T型フォードのOスケール・モデル
先日届いたRMC誌2007年7月号を開くと、プロダクト・レビューにクラシック自動車のOスケール模型が紹介されていました。それがWiseman ModelのFord Model Tです。20年以上前にNational Motor Companyというところから出ていたキットの復刻で、ソフトメタル主体とはいうものの鉛フリーとか改良が加えられているとのことです。縮尺が1/43ではなくて1/48なところがミソで、このモデルがミニカーの範疇ではなく鉄道模型であることを明白に主張しています。
T型フォードといえば1908年(明治41年)から1927年(昭和2年)までに1500万台がベルトコンベアー方式で生産され、アメリカにモータリゼーションをもたらした有名な自動車です。すなわち鉄道側にとっては憎き存在、都市およびインタアーバンの輸送を担っていた電気鉄道網は、これを機に衰退に向かいます。
第1次世界大戦が1914-18年、日本では関東大震災が1923年、9600形製造が1913-26年、C51が1919-28年で、T型が輸入されたりノックダウン生産されたりしていたものの、この時期にフォーカスしたレイアウトを聞いたことがありませんから、小道具としての需要はあまり無さそうです。鉄道車両は寿命が長いので、9600でもC51でも1960年代まで設定できますが、自動車はそうはいかず、考証的に難しい面があります。
私自身にレイアウト指向はありませんから、リベット付の路面電車やペンシィのK4sの横に置いてみたい程度ですね。
ところでワイズマンのラインナップにレールカーがあります。Oの他、On3、On30に出来るようですが、トップ・アップとトップ・ダウン、多分、幌の上げ下げの状態は品番で分けられています。
ジョン・アレンのG&D鉄道に登場した巡察車を覚えていて、線路の上を実際に走らせたい方がいるはずです。品番NM-910、REA EXPRESS TRUCKにはコカコーラのデカールが付属して、かつ荷物室が十分に大きいので、面白いものが出来るのではないかと思います。
なお、ウォルサーズで検索するとT型はOスケール以外でもHO、N、Zと揃っていて人気の程が伺えます。後継型式のA型やAA型もあります。アメリカには、ナローとかストリートカーとか、この時代に傾注されている連中がいるのでしょう。もちろん、読者の中にも数は少ないでしょうが、食指を動かされる方がきっとおられることでしょう。【追記】折しも届いたMR誌8月号p16に、アサーンがHOで新発売したA型フォード1930年型が紹介されていました。アサーンはフォード・ライセンスとして予告を含めなんと226のアイテムをラインナップしています。また同じ号のp81に1954年型F-350というピックアップ・トラックを宣伝しているクラシック・メタル・ワークス社のHPもHOおよびNはフォードばかりです。実物はともかく、モデルではフォードに人気があるのでしょうか。
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