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2009/02/02

トリニティ・パワーフローPD 5125

Assembling an old Walthers kit, the Trinity Pressure-Differential Power Flo PD 5125 covered hopper, demonstrator scheme. Why must we need skills to own models?

Pwflo0

 今回はウォルサーズ社が1994年に売り出したトリニティ・パワーフロー・カバードホッパーです。
 3ヶ月前に同じ製品をお見せしましたが、改造して別の型式にしようと思い立ち、それでもう1両を手配したら、幸いにも見栄えのするデモンストレーター塗装が入手できたので、こちらをそのまま組んで、従前の組立済の方を改造に回すこととしました。【画像はクリックで拡大】

Powerflo1

 古いキットですから一部"合い"が悪いものの、そこはそこで面白いところではあります。絶版になっていてこれから組むという方は稀でしょうが、参考までに紹介します。

Powerflo3  まず最大の見せ場である本体と側板の前後端面部です。密着させるために、指で押さえて接着剤を流し、10分ほど保持しました。リモネン系では硬化が遅いので従前の流し込みタイプです。写真では溶けた塗料が少しはみ出しています。

 ウエイトの鉄板は、組立後に妻面の2個の穴から見えてしまうので、黒塗装を施しました。ステンレスの様で、本来はそのままでよいはずです。

Powerflo2

 また、床板への取付は一般に合成ゴム系を使うところです。
 ただし、このモデルは床板を車体に接着剤で固定して密閉とする構造で、長い年月での劣化が心配というわけで、値段が高めの両面テープを使ってみました。これと同じものが補重用のキャラメル形ウエイトに採用されていて、問題を聞いていないという根拠もあります。ちなみにこの車は7gのキャラメル形を3個、合計21gを追加しました。(車体長220ミリとしてNMRA推奨重量は151グラム)

 買ったテープはスリーエムのカタログ番号KCP-15というものでDIYショップで見つけました。厚さが1.3mmで色は白、用途が「自動車内装」というのですから、厳寒の零下から炎天下の数十度まで耐えるはずで、モデルの寿命、すなわち私の残存寿命ぐらいは保ってくれるでしょう。他にもっと強力そうなものもありましたが、値段が張ります。

Powerflo4

 床下の配管類は、思ったよりシッカリと固定できます。心配は四隅のステップで、2個余分が入っているのはそのためでしょう。これは完成後もいざというときのために取っておく方が無難です。ランナーの切り口などの塗り残しは面倒なのでそのままとしました。

 車輪は9.5mm(33")を10.5mm(36”)に交換しました。カプラー高さは元々低めですので、ちょうど良くなります。(交換理由は、100トン車だからです)

 さて、このキットの組立は難しい部類には入らないとはいうものの、全ての方が問題無く組めるというというものでは無くて、配管などのパーツをランナーから折らずに切り出すことに始まり、接着剤の使い分けなど、経験あるモデラーなら何でもない技術や知識が必要ということも事実です。
 それに対して現在はプラスチック製でも完成品が主流になっているのは、模型=工作という図式からの決別ということで、それを楽しみにしている私を含めた一部の方々にとっては寂しい状況ではあります。
 先日の雑誌の行く末を話題にした中に、情報は平等化と無償化が進んでいるとあります。そして模型製品も一緒で、高い水準のモデルが誰にでも手に入り、安価になっていくという流れだと解釈できますね。

【追記】MR誌1995年6月号p32-33に製品紹介がありました。筆者のKeith Thompson氏が「パイピングの取付位置が合わなかった」と書いているものの、私の場合は大丈夫でした。完成写真を見ると、組立を間違えているようです。「塗装に吹き残りがある」という指摘はその通りです。
 実車についてはMRG誌1995年9月号p14に詳しい記事があります。

 その後4両を入手して、9年後に組んだので、気が付いたことを書いておきます。

 部品番号⑧カプラーポケットのフタ固定はM2×5ミリのナベ小ネジで留めました。⑮太いパイプより先に⑯細いパイプを取り付けます。位置合わせは心配無用です。半月形断面の側板③と④の取り付けは、接着剤による汚れを避けて最後に行いました。➄と⑥の両エンドの接着は仮止め程度にしています。将来塗色を変更するときに外せるようにという配慮です(実は、別のスキームに仕上げたかった)。

 ⑨屋根歩み板は、勝手にステンレス製と決めつけてシルバーに塗りました。歩み板の厚み部分に塗装の吹き残りがあったことも動機の一つです(吹き残りには、歩み板を薄く見せる意図があったのかもしれません)。接着は両端部(次写真の赤矢印部分)の添いが悪いので、まず両端を固定してから間を接着しました。

Img_9467a

 またこの接着は、車体中心側を主に、側面側の一本足は必要な箇所のみとしています。

 組立済だったデモ塗装車は、実車写真(MRHフォーラム)を参考に屋根部分をホワイトに吹付塗装しました。屋根歩み板は一旦外しています。加えて床下パイプをシルバーに筆塗りしました。
 完成した姿はCascade Green Forever!をご覧ください。2018-12-23

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