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2009/04/09

カブリツキ鉄橋巡り-JR奈良線

Steel bridge fanning by semi-cab-ride, part 2: JR Nara-Line from Kyoto station to Uji station

Photo

 陽気が暖かくなってきたことでもあり、京都駅から宇治市内までの移動にJRの奈良線を使ってみました。もちろん、このところ填っているキャブライドです。【写真はクリックで拡大します】

Photo_6 京都駅を東方向へ出発して右に折れ、新幹線をくぐるところに早速、カーブしたデッキガーダーが現れました。有道床では無く、人家から離れていて電車も低速なので防音は必要ないという判断なのでしょうか。

Photo その先は鴨川と疎水を一度に跨ぐ連続ワーレンで、こちらは直線のバラスト式です。つい先年に掛け替えられて、無塗装の耐候性鋼材だと新聞で話題となった記憶があります。
 冒頭の写真は、九条通の高架から撮影したもので、トラスを透かして見える矩形のグレーが新幹線で、辛抱強く待てば奈良線と重なった写真が撮れるはずです。
 この辺りはGoogleマップでご覧ください。京都駅から高倉陸橋、東山通、東山トンネル西ポータルと、私が今までお伝えしてきた場所が2km以内に集まっていて、季候が良ければ歩くのも苦になりません。
Kyotominami 

Photo_2 京阪乗換駅である東福寺を過ぎて、京阪本線をくぐります。昔の奈良線は単線でディーゼルカーがのんびり走っていました。その奈良線が平坦な直線の一方で、頻繁に往還する京阪線がSカーブで乗り越えるのはエネルギーが無駄だと思ったものですが、奈良線のこの区間は知る人ぞ知る元東海道本線です。

Photo_3  これは桃山駅の奈良方、分岐器の先にあった小さな跨道橋です。藤森駅から宇治駅までは未だ単線で残っています。Googleマップのストリートビューによって橋脚がレンガ積だと知れます。

Photo_4  六地蔵駅では、驚いたことにホームの右側に入線しました。ローカル私鉄ではよくある扱いですが、JRであったのにはビックリです。
 写真はこのホームの先にあったスルーガーダーで、道路を跨ぎます。カーブ上ではあるものの、床がコンクリートで固められています。PCコンクリート枕木ごと、固めてしまったのか、あるいは特注のスラブ軌道でしょうか。それにしては桁が古そうです。騒音対策なのだと思います。Google航空写真

Photo_5  次は黄檗(おうばく)と宇治のちょうど中間あたりにあったカーブ上の小さなデッキガーダーです。踏切を左に行けば、アジサイで有名な三室戸寺(みむろどじ)です。反対に右は直ぐに京阪の三室戸駅で、下は過日、徒歩で訪れたときの写真です。B A
 地上からは線路が曲がっている様子を感じることは出来ず、橋の構成も直線区間と全く一緒に見えます。2本の橋桁がレールの間隔とほぼ同じということは、枕木の弾性が効かないことになりますが、大丈夫なのでしょうか。
 この川は確か天ヶ瀬発電所の予備放水路だったかと思います。Google航空写真

Photo_6  最後は宇治駅手前(京都方)の宇治川鉄橋です。運転台からの写真で、手前のスルーガーダーは、以前に京阪を跨いでいたものです。今は、京阪の駅が右方へ後退し、この部分は歩行者通路となっています。B

A_2

Ujimap 左のGoogle航空写真の、左下がJR宇治駅、真ん中ちょい右が京阪宇治駅、その北辺りが太閤堤の出土地、また右上に三室戸の前述の踏切が見えます。
 鉄橋は南西を向いていますから午後は橋の西から撮影するのが正解です。宇治川の南岸を西に歩くと河原に降りられます。103系の写真で、緑の橋桁の下に見えるのが橋姫伝説で知られた宇治橋、さらにその下の朱色が中州へ渡る朝霧橋です。
C 午前中なら東側のこの宇治橋上から真横の写真が撮影できます。架線柱も入りません。
 この景色を見れば、蒸機牽引の客車列車はさぞや見ものだったと思いを巡らしますね。なお、この辺りに未だ複線化の兆しはありません。しかし、古い橋は掛け替えられつつあり、また騒音防止囲いで見栄えが悪くなっていきますから、今の内に撮影するに越したことはないと思います。

 ところでWikipedia日本語版で、「線路名称として京都 - 木津間が奈良線と名付けられているが、その全区間が京都府内にあり、奈良県内には全く路線がない。……ただし、列車は木津駅から関西本線(大和路線)に入って奈良県の奈良駅まで運行される」という記述は流石です。

 まあ、運転台の後ろに陣取って写真を撮るなどという行為は、今まで大人げないと毛嫌いしていたものでした。やってみるとなかなか面白いですね。家族と一緒だと嫌がられるし、周囲の変な目線も辛い。でも、この歳になれば、気になりません。
 ただし、ガラスが運転台の正面と客室の仕切りの2枚もあって、前者は色付きで虫などが付着し、後者は指紋が付いていることが多いわけですから、撮れる写真は劣悪で、ときには客室の映り込みも出ます。おまけに被写体は高速で走り去るし電車は揺れるので、ブレもします。
 その一方で、デジタルカメラとなり、性能が向上した上にフィルムではありませんから無駄打ちを気にせずシャッターを押せます。また、少しぐらい露出が狂っても、構図が傾むいても、編集ソフトで加工できるのですから、気楽なものです。

■六地蔵駅の前後にある橋については別記事に仕立てました。2009-04-25

■鉄橋関係については記事と資料リンク先のリストもご参照ください。

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コメント

奈良線の鴨川橋梁は単線非電化時代はデッキガーダーでしたよね。結構絵になった風景だったと想像しますが、C58とかキハ17とか写真撮ってる人いないかなぁ。
行き違いを右側でやるのはJRではごく普通に行われていますね。行き違いなくても右側に入線すれば、ドアの開く側が相対ホームと同じ扱いになりますよね。単線区間ではかなりフレキシブルに組まれているようです。嵯峨野線では、複線化後に方向が固定されて、乗客が跨線橋を渡らねばならなくなっています。
キャブライドで撮影してても最近では平気です。デジカメ時代になって、コンデジを片手で気軽に連写できますからね。

投稿: ヤマ | 2009/04/11 01:57

そういえば、社会人となってから国鉄-JRの単線区間に乗車したことが……

投稿: ワークスK | 2009/04/12 02:35

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