« 島秀雄の世界旅行1936-1937 | トップページ | BC、それはビフォー・チャイナ »

2009/03/01

プラスチック接着変形の研究:第4報

Investigating transformation of polystyrene plates due to adhesion by d-limonene and methylethylketone(MEK), part 4

 ポリスチレン(スチロール)樹脂に対するリモネンとMEKという流し込みタイプの接着剤による変形の研究、その第4報です。
 まず、T字形実験の26日経過後のグラフをご覧ください。
Test40

Test42 実はこの中で、実験方法の失敗が一つ明らかになってきました。それは、大きく変形しつつあるMEK系3mmの3つの試験片に限って、翼部分が反対側に緩いカーブで反る現象です。
 もちろん、こんなところまで接着剤の影響が及ぶことは無くて、無造作な保管に拘束された翼部分がクリープ変形したと考えられます。ほんの僅かなタワミで、かつこんな温度域で起こるとは、元機械屋の想像のラチ外でした。
 そこから思いめぐらせば接着部でもクリープは起こっているはずです。これがdda40x氏の言うところの"重力場"、すなわち自重による変形なのでしょうか。
 なおプラスチックの「クリープ」についての基本的知識は、例えばここをご覧ください。

Test43 まあ目的が変形の収束期間を突き止めることですから今からでも遅くないと、置き方を両翼に力が掛からないはずの方法に変更しました。これが18日目です。以降、データが踊らなくなっています。なお、10日目に加え23日目も測定を忘れ、前後の日の中間値としています。

 次に板接着の方ですが、丸2日目にMEKの4枚全てで、接着の境界に折れ目が判る様になりました。リモネンは、その辺りに変化はないものの、4枚とも4日目ぐらいから全体がほんの僅かカールしてきた様な気がします。それ以外に写真でお見せするほどの目立った変化はありません。

■一連の話の流れについては「接着剤の悩み:記事リスト」をご覧ください。

|

« 島秀雄の世界旅行1936-1937 | トップページ | BC、それはビフォー・チャイナ »

ちょっとしたヒント」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 島秀雄の世界旅行1936-1937 | トップページ | BC、それはビフォー・チャイナ »