ウォルサーズ製セメントホッパー
近代型の100トン・セメント・ホッパーには、グレイン・ホッパーと同じように、側面が曲面となったACFセンター・フロー・タイプと、たくさんの縦リブがあるリブ・サイド・タイプがありますが、モデル製品では前者の種類が多いのに対して、後者は今回話題とするウォルサーズ社トリニティ・タイプの、ただ1種類のみです。
これは1993年頃に発売されたもので、私が拘っているBNスキームは、実際には存在しなかったラージ・ロゴだったので、アンデコを購入してロゴ無しスキームに仕上げていました。今回、他の品物を発注するついでにリストを物色していると、このロゴ無しスキームが何と4割引で出ているのを見つけました。
BNが1970年から95年まで存在した間でその貨車の塗装は、3期に分けられます。すなわち、70年代には大きなロゴをサイドの右側に描いたラージ・ロゴ・スキーム、80年代はロゴを省略したロゴレス・スキーム、90年代は左側に小さなロゴを描くスモール・ロゴ・スキームです。この貨車は1987年に300両を買い込んだものですから、新製時はロゴレスで、ラージ・ロゴはありえません。BNが無くなる8年の間にスモール・ロゴに塗り代えられた可能性は皆無とはいえないまでも、限りなくゼロに近いはずのものです。
カスケード・グリーンならまだしも、ありふれたグレーで、車番が単に「BN」となっているだけなのですから、いくら実物がこうだからといって普通のモデラーが手を出すはずはありません。それにもかかわらず、この無味乾燥なレタリングを発売した理由は、旧製品に難癖を付けた偏執狂でもいたのでしょうか。
そこで、義務感の発露というか、義侠心を出して注文することとしました。
到着した箱を開けると、以前のキットとは異なり、一応の完成品となっていて、そのままレールに載せることが出来ます。カプラーはケーディー・コンパチブル品、車輪は36"金属製と既になっています。
これで、旧製品の9.98ドルだった定価が19.98ドルになっただけですから、メイド・イン・チャイナには今更ながら驚嘆です。また、別添えでクラブ・アイアンや引通空気管の折り曲げ済み線材が入っています。ウォルサーズは、このような一部パーツの取付を購入者に依存するシリーズをゴールド・ラインと呼んでいるようです。一方、総て取付済みがプラチナ・ラインです。
さて、私はここで気が付きました。モールドが旧製品とは一新されているのです。屋根上の歩み板が全く違いますし、丸形ハッチも1つ減っています。車体に屋根を被せる構造が床下を填め込む方式に変わっているし、ハシゴ関係もわずかに細くなっています。金型を新しく起こしているのです。それでいて、ことさらにNew Toolingと宣伝するわけでも無し、何か商売の手法が変わってきたのでしょうか。
金属の線材は磁性がありますからフェライト系ステンレスかもしれません。0.3mm径ほどですが、私の腕の限度である0.5mmドリル刃を使ってピンバイスで穴明けをし、接着剤は説明書のACC=瞬間系ではなくて、グレー色の5分間エポキシを用いました。歩み板上のL形のものは、孔空けが難しいので省略、線材の塗装も面倒なので無しのままです。引通空気管は、これでは細すぎるとは思いますが、添付品のままです。
もう少し待てば、このBNスキームは、さらに値下げされるかもしれません。そうなったら、大量に買い込んで……
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コメント
直接関係ないのですが、Ore RailにBNSFの鉱石ホッパー車の新車の写真が掲載されましたので転載します。
Quote
Actually steel hoppers, but ordered specifically for all-rail ore
traffic. Too bad they didn't order more 36' taconite cars, but I
assume these hoppers will be able to handle other loads and thus be
more versatile.
http://www.railpictures.net/viewphoto.php?id=177002
Dave Schauer
Missabe Railroad Historical Society
Publications Chair
Duluth, MN
Unquote
投稿: Jackおじちゃん | 2007/02/26 21:59