カリフォルニア州鉄道博物館(1)
実は、様々なところに発表されるこの機関車の写真が、どれも、いわゆる逆光という状態で、良くないのです。それで一体どういう展示状態なのかを見たかったわけです。一方で、あわよくば自分がマシな写真を自分の手でという気持ちも、あることはありました。
で、実際に訪れてみれば、状況は上の写真の通りです。他の車両が全て屋根の下の薄暗い中で展示されているのに対して、この機関車だけが、サンルームというか、外光が存分に入るところに置いてあるのです。カリフォルニアの太陽ですから、その光は強烈です。
もちろん人間の目はカメラよりも遥かにラティチュードが広いので、展示的には、これでも問題がありません。肉眼で鑑賞するだけでは全く不満はないのです。
よって写真的には、露出を工夫するより外ありません。まあ、私の技術では2枚目のものが精一杯というところです。ストロボ1灯では可笑しなテカリになるし、窓の明るさが落ちる夕方まで待つという手は、スケジュールに追われる旅行者には辛いですね。
3枚目の窓が真っ暗な写真は、博物館で売っていた絵葉書です。たぶん補助光を3つくらい使っていると思います。陽が落ちて観覧者のいなくなった閉館後でなければ、このレベルは無理です。
訪れたのは日曜日で、家族連れでごった返していました。陳列車両を孔の空くほど眺めるなどという、見るからに鉄道ファンという方は見掛けなかったので、写真を撮るのは比較的楽でした。確かに模型ファンとして特定の陳列品を目的としているのならいざ知らず、訪問する価値があるかどうかは疑問ですね。
ところで、この展示を撮影した写真から、モデルで使えるデカールが作れるか否かという点も、確認したかったことです。その結果がこれらで、「SPR」のヘラルドは何とか右の程度には撮影できましたけれど、ネーム・プレートは難しいですね。もちろん、既に貼ったデカールをやり直すという気力はありません。
まあ唯一、写真らしい写真は、隣に展示されていた客車の貫通口から狙った後部バケツの画でしょうか。
さて、博物館の出口にはお約束の土産物屋があって、前述の絵葉書を見付けました。12枚を1冊にした写真集としての体裁を採っていて、ハンティントンは裏表紙です。また、そのシルエットの焼印が押してある件の木製汽笛も売っていて、この機関車が博物館のシンボルとなっていることがよく解ります。
しかし、人気がありそうなものは、巨大さならキャブフォワードのAC12、歴史的な重要度だったら4-4-0のガバナー・スタンフォードで、単なる工事用だったこの機関車をどうしてここまで扱うのか、不思議です。実際、その展示は正に神々しいまでの雰囲気で、何か宗教的な側面があるのかとさえ思えてきています。
実物については博物館の説明文をご参照ください。また逆光の写真をフォトショップ・エレメンツ7で修正する話(2009-06-29)も合わせてご覧ください。California State Railroad Museum, C. P. Huntington, Photograph, Model, single driver ハンチントン
第7回 | 08/08/16 | 戸外展示 |
第6回 | 08/04/03 | 貨車とディスプレイ |
第5回 | 08/04/01 | 客車 |
第4回 | 08/03/30 | 古典蒸機 |
第3回 | 08/03/24 | 蒸機とディーゼル機 |
第2回 | 08/03/23 | 博物館の全容 |
第1回 | 08/03/21 | CPハンティントン |
【追記】冒頭に掲げた博物館の壁面写真は、Wikipediaのものを大幅に変形してみたものです。2010-08-31
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