« エキスポランドの事故 | トップページ | C&Oの流線形ハドソンと鉄道車輛401集 »

2007/05/20

コンテナ輸送の本質とは

Img458  当方の掲示板でBig Muskieさんからお教えいただいて定期購読しているコンテナ・エージ誌の2007年5月号が届きました。表紙の佐々木也寸志氏によるUPコンテナ列車が魅力的な号です。

 記事では先月号に引き続き、澤井希丞という方の「Maerskの『アンチテーゼ』が示唆したもの-再考『鉄道輸送の本質』」が興味を惹く内容です。船でも鉄道でも自動車でも、また旅客でも貨物でも、ロット性が鍵という主張は、ずっと運輸業に携わっている身には新鮮に響きます。
 しばらく前にMaerskが集配拠点数を削減するという報道を受けてのテキストですが、コンテナ輸送が拡大して小口ロット側に振れ過ぎたので、原点に戻ってその特性を発揮できるロット性を取り戻すという同社の戦略が、よく理解できました。我が国のJR貨物の置かれている難しい立場も分かります。

 輸送“工学”については、学校で教えてもらったことも無ければ、活字に触れたこともないので、本誌のどの記事を読んでも正に目から鱗の心境です。日本軍がロジステックス=兵站業務を蔑ろにしていて、担当する者を「輜重輸卒が兵隊ならば、蝶々トンボも鳥のうち」などと軽蔑していたことが先の敗戦の遠因とも言われた話を思い出しました。また、トヨタ自動車のカンバン方式=ジャストインタイム生産システムも、要はロジステックスですよね。
 というわけで、井上公美という方の「物流生理学」講座が第2回目で難しいレベルに突入してしまったものの、何か私自身の商売のヒントがあるかも知れないと首を捻りながら読んでいるところです。

 コンテナ・エージCONTAINER AGE誌の発行所は、有限会社コンテナエージ社、電話03-3851-1211、年間予約購読料は9,450円です。

【追記】ダブルスタック用の車両限界
Img473  コメントで御質問がありましたので、ダブルスタック・コンテナ車用として採用されている最大の車両限界、プレートHを転載します。出典はThe Car and Locomotive Cyclopedia 1997年版、元来はプロ用の資料集です。この辺り、私も詳しくはないのですが、多分、これがUPやBNSFの本線で採用されている寸法だと思います。高さが20フィート2インチというのですから、6m146mmということになります。クリックしていただくと拡大版をご覧いただけます。

【追記2】ダブルスタックの床面高さは12インチ弱、乃至12インチですから、一通行人さんの御明察の通りですね。6種類の車両定規のレール面上最上部高さを前述の書籍から拾ってお見せしましょう。

|

« エキスポランドの事故 | トップページ | C&Oの流線形ハドソンと鉄道車輛401集 »

日本語本やぶにらみ」カテゴリの記事

コメント

単に「好き」程度で、特に濃くもない鉄道ファンです。
ダブルスタックを見るたびに疑問になるのが、米国鉄道の車両限界です。ダブルスタックは、8ft6inだけで、9ft6inらしき写真は見たことがありません。床がかなり低く落とされているところを見ると、5.5~5.6mではないかと思うのですが。
情報あれば、ご教示願えると幸いです。

投稿: 一通行人 | 2007/06/03 00:03

さっそくの返信、恐縮してしまいました。ありがとうございます。
6m越えとはすごいですね。Cyclopediaは、私も欲しいのですが、如何せん高価で。。

投稿: 一通行人 | 2007/06/03 01:06

どう見ても9ft6inの2段積みの写真がありました。
床高300mmとすれば、車両限界に収まります。

投稿: 一通行人 | 2007/06/06 23:24

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: コンテナ輸送の本質とは:

« エキスポランドの事故 | トップページ | C&Oの流線形ハドソンと鉄道車輛401集 »