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2007/11/03

自作デカールでオアカー編成

Old Atlas 24 ore cars were finished with original decals made by Alps MD printer

 1998年にアメリカへ行った時にスワップ・ミートで、少しまとまった数のオアカーを手に入れました。
 Atlas社がオーストリアのRocoから輸入して1970年代に発売したOゲージのプラスチック製です。もちろん、これで少し長い編成を仕立てようという魂胆があったのですが、我々がMDCラウンドハウスやウォルサーズのHOゲージ製品で見慣れたスタイルとは少し異なっていて、車体の前後に端梁がせり出した形をしています。少し調べると、B&LEという鉄道だけが保有したらしいという結論に達しました。買い求めたUPやCN、GN、DM&IRといった大鉄道に混じって確かに同鉄道のバージョン(次の写真の下です)も入っています。

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 実物の技術者向けCar Buliders' Cyclopediaの1953年版に、メーカーであるGreenville Steel Car社の提供という形で細部写真と基本寸法が1頁を使って紹介されています。モデルの寸法はこれから割り出されたのでしょう。写真に「NEW 6-52」と見え、1952年に新製されたことが判ります。
 B&LEというのはBessemer & Lake Erie鉄道のことです。我が国では唯一とれいん誌1991年1月号p111にSD7とカブースのモデルの写真があって、イリー湖岸のコンノートConneautという港で陸揚げされた鉄鉱石をピッツバーグの製鉄所まで運ぶと説明されているだけでした。今度購入したカームバック社刊のGuide to North American Steam Locomotivesで、ピッツバーグ側の地名がNorth Bessemerと判明したわけです。むろん、ベッセマーは製鋼法の一つですから、何か関係があるのかも知れません。

 以上の理由でやはりB&LEに拘って仕上げたいとデカールを探すと、直ぐにChampにそのものズバリ(品番CN-501)が見つかって、直販でHOのBNモノを注文したときに混ぜて試しに1セット入手することも出来ました。ただこれ、DM&IRやSooなど6社のセットで値段が割高なことは数を必要とする上で大きなネックです。(現在は再調査したという2002年の新しい版がB&LE単独(品番CN-509)で販売されています)

Ble_logo2  一方、こちらには白が印刷できるアルプスAlps電気のMD-5000があって、パターンさえ入手できれば自由自在に自作できます。ただし、Champをコピーするのでは余りにも失礼です。ロゴマークは、1952年に出版された世界中の鉄道の諸元を紹介している本(内容的にはイギリスで発行されているレールウェイ・ガゼット年鑑の様な本です)にありました。またレタリングは、Windowsの中からJAMES Aという書体を使えばなんとかなりそうです。

Ble_sample  しかし、問題は車体カラーです。Champの指定はLight Brownで、アトラスの製品はレンガ色っぽい茶色になっていて、そこそこ正しいのでしょうが、わざわざ調色する気にはなれません。
 そうこうしていて数年が経ったこの夏、大阪日本橋のジョーシンで格好の缶スプレーを見つけました。ジェイズというメーカーの国鉄貨車標準色とび色2号です。容量は300mlというのですから普通の3倍。これならOゲージでも十分です。ちょっと色調がアトラスと違いますけれど、他にボックスカーレッドにもよく似ていて、余っても使い道があるはずです。
 
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 そんなわけでここ1ヶ月を掛けて、塗装から、デカール貼り、オーバーコートまでが終わりました。懸念されたデカールもまあ見られます。
 あとは足回りです。ハイフランジの車輪は当然、取り替えなければいけないし、補重の問題もあります。ブレーキシリンダーなどのディテールを追加することは、長大編成になれば判らないとばかりに、放置の方針を既に決めています。ここで一気に片を付けないとまた冬眠してしまいますので……。

ライオネルのオアカーが同じスタイルをしていて、このアトラスの金型ではないかと……
 続きは「B&LEオアカーが完成」をご覧ください。

■B&LEのマークをパクった本については、「ソルジャーサミット攻め」という記事で説明させていただいています。2008-05-30

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