは次です。
 
タコナイトtaconite:製鉄用鉱石の一種で、ミネソタ州メサビ地方で産出する低品位鉱(Fe:20~35%)。二酸化ケイ素を多量(40~60%)に含む。高品位鉱が枯渇しつつあった1960年代初頭に製鉄材料として工業化された。鉱山で一次加工されたタコナイト・ペレットをスペリオル湖岸のダルースまで運搬する貨車をタコナイト・オア・カーと呼び、初期には鉄鉱石用の70tオア・カーに20"高の増量囲いを施したものが用いられ、1980年前後に100t車へ置き換えられた。イリー湖岸のクリーブランドで陸揚げされてピッツバーグまで運ばれ、ここでアパラチア炭と併せて製鉄される。Wikipedia、Farlex Dictionaryの解説を参照
 
 本には正にこの「一次加工」の必要性と内容が解説されているのです。ちょっと読みにくい文章ですが、要約すると、次のことが述べられています。
 
 ミネソタ州メサビには元来、良質の鉄鉱石ヘマタイト鉱が地表付近に存在し、大規模な露天掘により半世紀以上にわたって採掘されてきた。最盛期は第2次世界大戦中の1942年で、年間6千3百万トンが出荷された。しかし、その枯渇を予想して1913年に、ミネソタ大学教授のエドワード・W・デービス(写真の左端)が低品位のタコナイトから鉄を取り出す方法の研究を始め、それが必要とされた1955年、企業化された。
Img469_1  タコナイトの特殊性は、珪石が小粒の酸化鉄を僅か19~30%しか含まない上に、極めて硬いこと。ただし、酸化鉄は磁鉄鉱なので分離方法には磁気が使える。選別した磁鉄鉱は微細で、そのままでは四散して運搬と精錬に向かないことである。
 そのために開発された機械類は、鉱山では火炎穿孔機で、2400度の火炎で25cm径の発破穴を1時間に12mの割であけ、爆破する。珪石から酸化鉄を取り出すためには、粉砕機を多段に並べてグランドピアノ大からスイカ大、さらに0.04mmまで砕く。それを水分分離機と磁気選別機で、鉄分を60~65%含んだ磁鉄鉱の微粉末とする。さらに豆粒大多孔質の球状に焼成するというものだった。
 
 文中に出てくるリザーブ鉱山会社の綴りはReserve Mining Companyの様ですが、インターネット上にまとまった情報が見つかりませんでした。また、冬期はスペリオル湖が凍結するので、イリノイ、インジアナ、オハイオの各州の溶鉱炉に向かう航路が再開するまで貯めておくとあります。
 
 本文は鉱石自体が主役ですから、鉄道に関係する部分は極めて僅かで、我々の参考になる様な写真もありません。出版社はタイム ライフ ブックス、ライフ/人間と科学シリーズのThe Engineer「エンジニアの業績」日本語の版は1981年刊です。私がブックオフで買った値段は500円でした。
 
 オアカーについてはニフティ時代から何度も取り上げてきていますが、参考となるのはMR誌の92年11月号と、MM誌の94年9月号が比較的まとまっています。Patrick C. Dorin著で、Minnesota-Ontario Iron Ore Railroadsと、Michigan-Ontario Iron Ore Railroadsという2冊が2002年に発行されていて、BNモデラーの私は前者を入手しています。
 
 ところで「しのだや」も、私の同僚は皆知っているのですが、京都のイメージとはかけ離れていますから、中心街にあるといえど知らない人は知らないはずです。とびきり“旨い”という店でもなく、値段も程々ですけれど、怖いものが見たい方はどうぞお越しください。昼食に私は専ら「中華そば」を注文していました。「ビフかつライスに赤だし」は夜勤務のときです。

京阪三条を通ったついでに、店の写真を撮ってきました。この記事のトップのものです。看板が新しくなったようで、漢字が「篠田屋」なのは初めて知りました。コカコーラのロゴと相性がいいかどうかは……2007-03-19

Kyotoshinbunshinodaya2京都新聞の2010年4月23日付夕刊に何と篠田屋が取り上げられていました。「あの日電車と 第2部 京阪100年物語 京阪食堂」です。画像は友人が持っていたコピーを、さらにカメラで撮ったものですので不鮮明ですが、拡大していただくと何とか読めます。なお「皿盛」の登場は、私が通った10年後です。2010-04-28

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