ウォーボンネットのザ・ツインズ
Extra 2200 Southという季刊誌が届きました。第130号、2007年4月号です。私が定期購読している唯一の実物誌で、機関車の新造とか、譲渡、廃車の状況を事細かに報じられているものの、文字が多いので全56頁と薄い中身は飛ばし気味に読むのが常です。
ただし、この号は古い機関車の記事で、サンタフェの旅客用ディーゼル機の特集に目が留まりました。ATSFの第11回目。ただし、旅客用のFユニットは第8回で出たので、今回はそれを除く形式ということで、1935年のEMC箱形から、1937年E1A-B、1939年E3A-B、1941年E6A-BとAlco/PA-PB、1946-48年PA1-PB1、1947年FM/OPA-B、1952-53年E8A-B、1967年FP45、1966年U28CG、1967年U30CGまで、サンタフェ独特の形式が多く、興味が惹かれますし、キャブディーゼルにはどれもレッドとシルバーのウォーボンネット塗装がよく似合い、人気があるのも肯けます。 F'Trackさんの様に、これに拘ったコレクションも面白いですね。
中でも別記事を仕立てて詳しく解説されているのが「ツインズ」と呼ばれたというサンタフェ最初の2両のEMC機です。1935年の新造時は両運箱形でB-B台車だったものが、1938年に片運高運転台の3軸台車に改造されました。上はNorth East Railsからの転載でモノクロ写真ですが、雑誌には珍しいカラーで紹介されています。
HOでは当然、製品化されていて、とれいん誌1984年11月号に紹介のホールマーク/熊田製品は、鼻の潰れたチンの様な姿を見事に再現しています。また、新造時も同誌1982年3月号で、それぞれ塗装済で発売というところがすごいと思います。日本型で熊田は、エッチングとプレスのハコモノ専門でシャープさに欠けるという印象でしたが、アメリカ型ではそのバリエーションに圧倒されます。中古市場での値段も……
【追記】なんと、クマタ製品をお持ちだという澤村達也氏から、携帯で撮影した写真をお送りいただきました。当時、こういう形式を購入されていた日本の方がおられたとは驚きです。各部がシャキッと、丁寧に作り込まれているのがよく判って、本当に好ましいモデルで、塗装も美しく仕上がっています。それにしても、この写真自体も、半分ほどに縮小しているはずなのに十分に綺麗でビックリです。なお、オリジナルボックスに「BULLDOG DIESEL」とあるそうですが、上述のとれいん誌にもそういう記載があります。確かに我々の目にこの機関車はブルドックに映るのですが、向こうのテキストではそのように評したコメントを見たことがないのが一寸不思議です。ブルドック=ドック・ノーズといえばEMDのFユニットなどを指すことが多いと思うのですけれど、あるいは彼の国の審美眼は我々とは異なっているのでしょうか。なお、写真はクリックすると拡大します。
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コメント
ご無沙汰してます。
この機関車、前のブログでちょっと取り上げたことがあります。
試作車を時代に合わせて改造していったらこうなったということなのでしょうか。
原型のリーゼントみたいな前面も迫力ありましたね。
投稿: よしくん | 2007/06/29 22:42