カリフォルニア州鉄道博物館(7)
第7回 | 08/08/16 | 戸外展示 |
第6回 | 08/04/03 | 貨車とディスプレイ |
第5回 | 08/04/01 | 客車 |
第4回 | 08/03/30 | 古典蒸機 |
第3回 | 08/03/24 | 蒸機とディーゼル機 |
第2回 | 08/03/23 | 博物館の全容 |
第1回 | 08/03/21 | CPハンティントン |
少し間が空いてしまいましたが、2月の訪米で撮影してきた博物館の写真をもう少しご覧に入れます。
今回は戸外で、右のGoogle Map航空写真でサクラメント川沿いの線路に留置してあった車両です。Kiichi Yamamoto氏に拠れば、ここで1999年のレールフェアが開催されたとのことです。
なお、例によってF'Trackさんのブログへのリンクを張っておきますので、詳しい状況をお知りになりたい方はそちらをご覧ください。ここに示したもの以外にも観光蒸機列車Central Pacific Railroadや、珍品の鈍端レールの3ウェイ・ポイント(2枚目の写真をクリック)を紹介されています。
以下の実車説明は、この博物館の所蔵品リストから該当すると思われるテキストを拾っています。
Southern Pacific No. 290 Audubon, Budd 1950 Diner 48-seat, Ex-SP Sunset Limited No. 10214. Gift 5/1998 of Union Pacific. Serviceable.
バッド社のステンレス・コルゲート客車は一般に無塗装ですけれど、SPはデイライト色に塗ったようです。日本でもEF81-300に例がありますが、当時だとプライマーに苦労したことだろうと思います。モデルに塗る色の参考としては残念ながら、だいぶ退色しています。F'Trackさんのブログ
Sacramento Southern MKT 642
博物館の所蔵リストで該当する車が見あたりません。幕板に"COACH"の文字があります。リポーティングマークのMKTはUP傘下のミズーリ・カンサス・テキサス鉄道ですから、その辺りのヘビーウエイト客車でしょう。サクラメント・サザンは、博物館自体が運営する保存観光鉄道です。
Sacramento Southern No. 2170, Pullman 1921 Coach, Ex-Louisiana Western No. 832; SP No. 2170. Gift 6/1978 of R&LHS, Pacific Coast Chapter. Serviceable.
幕板の"CHAIR"は"COACH"と同義語ですよね。屋根の丸っこいハリマン・タイプと呼ばれるスタイルだと思います。
Union Pacific No. 25256 Steel Caboose, UP Omaha Shops 1952, Gift 10/1983 of Union Pacific. Serviceable.
1952年に100両が製造されたCA-5の1両です。UPのカブースは台車にイコライザーとボルスターアンカーが付いていて如何にも高速向きとなっています。F'Trackさんのブログ
