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2008/11/02

シリンドリカル・カバード・ホッパー

Description of Cylindrical Covered Hopper products

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 「シリンドリカルCylindrical」とはシリンダー、すなわち円筒形のことを指しますから、タンカーと同じ形とはいうものの、専らカバードホッパー貨車で使われることが多い単語です。セメントや穀物をバラ積みするカバードホッパーは一般的に側面に縦リブの並んだスタイルが大勢を占めていますので、その中で滑らかな曲面を見せるシリンドリカル・タイプは異彩を放つ存在で、モデラーにとっては魅力のある対象と言えます。【図版と写真はクリックで拡大】

  仔細に見ていくと、このタイプは、ACF=アメリカン・カー&ファンドリィ社が製造したものと、カナダの貨車製造会社の手になる一群に分かれます。このうち、BNが保有した前者を中心に私のコレクションを紹介します。

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 このACFシリンドリカルのモデルは、アトラス社が1999年に6ベイと3ベイの2タイプを発売しました。新しいだけに繊細さと丈夫さを併せ持つすばらしい製品です。
  実物は6ベイが容積3,890立方フィートで1962年から、3ベイは3,620立方フィートで少し遅れて1963年ということで、最初は容積増大を狙って6ベイとしたものの、取り下ろし口数が多くて手間が掛かったり製造コストが高かったりというデメリットがあって、3ベイに移行したのではないかと思います。

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Bimg_3133  1964年からは肩の張ったハイ・キューブHigh-Cube型が登場して、シリンドリカルは1966年が最後の様です。ACF社自体は両スタイルを通じてセンターフローCenterFlowと呼んでいて、投入口と取り下ろし口が共に車体の中央にあって、積載物が車体の中央を効率よく流れることを謳っています。

 次はCar Builders' Cyclopedia 1961年版に掲載されているACF社の広告です。センターフロー・シリーズの特徴の一つとして、床下部にセンターシル=中梁を持たない点に注目してください。

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Bimg_3132  ところでBN関係では、前身のGNが6ベイで55両、さらに軽量化を狙ってアルミ製を39両、またCB&Qが3ベイで10両をそれぞれ新造しました。よってBNグリーンに塗られたものは皆、これらからの塗り替えということになります。

  アトラスが売り出したモデルでBN色は6ベイだけで、グリーンのラージロゴと、アルミ色でした。アルミ・ボディの実物の構造は、BN Expeditor誌(BN友の会会報)の1997年第3号によれば、フレームの組み方が少し異なっていますが、モデルではもちろん一緒で、私も買ったままの姿としています。

 あとの3両はアンデコ=未塗装からで、デカールは、ラージロゴのBN441105と、スモールロゴのBN443043には共に、その頃に入手できたIshing Scale Products製品を使っています。後者は初期の製品らしく白が少々透けています。ロゴレスのBN441105は、余りものの寄せ集めです。

  なお、このシリーズの実物にAT&SFの2900cu.ft.という短い4ベイ・タイプがあります。モデル的に大変魅力的なスタイルで、私がサンタフェ・ファンなら、直ぐにでも6ベイから改造したいところです。写真がClassic Freight Cars Vol.4 p6に載っていて、1962年製、301314-301499の186両、クラスはGA-131です。

 さて、モデルでシリンドリカルといえば普通、インターマウンテン社製品を連想されると思います。

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 こちらは、カナダのNational Steel Car社などが1960年代から80年代に掛けて製造した4,550cu.ft.です(MM誌1993年4月号p46-51)。CNやCP、それに州政府、穀物会社など専らカナダで保有されていて、もちろんBNには在籍しませんでした。中にGNやCB&Qスキームが紛れていますが、これはフェイクです。モデルは1993年に発売されて驚異的なディーテールが評判となり、私はその年の訪米で入手できました(BNコレクション)。

 このキットは、ウェイトと金属車輪を別途買わなければいけないし、複雑で細かいパーツの組み立てが大変だとして有名でした。一方でそれが楽しみでもあったのですが、近年はアセンブルド=組立済しか売られていません。

  次の写真で手前のオレンジ色はバックマン製品です(ガラクタ・ボックス)。ただし、同社製にしては妻部のフレームが細く見えますし、プロトタイプがNSC製の4,650cu.ft.ということで、この辺りに興味のあるファンにとっては大変に貴重なモデルです。

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 MM誌1991年3月号にディテール・アップ例があります。RMC誌1987年9月号の製品紹介によれば、CPが小麦を米国に輸出するため79,80年に製造した4,650立方フィート車で、サンタフェでも895両を購入したのだそうです。ATSF車はPaul Marshallという方のサイトで最下段に写真あります。
  私はカプラーを車体マウントに改造しただけです。軽いので車体内へ補重したいものの、分解方法が分からずにそのままです。もちろん、現行製品はカプラーもウエイトも購入者の手を煩わせるものではないはずです。

 ブラウン色の方はモデル・パワー社の製品です(ガラクタ・ボックス)。RMJ誌1991年11月号に拠れば、プロトタイプはMarine IndustriesやNSCなどの3,800-3,850cu.ft.タイプで、1965-1975年の製造です。同号に図面も掲載され、長さ52フィート6インチと、僅かに短くなっています。
 英国のChris Leighという人によってディテール・アップのためのエッチング・キットが売られたとのことで、検索するとChris Leigh Modelsという店?がCambridgeshireにありました。まあ、そのままではスケール・モデルとは言い難いレベルですね。
 なお、積荷はグレイン(穀物)の他、炭酸カリウム、ソーダ灰、シリカ、石灰、セメント、塩、砂糖とあります。グレイン以外は、投入ハッチがラウンド形のはずです。

 ところで、カナダではどうしてシリンドリカルが普及しているのでしょうか。私の仮説は積荷の密度、例えば、小麦はコーンなどに比べて重く、同じ100トン貨車でも容積が小さくて済むので、車体断面積が小さいシリンドリカルでも車体が短く60フィートに収まる、という様なことですが、詳しい方の助言をお待ちしています。
 このタイプはアメリカ国内でも頻繁に目にすることが出来るので、色や形の物珍しさも手伝って、人気があります。NスケールでもバウザーがACFインターマウンテンがカナディアンで頑張っています。
Model Power Atlas Bachmann Bowser American Foundry & Car Cylindrical Covered Hopper cars

【追記】カナダ車について、プロトタイプの誤記を訂正しました。2013-10-07

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コメント

かさ密度は小麦769kg/立米、とうもろこし752kg/立米ですね。

投稿: RAILTRUCK | 2008/11/03 21:44

RAILTRUCKさん、コメントありがとうございます。"かさ密度"っていうのですね。予想通り小麦の方が重いのですが、その差がたった2%強では仮説が成り立ちませんね。
 収穫時期を考えれば、一種類だけでは一年の内でほんの僅かしか貨車が稼動しないことになるでしょうから、幾つかの穀物を想定しているとは思います‥‥と負け惜しみです (^_^;)

投稿: ワークスK | 2008/11/03 23:17

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