アメリカ型蒸機のオサライに
蒸気機関車解説の定本、カームバック社刊Guide to North American Steam Locomotivesを、全く遅まきながら購入しました。
どういう切っ掛けだったのか忘れてしまいましたが、ウェブ検索していたら、日本語のアマゾンのサイトに行き着いて、定価29.95ドルのところを送料込みで3,241円だというので、ハズミで注文してしまったのです。ただ、注文から発送までに12日間を要しているところを見ると、アメリカから取り寄せたようです。数ある洋書を予め在庫させておくのは大変なことですから、何日分か毎に注文をまとめて、向こうから送らせているのだと思います。まあ、新しいビジネス・モデルの一種なのでしょう。
特異な題名を欲しがる我々の要求を満たすほどではありませんが、ソコソコの品揃えで値段も安いので、試してみる価値はあります。特質すべきは、ユーズド=古本も選択肢にアップされるていることです。ただ、一般に新本よりも高い値段なのは、洋書の現在価格を提供者=古書店主が判っていないからなのでしょう。
この本、蒸機ファンだったらカームバック社の図面集と共にお持ちの方が多いことと存じます。初版は1993年刊、届いたのは2004年の第5刷で、表紙にN&W流線形蒸機が写っているものです。ネット上で見つかるほとんどは上に示したものですから、新刷が出ているにもかかわらず、古い刷を送られた可能性はあります。中身に違いはないはずです。是非、皆さんのお持ちのものと較べてみてください。
さて内容は私が解説するまでもないのですが、各鉄道での開発、導入史と型式リスト、蒸機に関する技術やメーカーがアルファベット順に並んでいます。物語的ではないので、本誌の読者の様にある程度、用語が判っていないと索引を駆使して読み解くのは難しいかも知れません。
私が興味を持っている技術者のウンチクで、B&OのGeorge H Emerson、NYCのPaul W. Kiefer、UPのOtto Jabelmannの生没年はインターネット上でも見つからなかった情報です。また、SPの間接式蒸機の型式名で、MMがMallet Mogul、MCがMallet Consolidation、ACがArticulated Consolidationの略だということも初めて知りました。B&LEなどという総延長214マイルの弱小!鉄道の"B"の地名も判明しました。これで少しは当方の鉄道模型大辞典も充実することでしょう。
ディーゼル機でいったら、同じカームバック社のDiesel Locomotive RostersとThe Contemprary Diesel Spotter's Guideを合わせた様な本です。既に好みの鉄道や型式の本を持っているという方も、必ずや新しい発見があると思います。
というわけで、図面はなく写真も貧弱ですが、Cyclopedia Vol.1 Steam Locomotivesを買われて1年以上経った方に是非お勧めさせていただきます。
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