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2009/04/04

カーブ橋には直線桁をお奨め

Let's build an orthodox straght bridge under curved track. I think that modelers should study enough the details of bridges, as of locomotives.

 前回紹介した、カーブしたトラス橋の存在は、少なからずショックでした。昔の知識、常識が通用しなくなったということは、こちらが歳を取ったという証拠なのでしょう。
 宮崎繁幹氏が言及された万世橋架道橋にも驚きました。1928年(昭和3年)の完成というのですから、唖然とします。ただし、写真や構造図を見ると中央を支柱で支えていたり、複雑な形状でおびただしい数のリブを設けていたりと、尋常な橋ではありません。

 もちろん、宮崎氏の言葉の通り「これを機に、日本のレイアウト上にある橋が、みんな曲がってしまっても困ります……」ということで、私がRMC誌の「ブリッジ&トレッスル・ハンドブック」を紹介した動機も、正にここにあります。
 プロトタイプを研究すること無しに頭でイメージしたそのままを形としたり、レアな実例を盾に取ってアブノーマルな構造に走るのではスケール・モデルからは外れてしまうと思うのです。

 ただ、オーソドックスで普遍的な設計は、残念ながら教えてもらわない限り素人は知り得ないのが道理です。また、その参考となる実例が少ない上に、立地上の理由で構造が分かり難いのも事実です。一方で技術者から我々モデラーに情報が提供されることは極めて稀です。橋梁工学の主流は道路で、それに携わる鉄道ファンが少ないのでしょうか。
 加えて、頼みとする模型専門誌が怠けています。

 前2回は実例を挙げられなくて歯痒かったのですが、今回、宮崎氏が示された社団法人土木学会のデジタルアーカイブス、ここの歴史的鋼橋集覧1873-1960に分かり易い写真が幾ばくかありました。
 冒頭に示すトラス橋は、JR東海道本線、島田・金谷間の大井川橋梁上り線です。17連の内の、金谷方3連が曲線中で、2連が有道床式とのことです。バラステッドの理由は、騒音防止でしょうか。トラスの内幅は普通の単線用より僅かに広くなっているはずです。複線の例はJR大阪環状線尻無川橋梁(弁天町・大正間)です。

 次はスルーガーダー、JR只見線の魚野川橋梁(薮神・小出間)です。枕木の長さ(と間隔)に肝があるようです。

Inotanigawa 一方、橋桁の上面に線路のあるデッキガーダーは、中々良い例が見つかりません。左のJR高山本線猪谷川橋梁(猪谷・楡原間)は、トラスの上に小さな上路ガーダーが並んでいという一風変わったものです。

 この形式は、上から眺めると桁本体が枕木に隠れてしまいますから、どういう構造なのかを予め知っていないとレンズを向ける気にならないのかも知れません。

 アメリカの例では、田辺幸男氏のサイトに右の写真がありました。New Hope & Ivyland Railroad鉄道です。
 ちょっと判り難いのですが、枕木の端部の並びが直線となっています。

 我が国の例では同氏から飯田線、城西・向市場間の第六水窪川橋梁を教えていただきました。「渡らずの橋」として有名なもののようです。モデラー向け写真はこちらでしょうが、出来ればもう少し微に入り細に入り、ディテールの判るものが欲しいですね。
 ここを通過する方は是非、カブリツキで枕木の並んでいる様子を撮影してきていただきたいと思います。

【追記】松尾橋梁のサイト(リンク切れ)に拠れば、同社が最初に単純曲線箱桁を設計・製作したのは1961年の黒岩橋(静岡県)、また連続曲線箱桁が翌62年に受注した名神高速道路の西宮インターチェンジのもので、共に国内初とのことです。ということは、これ以前に曲線桁は無いということでしょうか。2009-05-03

【追記2】飯田線の渡らずの橋、第6水窪川橋梁は、ついに見てきました。残念ながらカブリツキではありませんが、橋桁と枕木の関係は判ります。2009-05-07

【追記3】ヤマさんの「高急モデルノート」に、阪急京都線梅田駅の先にあるカーブ上のトラス橋が登場です。トラスは少し新しい感じです。2009-05-11 引き続いて嵯峨野線複線化工事近況にカーブ中の風変わりなスルーガーダーが紹介されました。「蒸気機関車館の線路を越える橋梁は有道床」という写真です。2009-05-22

【追記4】Brass Solderさんのブログにも、カーブ中のワーレン・トラスが現れました。JR鹿島線利根川の鉄橋です。2009-08-19

Img691b【追記5】とれいん誌の旧号に鉄橋特集を再発見しました。1984年1月号です。
 記事名を列挙すると、鉄橋のあるレイアウトのために(吉江一雄:実物の基礎知識)、鉄橋のバラエティ(写真集、図面は高森線第1白川橋梁、上路トラスと下路プレートガーダー)、ワーレン・トラス(箱根登山鉄道の出山橋梁)、デッキガーダーを架ける(松井大和:径間8.8mをブラスでスクラッチ)、トラス橋を組み立てる(平井憲太郎:セントラル・バレー製品)、キブリ製キットの御紹介、絵で見る世界の鉄橋(西村慶明)等、全46頁となっています。
 問題は、この特集に、曲線云々の文言が一言もないことです。2010-10-11

鉄橋関係については記事と資料リンク先のリストもご参照ください。

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コメント

デッキガーダーの例なら3'ゲージのGeorgetown Loopもあります。客車からと、河原からの写真をご覧ください。

投稿: RAILTRUCK | 2009/04/04 07:38

ワークスKさん
お手数をおかけしました。

【管理者追記】いつも貴重な情報をありがとうございます。大したことではありませんので、お気遣い無用に願います。

投稿: RAILTRUCK | 2009/04/04 09:04

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