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2009/02/14

NACCプレッシャーデファレンシャルPD3000(2)

Commercial models and the brief history about North American Car Co.'s pressure-differential covered hopper PD3000

 先日お見せしたキットバッシュ中のPD3000について、トレインオーダーズ・コムでBN車の情報を求めたのですが、残念ながらこれに関しては何も答えが得られませんでした。ただし、このPD3000が既にキットで出ている、という情報には全く驚きました。

 メーカーはRail Yard Modelsというのですから既に私も知っていて、アメリカ型鉄道模型大辞典に登録済みです。

 早速飛んでいって確認すると、ありました。同社の得意とする、レジンにエッチングパーツを組み合わせる繊細なキットで、しかも17種類ものデカール付が用意され、実物の写真や製造年毎のディテールの差異も解説されています。BNはありませんけれど……。
 ここのキットは一度は組んでみたいと思っていたのですが、PD3000を今さら注文する気にはなれず、気長に次のBN物が発売されるのを待つことにします。

 ところで入手しているOMIブラス製品については、Brass Model Trains, Price & Data Guide, Vol.1を開くと、p214などにアンペインテッドやNAHX、ペンセントラルが出ていて、1984年から何度か容量の大きなPD4000やPD5000と一緒に発売されたことが判ります。加えてOゲージも出ています。このガイド本には客貨車も掲載されていますから、こういう調べものには便利です。
Omipd3000a

Omipd3000b モデルの床下面にMS Modelsのラベルがあるものの製造年までは判りません。cncpsoo2006さんのものとは細部が異なるので、ロットが違うようです。なお、既に入手している他のOMI貨車と同じように、これも台車の転がりが悪い上に車輪フランジがどこかに当たります。

 さて、実物のメーカーであるNorth American Car Companyの略称は、Rail Yard Modelsが「NACC」としていますので、私もこれを使うことにします。PD3000は1970年から製造され、ほとんどがNAHXのリポーティングマークでリースされているとのことです。

 またRMC誌の2000年11月号p68、Eric Neubauer氏の記事を拾い読みすると、「小麦粉などの粉体輸送はGATXのエアースライドが1958年の登場以来独占していたけれど、60年代の終わりにACFが低差圧式、NACCが高差圧式で参入した。そしてACFはプレッシャーエイドを開発した。一方NACCは80年代半ばに貨車製造から撤退し、Thrall社が引き継いだ。エアースライドの方はTrinityの下で徐々に縮小しながら1993年まで製造された。そして1998年にTrinity社は独自の高差圧式パワーフローを投入した」ということの様です。

Img970 ただしパワーフローの登場年は、ウォルサーズのキット説明書に拠れば、1998年ではなくて87年で、デモンストレーターのモデルにも"NEW 8-87"とレタリングされています。さらに、1999年発行のClassic Freight Cars Vol.11 High Capacity Covered Hoppersに新造が89年や90年といった7両が登場しますので、RMC誌の記述は何かの錯誤でしょうか。
 なお、このカラー写真集にNACCのプレッシャー・デファレンシャルは5枚、取り混ぜて掲載されています。

【追記】その後、"Rail Yard Models"は2012年に山火事により廃業しています(掲示板)。

 またPD3000のHOスケール・モデルは2014年に"Spring Mills Depot"が、ありとあらゆるバリエーションを発売しました。インジェクションにエッチング部品を組み合わせたハイブリッド構成完成品で54.95 ドルです(MR誌レビューオフィシャルサイト)。

Pd3000pc_34_medium

 加えて、Nスケールでも同じ2014年に"Trainworx"というところが27.95ドルで出しました(MR誌レビューオフィシャルサイト)。両者共にBNスキームを揃えていて、当方のキットバッシュは意欲が完全に萎えてしまいました。2018-04-14
Trainworxpd3000_20231223024601

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