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2009/02/18

プラスチック接着変形の研究:第3報

Investigating transformation of polystyrene plates due to adhesion by d-limonene or methylethylketone(MEK), part 3

Test31
 ポリスチレン(スチロール)樹脂が2種類の接着剤、d-リモネン系と従来のMEK系という流し込みタイプで変形する様子を把握しようという"稀有壮大な"実験の途中経過をお伝えします。

Test33

 細かな設定は第2報をご覧いただくとして、今回は丸15日が経った状況です。左の写真では重力によるタワミのせいで折れ曲がり方が分かり難くなっています。
 結果はまあ、グラフを見ていただければ一目瞭然ですが、未だに定性的なものが見えてきませんので、私としては少し憔悴しています。異様に暖かい日が続いたと思うと寒さが戻ったりという気温の影響があるはずです。
Test32 あるいは保管が右の様に無造作に紙箱に放り込んでいることから来るブレかもしれません。これで始めてしまいましたので、今更変更するわけにも行かず、このまま続けます。なお10日目の測定を忘れて、この日は前後の日の中間値を採用しています。

 ところで、新しい実験を始めました。目的は少し大きな面積の板同士を張り合わせたときの変形具合の確認です。客観的な数字は期待せずに、ひたすら表面の歪みを眼で観測していこうというものです。
Test34
 128.5(板取りの関係)×50mmに90×40mmを貼り付けています。厚さの組み合わせは、0.5tに0.3、0.5、1.2。1.2tに1.2という4種類、さらにリモネンとMEKで全部で8個です。
 小さな方の周囲に余白を設けて、ここから接着剤を染み込ませました。この部分の変形も観測対象です。
 なお保管は上述のT字形での反省と、溶剤が両面の母材を通して抜ける可能性が大ですから、丸1日が経った今日から写真の様に、紙箱の切り込みに差し入れて全ての試験片を立ててみました。置く場所は、暖房が無い北向きの工作室(所謂納戸)の片隅です。

 メインはもちろんリモネン系接着剤で、MEKは比較対象=当て馬です。終了は早くて3ヶ月、下手をすると1年ぐらいの可能性もあります。柑橘系の匂いが無くなった頃が目安になるのでしょうか。合わせ面全面に溶剤が回ってくれた保証がありませんので、最終的には切断して接着具合を確かめるつもりでいます。何かありましたら、また報告します。

■一連の話の流れについては「接着剤の悩み:記事リスト」をご覧ください。

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ちょっとしたヒント」カテゴリの記事

コメント

その通りです。
重力場の中では無視できない違いをもたらす可能性があります。
実は私も張り合わせ実験はしました。重力の影響をなるべくなくすために端に孔を空けてぶら下げました。時々上下をひっくり返します。
結果は…。
先に申し上げては失礼ですので、お待ちしてます。
実は材料が古いので、その点失敗しました。20年以上経ったプラ板でした。

投稿: dda40x | 2009/02/19 07:23

変形はいつかは止まってくれるのでしょうが、今のところその気配が無くて…… (^^;

投稿: ワークスK | 2009/02/19 22:55

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