エアースライド・ホッパー(1)コレクション
Airslide covered hopper car collection
イナ@ペンさんが紹介されたカバード・ホッパーに私が驚いた理由は、屋根の異様な盛り上がりもさることながら、それがBNでは1980年代に廃車されてしまったはずのエアースライドだったからです。まさかこのシングル・ベイ車が2008年にもなって現役とは思ってもみませんでした。
というわけでちょっと強引ですが、これを機会に私のエアースライド・コレクションをご覧に入れましょう。いずれもHOゲージで、8年ほど前に仕上げたものです。 一部は塗装済みキットから、他は自前で塗装とレタリングを施しています。2600cu.ft.の40ft車がシングル・ベイ、4180cu.ft.の50ft車がダブル・ベイという呼び方です。
■BN 439452 これはウォルサーズ製品で塗装済みキットを組んだものです。残念なことに現時点では品切れ中です。車番は1980年にBNへ合併したフリスコのもので、スタイルはEarly Production、すなわち初期型、1953-64年製造車を模しています。
BN車の写真は、このラージ・ロゴ・スキームしか見つからないので、私は1980年代に消滅したのではないかと思っているのです。
■BN 413410 A-B unit ウォルサーズ製品で塗装済みキットを組んだものです。最初のモデルとの違いは2両1組のユニットとなっていることで、ドローバー付です。2車体は同じ番号を付けていて、それぞれサイド向かって左のバイブレーター・ポケットの上に小さく「A-UNIT」、「B-UNIT」とレタリングされています。これも品切れ中ですが、当時はUP、MoPac、Soo、GATXも出ていました。
BNでは、1986-87年に52両のシングル・ベイ車を、26両(ユニット)の5200cu.ft. BN 413405-413430に改造しましたが、数が少ないからでしょうか、実物の写真にはお目に掛かれていません。
■BN 400527 コンコー製品で、アンデコから仕上げました。この車番は元CB&Qのものです。デカールはマイクロスケール社の品番87-251を使いました。BNが引き継いだシングル・ベイは、CB&Q 587両、GN 145両、NP 188両、Frisco 76両、C&S 20両で、CB&Qがダントツです。
■C&S 802 コンコー製品のアンデコを仕上げたもので、こちらは子会社のコロラド&サザン鉄道のレポーティング・マークです。C&Sには1960年製の800-809と1962年製の810-819があって、1981年の合併により、BN 401500-401519(20両)となりました。このデカールもマイクロスケール社の87-251です。
■BN 401249 イースタン・カー・ワークスECW製品のアンデコを仕上げたもので、元CB&Qの1965年製の車番です。この製品は初期型と後期型(1965-69年)に作り分けられることを売り物にしていますから、変化を求めて後期型に仕上げています。
車端上部に三角形の補強が付いて、サイド向かって左のテスリ形状が異なります。それ以外の細部には目をつぶっています。
■BN 400001 OMI /Ajinのブラス製品を塗装したものです。三角補強付の後期型ということで、思わず手が出てしまいました。実物と見比べるとフレームの辺りなど、流石に良くできています。キリの良い車番は元GNのものです。
ここで一つ問題は、三角補強にある斜め45度のプレス・ビードが、外面で凹なのか、凸なのかという点です。ECW製品(アップ写真の左)は凹ですが、OMI製品(同右)は凸です。"Classic Freight Cars, the Series, Vol.4というカラー写真集をツブサに見ていくと1965年の途中までが凹で、その後凸になった様です。
なお、1970年以降はこのプレス模様が無くなります。それがイナ@ペンさんが撮影された車です。BNでも元フリスコSLSFの25両(BN 481350-481374)がこれに該当します。当然私もモデリングしたいとは思っているものの、サイドのリブ11本を太いものに取り替えなければなりません。
■BN 413322 ウォルサーズ製品のダブル・ベイで、塗装済みキットを組んだものです。これは1972年製の車番ということで、BNが発足してからの新製です。BNでは1973年まで製造が続けられ、1995年のBNSF発足以降も幾ばくかが生き延びていて実物写真には事欠きません。これは現行製品です。
■BN 410256 こちらは同じウォルサーズのUPだったかの塗装済みを剥離して、1980年代に登場したロゴ無しスキームに仕上げたモデルです。デカールはあちこちの余りを適当に使いました。元CB&Qの1966年製車番です。
一方、1990年以降のスモール・ロゴに塗り替えられた実物写真は見たことがありません。
以上、この貨車はトランジッション・エラ末期から1990年頃までのシーンには必須で、かつ形態的にも面白いということで、この時代を守備範囲とする方々には広くお勧めしたい思います。
プラスチック・モデルはどれも古い製品で太めの作りですが、いずれウォルサーズのシングル・ベイも再生産されることでしょう。なお、ディテール・アップ用にプレイノ社からエッチング抜きのウォークウエイが発売されています。【写真はクリックで拡大します】Airslide covered hopper car エアスライド Eastern Car Works Con-Cor Overland Models
■Eastern Car Worksの製品は、元E&B ValleyのものだとRMC誌1990年11月号p86にありました。2008-10-14
■トレインオーダーズ・コムではペンシルベニア州Oaksで2009年1月2~4日に開催されたWorld's Greatest Hobby Showの新製品発表で持ちきりです。話題の中心はもちろん、アサーンのHOスタンダード・ガスタービンですけれど、私はエアースライドに注目です。縦リブが細い様な気がしますが、三角ガゼットに斜めのプレス・ビートがないので、間違いなく1970-79年製造のスタイルでしょう。これで当方はフリスコ引継車をモデリングできることになります。2009-01-05
■1月20日付でアサーンから新製品のアナウンスがありましたけれど、これは残念ながら一般的な前期型です。BNグリーンがラインナップにないのでペンセントラル色を塗り替える手はありますが、そのものが出るまで待った方が賢いかも……。実物の解説もあります。2009-01-22
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