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2007/11/11

BN線上のタルゴ

Modeling a Amtrak Talgo train run on BN line

 「タルゴTalgo」といったら、スペインにフランス、さらにドイツ、スイス辺りも走っていて、ヨーロッパの専売特許といった趣ですが、どうしてアメリカも浅からぬ縁があります。

 今ではアムトラックAmtrakのカスケーズCascadesがポートランド(ユージン)からシアトル、加えてカナダのバンクーバーまで、F59PHIの牽引でバットマン・ウィングを気取って走っていますし、なんといっても1949年の開発当初に実車製造を担当したのがACF(American Car & Foundry)社だったのです。

 ところで私が興味を持っているBN、バーリントン・ノーザン鉄道の路線上にも、タルゴが走ったことがありました。【画像はクリックで拡大します】
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 要は現行のアムトラック・カスケーズの先行試験導入の形ですけれど、スペインのTalgo Pendular 200をそのまま持ってきて、アムトラックのシンボルカラーである赤青白の細い帯を巻き、走ったのです。
 そして数年前に正にそのアムトラック・バージョンが発売になりました。この辺りのことは本誌2002年4月29日第109号でお伝えしています。

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 このときは白状しなかったのですが、改造するつもりで購入していた20両の大半は、その2年前の2000年にパリのクラレルという模型店で手に入れていたもので、実際は「発売を知って愕然とした」という方が正解でした。

 モデル自体は同じものの、車体表記が変わっていますから、当然、アムトラック・バージョンも注文しました。編成は添付の説明書(下図)に拠れば14両編成ですけれど、実際には種々あったようです。
 基本は、両端に電源車TGとTGz、ファーストクラスTAとセカンドクラスTBのコーチは、中央のラウンジ車TRとバー車TCで別れます。基本セット6両はTG-TA-TB-TB-TB-TGzで、単品発売のTR、TC、TA、TBをそれぞれ1両ずつ追加して、10両編成としました。牽引機はフェーズ3塗装のF40PHですから、カトー製品がジャスト・フィットです。

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 モデルの製造がスペインのエレクトロトレンElectrotren、販売はアメリカのE-R Modelというところです。しかし、アメリカで発売されたというのに欧州型のままのカプラーと車輪という問題がありました。

 まずカプラーは、模型店の方で添付してくれていて本当に助かりました。品物が存在することは判っていても、売っている店がほとんど無いからです。それも2種類で、一つはバックマンEZメート・マークⅡの#78035(次の写真の奥)で、もう一つはケーディーの#17(同じく手前)でした。
 タルゴの両端車が伸縮機能付きとなっていますから当然、首の短いケーディーとしましたが、これ、不思議なことに、ナックルの根元で首を振り、それを線バネで復元する構造になっているので、ちょっと挫屈を心配しています。

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 車輪の方は、10.5mm=36インチですから、NWSL社の欧州型取替用車輪#37168-4、Pointed 0.970" Axle Wheelsets, European wheelsets for Roco and Rivarossi productsが適合です。0.970"=24.6mmは軸の長さです。この様な製品があることを、つい最近まで知らなくてだいぶ悩み、旋盤を購入して加工しようかとまで思い詰めたほどです。それがウォルサーズ・カタログで偶然、発見して、一挙解決となりました。

 このモデルは車輪の脱落を軸の中央部分で保持する構造で、軸径が2mmという条件もあるのですが、NWSLへ問い合わせのメールを送ると、直ぐに「2mm」との返事がありました。
 製品のパッケージは6軸入ですから、これを2つ、合計12軸を求めれば、10両分で1軸が余る勘定です。
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 というわけで、カプラーも車輪もアっという間にピタっと気持ちよく収まって、今までの思案がウソのようです。上の写真で、客車のカプラーが低すぎる、あるいはF40PHが高すぎるようですが、それぞれ単体で測ると規定値です。

 連接1軸台車は、車体の折れ曲がりに合わせて曲線に沿う構造で、実物のリンク式を彷彿させ、これは十分に機能しそうです。もちろん振り子作用は無しです。
 ただし、両端の1軸台車はカプラーに引っ張られてボギーするのですけれど、推進時にどうなるか、ちょっと心配です。下手をすると、ウエイトを追加しなければならないかもしれません。この辺り、既に所有されている欧州型ファンの御助言をお待ちしています。
 ところで説明書に、レイアウトの曲線上に長い間留め置かない様に注意があります。プラスチックの復元バネが変形してしまうということです。

 F40PHは付属パーツの取付も未だで、恥ずかしい限りです。何せユニトラックでさえ拡げるスペースがないほどに部屋が散らかっているものですから……

【追記】記録が出てきて、タルゴのアムトラック・バージョン購入は2001年2月17日となっていました。2012-05-18

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