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2008/03/19

最新鋭のディーゼル機MP36

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Railroad Model Craftsman Magazine, March/2008

 RMC誌では以前もあったことなので今回、3月号と4月号とが同時に配達されたことは「またかっ」程度の思いでしたが、3月号の方に掲載されていたモーティブパワー製、新型ディーゼル機関車の図面には驚きました。アメリカで見てきたばかりの車両だったからです。【図と写真はクリックで拡大します All Photos on Feb.15,2008】

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 その場所はソルトレーク市ダウンタウンのちょっと北に位置するヤードで、UPイエローの機関車に混じって、赤、青、白という3色に彩られた機関車と2階建て客車がいました。そのときは「ああ、ここもコミュッター輸送を始めるのだな。機関車はF59PHI、客車はGOT等で見慣れた2階建て車」ぐらいにしか思わなかったのです。789b Uta790
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Uta788  側面にこの客車を描いたホッパー車も見ました。手前にフラットカーがあり、またその向こうには実物の客車が止まっていて、空は青、地面は雪で真っ白と来ていますから、初めは何がなんだか判りませんでしたけれど、本線上ではまさか見間違えることはないでしょう。

 その北には、建物の壁にUTAのマークと「Ride The Train」と利用を呼びかける文言が貼ってありました。
 全て画面の左がソルトレーク、右が北でオグデンの方向です。

 ウィキペディアに拠れば、このコミューターレールはFrontRunnerと名付けられて、この2008年4月に開業予定だそうです。ソルトレーク市から北のオグデンを越えプレザントビューというところまで44マイル、UP路線を使い、機関車はMPXpressを4両、客車はシカゴのメトラから中古のギャラリーカー30両と、ボンバディアの新車でバイレベルのキャブカーを12両、用意しているとのことです。

 写真を撮影したヤードの位置は次のGoogleマップをご覧ください。ところで、これをGoogleアースに切り替える方法をどなたかご存じないでしょうか。逆は簡単なんです。
Photo_2
Google Mapへ

 で、MPXpressのことですが、標準モデルは3種で、RMC誌には3,600馬力のMP36PH-3Sと、MP36PH-3C(冒頭)の図面が掲載されています。あとは4,000馬力のMP40PH-3Cです。メトラ(シカゴ)27両、カルトレイン6両、MRCOG (the Mid-Region Council of Goverments of New Mexico) 、UTAレール・ランナー5両、さらにMetrolink、Northstar in Minnesota、MBTA、GOトランシット、ウエスト・コースト・エクスプレス(バンクーバー)と続きます。主なターゲットはF40PHの置き換えの様です。

 模型化については、車体をスクラッチビルドせざるを得ないのは当然として、台車は旧品流用機ではEMDのブロンバーグを使えるが、メトラが履くモーティブパワー社オリジナルで軸距の長いMPI2234をどうするかが問題だそうです。また、さらに詳しい記事を、同じ出版社による実物誌Railfan & Railroad Magazineの3月号に掲載しているとのことです。
 MP社のサイトでは、MPXpress Commuter Locomotiveと題してバリエーションが紹介され、プロモーション・ビデオもあります。

Salt Lake City, Commuter Rail, Hopper Car, Passenger Car, Cab Car, Utah Transportation Ausoritu, MotivePower, Union Pacific Railroad yard

Uta796c【追記】ホッパー車の妻上縁に三角屋根の様なもの(右写真)があって、何だろうというお問い合わせがありましたが、当方ではよく判りません。この編成全体を見渡すと各々の車両に付いています。太陽電池の様にも見えますが、それにしたところで何に使うのでしょうか。2008/03/20Uta796b_2

【追記2】イナ@ペンさんのブログで「写真のガサ入れしたら見つけました(2008-03-21)」と、「カルトレいろいろ・2008年(2008-04-02)」、それにF'Trackさんのブログで「シリコンバレーのあるサンノゼ(2008-04-01」にもカルトレインのMP36が紹介されています。後者ではディテールがよく判ります。2008-04-02

【追記3】本日届いたExtra 2200 South誌No.131に拠れば、UTAのMP36PH-3Cは、1~11で、完成は2007年1月5日~7月27日となっています。2008-05-17

【追記4】UTAフロントランナーの色を塗ったMP36モドキのF59PHIがアサーンからリリースされました。2008-06-01

【追記5】カナダのTrue Line TrainsというメーカーからMP36/MP40が予告されました。HOです。2008-11-17

【追記6】Caltrainの本機が"とれいん"誌2010年7月号p98から4頁にわたって解説されています。新宮琢哉氏の筆です。2010-06-20

Salt_uta3【追記7】別稿として「ソルトレークのUP機関区」なる記事をアップした機会に改めてグーグル・マップを確認すると、様子が少し変わっています。
 右写真では、なんとLRTが2本見えます。架線はありません。
 下の写真では、機関車の数が大幅に増えて、また3色に塗っていない客車もいます。2011-01-02
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コメント

2009/10/3にLAのユニオン駅に寄ってみました。
Metrolinkの新しい機関車MP36とダブルデッカーの間にFrontRunnerの客車が挟まれて使われていました。これはダブルデッカーでない元NJTRの客車の方で、塗装も車体番号もそのまま、形体はデコボコとなり、ちょっと見苦しい編成でした。
ホームの一番東側の線に、NJTRの車両が8両、オリジナルのまま留置してあり、西海岸の車両との出会いは初めてだろうと思います。
RotemがMetrolinkの新しいダブルデッカーを受注してますが、まだ登場していないようで、車両事故や乗客が増えている現状において、車両不足対応なのかと、いろいろ想像できます。

>>とやまさん、現地情報をありがとうございます。NJTRは、ニューヨークなどを走っているニュージャージー・トランシットですよね。それがソルトレーク・シティのフロントランナー客車と共にロサンゼルスにいるとは、面白いことになっているものです。メトロリンクといえば昨年9月に大事故を起こしましたから、車両不足なのでしょうか。そして、韓国の現代ロテムが受注とは、ブラスモデルに続いて実物も対米進出ということですね。【ワークスK】

投稿: とやま | 2009/10/08 08:19

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