Sacramento Southern No. 1002 Flat Car
1926 Ex-U.S. Army No. 35583. Purchased 1/1992 from Sacramento Army Depot. Serviceable.
リポーティングマークと車番は"SSRR MW 1002"です。この写真もそうですが、我々にとってアメリカの鉄道でのカルチャーショックの一つは、カプラーを車止めに接触させて止めてあることです。我が国では必ず1m(だったか)の間を空けることになっています。
次は、航空写真で煙抜きが2つあるシェードの中です。中には入れず、柵の隙間から撮影しました。美しい木造客車コレクションが貴重です。正面に見えるディーゼル機は我々にも馴染みがあるSacramento NorthernのSW-1( No. 402 EMC 1939 Gift 10/1983 of Union Pacific. Operable)だと思います。 F’Trackさんのブログ
ところで、ごく最近のGoogle Mapの航空写真は一部、無茶苦茶鮮明になってきていますので、当ブログでも過去に取り込んだ画像を一部差し替えているくらいですが、例えば件のサクラメント工場跡に近づいていくと、次の程度まで拡大できて、車両を特定できてしまいそうです。まさか、我が家の洗濯物が丸見えなどという事態にはならないと思いますが、目抜き通りを立体的に見せるストリート・ビューの導入といい、この頃のインターネットには言いしれぬ恐怖を感じるところがあります。
この記事の冒頭に掲げた木目模様は、博物館で売っている木製のトレイン・ホイッスルです。その上に押されているの焼き印が、シングルドライバーのCPハンチントンです。
この笛は4音階となっていて、なかなか実感的な音色がします。実際に鳴らしてみた様子を次のYouTubeでお聞きください。かつてWURE氏の掲示板で紹介したもので、最初は4孔の内の3孔をテープで塞いで1音、次に1孔開けて2音、さらに1孔開けて3音、最期は全て開けて4音です。なにせ肺活量がないので、情けない音になってしまったのはお許しください。
【写真はクリックで拡大します】
【追記】northerns484さんのブログ「All Aboard!」に、元SP、サクラメント工場で放置されている蒸機を実見したお話が登場しました。2008-08-26
【追記2】この工場の歴史を語る"Images of Rail Sacramento's Southern Pacific Shop"を購入しました。オール・モノクロですが写真は潤沢です。表紙を始め人物の集合写真がたくさん出てきますから多分、元従業員向けではないかと思います。車両は同工場で製造されたり改造されたもので、公式写真が主ですから、あまり珍しいものはありません。工場内の作業風景とか、全景鳥瞰写真は貴重です。2010-09-18
【追記3】久しぶりに航空写真を眺めたら、サクラメント工場跡がモヌケのカラとなっていました。屋根の下に収容したというのならいいのですが……。ただし、解像度はさらに向上しています。2010-12-19
【追記4】northerns484さんのコメントによる、ATSF蒸機2両のストリートビューと45度俯瞰です。博物館からサクラメント川に沿って南へ1マイルの地点です。
なにか、実際に貨物列車を牽引して疾走しているようですね。2012-01-22
【追記5】航空写真が2016年撮影に更新されていました。敷地内はそれほど変化が無いものの、周辺はライトレールの駅ができるなど、様変わりです。2016-10-25
California State Railroad Museum Sacramento
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第6回 | 08/04/03 | 貨車とディスプレイ |
第5回 | 08/04/01 | 客車 |
第4回 | 08/03/30 | 古典蒸機 |
第3回 | 08/03/24 | 蒸機とディーゼル機 |
第2回 | 08/03/23 | 博物館の全容 |
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コメント
ワークスKさん:
釈迦に説法のような気がしないでもないですが、
「例えば件のサクラメント工場跡を拡大していくと、次の程度まで拡大できて、車両を特定できてしまいそうです。」
とありますが、これはテンダーの形からしてSanta Feの4-8-4(2925)か2-10-4(5021)のどちらかに間違いないと思います。いずれもWikipediaのCalifornia State Railroad Museumの保管車両のリストに"Stored"となっています。この2形式は下回りを除いては共通設計が多く、拡大した部分の右側を見てもらうと、ほぼ同一の形状をした機関車が転がっています。
さて、私もこの博物館に何回か行ったのですが、博物館から北のほうに川沿いに少し歩いて、ちょうどこの機関車が真横に見えるあたりまで行ったことがあります。その時にじっと目を凝らして見た時は、29xxと読めたような気がします。ということで、私の視力と記憶とが正しければ、ワークスKさんが拡大されたほうが2925、その右にあるのが5021ということになるかと思われます。
ご参考になれば幸いです。
投稿: northerns484 | 2008/08/24 00:03
northerns484さん、コメントありがとうございます。ATSFの2925(4-8-4)と5021(2-10-4)の区別が付いてしまったところに脱帽です。それにしても上からは連接機と見まごうばかりの長さですね。特にテンダーの巨大さには呆れます。
投稿: ワークスK | 2008/08/24 10:41
AT&SFの2925は、博物館の南1マイルあたりに移ったということがsteamlocomotive.comに記載されていました。
探してみたらありました。ここです。5021と並んで保存されています。
>>これは凄いですね。川と線路に挟まれた道路は公道だったらよいのですが‥‥。現時点での様子を切り取って本文中にアップしておきました。【ワークスK】
投稿: northerns484 | 2012/01/22 01:34