BNのHT-BB試作台車
このモデルについてdda40x氏は「台車の回転によってボルスタ間の距離は微妙に変化するはずで、この模型のスパン・ボルスタの穴は長穴になっているかも知れない」と書かれていますが、現物は全くの逆です。すなわち、実物にはないスパン・ボルスタを機能させることによって台車中心間隔が固定されてしまい、アンカー棒の長さを変化させざるを得なくなって、その車体受側を長孔としています。写真でもお判りいただけます。
なお、実物は7軸すべてにモーターを付けていたものの、3軸台車中央軸用の結線を外していて、実態的な軸配置はA1A-BBでした。また、動軸が1軸分増えたBB台車での牽引力確保のため荷重を増やす目的で、蒸気発生装置を撤去した空間にバラストを積んだとあって、このあたりが実験機にSDP45を選定した本当の理由なのでしょう。さらに、台車が大きくなったので、燃料タンクを5000ガロンから短い4000ガロンに取り替えるなどと、手間が掛かっています。
ロバート・デルグロッソ著「1980-1991 Burlington Northern Annual」に拠れば、1984年8月31日にBNに引き渡された6599号機は、ワシントン州オーバーンAuburnに送られ、荷重としてのBNのSD38-2、6261、EMD保有のSD45X、5740、それにEMDのテストカーET-840と併せられて、使用されなくなっていたスタンピード峠で9月9日から22日まで試験されたとのことです。 その後はEMDの工場に送られて整備され、BN営業線のジェネラル・フレイトに投入。そして2年半後の1987年3月、再びEMDに入場して一旦HTBBを3軸のフレキシコイル台車に戻された後、3月13日にリタイヤとなりました。
モデルはOMI/Ajinの1990年製品です。駆動はギアボックスの数から7軸全部、と見せかけて、4軸の内の燃料タンク寄2軸がルーズですから、実質5軸です。塗装では台車を試験時のシルバーとするか、営業時のブラックにするか悩むところです。いずれ、同じ時期に登場した20シリンダ3,600馬力機であるSD45やF45と合わせて仕上げたいと思っています。45ファミリーの内、FP45はBNに在籍しませんでした。<写真は全てクリックで拡大します>
【追記1】このHTBB台車の開発目的はコール・タービン機関車用だったことが判明しました。それについては別稿をご覧ください。08-03-10
【追記2】BN 6599号機の写真がPictureArchives.netにありましたので、少し修正を加えて引用しておきます。2012-01-19
【追記3】その後、続々とBN 6599号機が登場しています。2014-08-11
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