ケーディー製の貨車(1)50' PS-1ボックスカー
昨日、私としては“新し目”の注文品が届きました。
表題のHOゲージ製品です。ロードネームがGM&O=Gulf Mobile & Ohioという、BNを好む私には縁もゆかりもない鉄道ですが、通常価格の35%引きに釣られたというところで、寺久保敦己氏の「新・模型鉄道博物館」にたくさん登場する同社製品を一度、手に取ってみたいと思っていた上に、いずれは改造か塗り替えのネタにという魂胆があることはあります。【画像はクリックで拡大します】
さて最初に感激したのは、完成品を収めているその箱です。Nゲージではよく見る透明プラスチックのもので、HOゲージの大きさにすると結構新鮮です。中のモデルを両側面から挟む形の透明パッキングも程よく保持していて、安心感があります。ただしここまで見事だと、念のためにフタ止めているセロハンテープとか、店等が貼り付けた値札が気になってきます。シール剥がし剤を買ってこなくてはなりません。ところで今、私の所属する同好会NAPMで、モデルを収納するA4ほどの専用箱を特注しようという話が進んでいるのですが、こういうものが普及すると、需要が無くなってしまいますね。
もちろんモデルの方も箱に劣らず、精緻な出来栄えで、インターマウンテンやプロト2000の印象を遥かに上回ります。ハシゴやテスリのモールドはどこまでも細く、小スケールにありがちなデフォルメが全くない様にも見えます。ランボードのグレーティングが綺麗に抜けています。指で弄ってみても丈夫そうなので、軟質プラスチックでしょうが、透けるような質感はありません。塗膜が存在しないということもスケール感を醸し出す一要素になっているようです。
ただし、改造派には塗装出来ないというのは、大問題です。
車体のモールドも金型の乱れやヒケが全く無く、図面をそのまま理想的に形に出来れば、こんな様子かと思うほどです。一方、プレスのはずのドアの凸凹はフライス削り出しの様なソリッド感が出ています。PS-1は溶接車体ですから、側板では歪みが目立つはずで、逆に、ここまで平面性がコントロール可能なら、実物の波打ち具合も再現できて、とんでもなく実感的になるのではないかとも思います。側板とドアのボックスカー・レッドは塗装ではなく、モールド色そのものですが、どう見てもプラスチックの質感ではないのです。屋根と妻は黒の塗装だと判断できます。白のレタリングも透ける感じがない上に、印刷の厚さは全く判りません。
床板と台車はダイキャストで、重量も十分です。台車がセルフ・センタリングとの記載に分解してみれば、ブシュの羽根が台車中心ピン穴の下部に誘導されるようになっていて、すなわち、車体を持ち上げたときに、ぶら下がった台車が真っすぐになるという構造です。当然、車体側の上心皿面に4つの小さな突起があり、ブシュの羽根が自ずと真横を向くようになっています。この構造は、モデルを線路に載せるときの便でしょうが、効果の程は判りません。
まあ、何から何まで完璧な製品ということで、購入者の手に任されるのは、ウエザリングぐらいだと思います。私にとっては、ここのところが……
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