« ブリッジ&トレッスル・ハンドブック | トップページ | ACFセンターフロー・プレッシャーエイド »

2009/01/28

アサーン55'ACFカバードホッパー(3)

Kitbashing an Athean 55' ACF Covered Hopper, CF 5250 in BN scheme, with a Plano's walkway, an Accurail's through hatch, four Detail Associates' unloading gates and some materials

90dsc09614

 先日、Brass_Solderさんがブログで、「F7のサイドグリルにステンレス・エッチング板を貼ったところ、冬になると伸びて浮く」という話をされました。当然これは、プラスチックと金属の熱膨張係数の違いが原因だろうということで、コメントを寄せられたイナ@ペンさんに拠れば、その差は5倍とのことです。
 実は私も1両、経験がありました。アサーンのACFカバード・ホッパーに使ったプレイノ社のエッチング・ウォークウェイです。【写真はクリックで拡大します】

 ただし、無事なモデルも数両あります。サイドグリルではF7よりも遙かに長いE9Aが2両、これも無事です。また完成品で購入した製品では異状が起きていません。
 ということは、何か方法があるはずです。温度による膨張率の差が原因ならば、伸びきった夏に貼る、あるいは、縮みきった冬か、はたまた中間の春秋という選択肢が考えられます。
 エッチング板に圧縮が掛からないためには、Brass_Solderさんの決断通り、寒い冬でしょうか。不具合のあった私のACFカバード・ホッパーは、日記を確認すると完成が暑い季節の6月でした。

Cf5250c  では、時期は今! というわけで、早速修理に取りかかろうと外してあったエッチングパーツを探したのですが、見つかりません。部屋を2度、3度と移動する内に失ってしまった様です。それで代品をウォルサーズに注文しましたので、ちょっと間が空きました。

 届いた品物(品番565-111)は、以前とは異なっています。すなわち、昔の4分割が今回は一体です。前回取付に使った瞬間接着剤は説明書の指示通りなのですが、これでは全ての接着部をちゃんと食っ付ける自信がないので、今回はエポキシ系としました。90分硬化タイプを脚上面にごく薄く塗ってエッチング板を置き、その上に小さなオモリを並べて1昼夜待ちました。これで1年間様子を見たいと思います。ついでに折れたステップなどを修理しました。

Cf5250d  ところでこのモデルは、とれいん誌2000年1月号に一度発表したものです。
 GNが1965年に200両を新造したACF CF5250、4ベイタイプで、1970年のBN大合併で同鉄道の460000~460199に改番されました。たった200両ですからBN時代の写真は希有で、レタリングの手本としたMM誌96年7月号p55と、RR Picture Archives.netの2枚だけしか見つけられていません。

Cf5250e  これに対してアサーン製品は1年後の1966年から71年までのスタイルですから、ハンドブレーキ・ホイールが下付です。これを初期タイプの上付に変え、サイドのハシゴを追加しています。

 また、腰高感を直すために、ボルスター部の床を切り取って車体全体を1.5mm下げて、9.5mmの車輪径を10.5mmに取り換え、都合1.0mmだけ車体を下げています。
【もちろんそれに合わせて、妻板の下辺や、カプラーポケット上面が当たる妻フレームの下面も削る必要があります。追加した次の写真2葉をご覧ください。イエローは普通に組んだもので、車輪を10.5mm径としましたから車体は0.5mm上がり、両者では1.5mmの差がある勘定です。カプラーはシャンク(軸部)の下がったケーティー#27です。2012-07-01】

91dsc09611

92dsc09613

 小さいレタリングで"CU FT 5250"としてあるところにご注目ください。これが自作デカールです。ロゴマークなどはチャンプの品番HC-489です。

 なお、プレイノのウォークウエイは、車端部のハシゴ枠のところで0.5mmほど隙間が空いてしまいますので、プラスチックの角材で嵩上げます。ブレーキハンドルのプラットホームは、プレイノの同梱パーツからの改造です。なお、修理箇所の塗装に用いた特注BNグリーンは、当時使った東急グリーンより若干濃い目となっていますが、私には許容範囲です。

Gncf5250 GN時代については、Great Northern Equipment Color Pictorial Book Two-Freight Carsという写真集のp27に詳しい解説があります。
 車番が171250~171449で、塗装はグレイシャーグリーンです。サイドに"GRAIN LOADING"のレタリングがあって、穀物輸送を意図して導入されたにもかかわらず、実際には肥料や塩、あるいはバーミキュライト(蛭石)という土壌改良土の輸送に使われたそうです。
 この転載写真は、U. S. Department of Agricultureの係員がSpokaneのHillyardで検査中の様子とのことで、屋根上の投入ハッチがコルゲーション付の連続型(別名トラフ=飼い葉桶型)ということが判ります。

 私のモデルでは、ハッチは破損して取り替えられることが多いとばかりに、アキュレール社の別売パーツ(品番112-118)で済ませています。

 また、このウォークウェイがプレイノPlano社のパーツにある"Apex Slotted"です。下部の排出口はDetail Associates社の品番229-6229が数も4個で大きさもピッタリです。
 ネット上で参考となるGN車の写真はRailcar Photosをご覧ください。

Cf5250a

 さて、既報の通り、アサーンがこの形式をとうとうReady-to-Rollで出すと予告しました。出荷は今夏8月です。金型の更新は不明なものの、イラストでは排出口が空圧式から重力式に変更されていますから、キットバッシュしようという方は少し待った方が良さそうです。GNスキームもしばらくしたら発売されることだと思います。

【追記】プレイノのウォークウエイについては新事実が判明しました。ステンレスにも色々あるという話です。2009-02-09

【追記2】もう9年も前に弄ったモデルですから、細部をどうしたのか、すっかり忘れています。写真を拡大していて気が付いたのは、まずステップで、これはジャンク箱から拾ってきました。前後で異なるタイプを付けていますが、実車に倣ったつもりでした。改めて写真を眺めると、思い違いだったようです。
 ブレーキ弁とエアータンクもジャンクです。側梁とその下の空気管は製品は一体モールドですが、その隙間をサインペンで黒く塗って透けているように見せています。ウエイトの補重は、インターマウンテンのPS-2CD 4750(1)で紹介した水性コーキング材です。2009-01-30

【追記3】モデル・レールローダー誌2000年2月号にACF CF5250Cの図面と解説があります。アサーン製品とは異なり、後期型のモデルです。2010-01-11

|

« ブリッジ&トレッスル・ハンドブック | トップページ | ACFセンターフロー・プレッシャーエイド »

カバードホッパー万歳」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ブリッジ&トレッスル・ハンドブック | トップページ | ACFセンターフロー・プレッシャーエイド »