アサーンSD60M BNデザート・ストーム
New product review of Athearn's SD60M phase 2b, Burlington Northern BN 1991 "Desert Storm"
何年かぶりかで、モデルを予約して買いました。アサーン社の新塗装製品、BNの1991号機、通称"デザート・ストーム"="砂漠の嵐"です。【写真は全てクリックで拡大します】
1991年の湾岸戦争に招集された44人の社員を褒賞して、同年に製造されたSD60Mフェーズ2b、50両の内の1両をパトリオテック塗装とした機関車です。BNSFになってからは2000年5月、H2スキームへの塗り替えと同時に9299に改番されました。
ノーズ両サイドの金色プレートには44名の名前が刻まれています。またキャブ後部にあるメープルリーフのマークはカナダも軍隊を派遣したことに因み、そのオンタリオ州ロンドンのDDGM工場でこの機関車を製造したからで、本機が「カナダにも乗り入れるから」という"とれいん"誌94年5月号のOMI製品紹介にある解説は違うのではないかと思います。
さて、モデルの箱を開けて目に留まったのは厚手のプレスボードです。燃料タンクが別添で、ウエイト兼用のダイキャストフレームを剥き出しとし、それにこのプレスボードを2本のビスで止めています。すなわち、モデルは何処にも触らず完全に浮いています。 いままでの梱包ではトラブルがあったのでしょうか。また、箱に仕舞う度に燃料タンクを取り外すのでしょうか。
加えて、ラジエターのウィンターライゼイション・ハッチも別添えです。エッチング抜きの金網をどうやって接着しようかと悩んでいます。
興醒めは、アメリカの5軍の徽章などにドットが見える点です。また一部が傾いています。ちなみに下の写真で、左が海兵隊で、右が海軍です。マイクロスケールのデカール品番87-621を上から貼り重ねる手はあります。塗り分け線の吹きこぼれも目立ちますが、これはカッターナイフの刃先で削れそうです。なお、トレインオーダーズ・コムのコメントはベタホメで、なぜかこれらには言及していません。
グラブアイアンやアイボルト、エアーホーン、ワイパーは金属、連結ホースの先に銀が差してあります。ただし、ワイパーの止め位置が変です。キャブサイドのガラスのヒズミが目立ちます。ハンドレール・スタンションの差し込みが甘く、押さえようと力を入れたらエアータンクに触り、ポロッと取れました。デッチライトの片方が少し横を向いているし、キャブ裾のモールドがオーバーで鉄道名のレタリングが上手く収まっていないのも気になります。
外回りは、数年前に発売されたプロト2000の同形式(次の写真の左側)と較べると、そんなに進歩していないようにも見えます。そこで問題となったロングフード点検扉は、"EMD's SD60 Series"掲載の図面とはラッチ配置が異なっていますから、アサーンは実物通りなのでしょう。
なお言い忘れましたが、私が求めたモデルは、DCCやサウンドが付いていない定価で100ドル安い方です。それとプロトのアンデコ1台をどうするか考えないといけません。
ところで、この機関車と対をなすカブースが存在しました。BN 12618です。1980年製の12381が91年の改装でこの塗装とされました。
左はアトラス製品で、ホーンフック・カプラー付、さらに購入先がシアトルの廃店したエクスプレス・ステーションとくれば、古色蒼然たるブツです。ただし、残念なことに実物は階下の側窓が無いスタイルです。幸い、埋めるべき窓が白塗装の箇所ですから、塗装を剥離せずに何とかなるとは思うものの、テスリも取り付けずにずっとこのままでした。
まあ、本物のモデラーはここで機関車とカブースを一度に仕上げてしまうのでしょうが……。
■Jim Boyd著"Burlington Northern in Color, Vol.3"のp127に拠れば、このスキームを考案したのはモンタナ州Springfield工場の電気技術者Larry "Jocko" Phillipsだそうです。2009-04-12
| 固定リンク
「新旧製品探訪」カテゴリの記事
- ラピード製F40PHとDCC問答(2016.03.15)
- ExactRailのMagor 4750カバードホッパー(2011.08.05)
- 金属車輪は何を買えばよいのか?(2011.07.28)
- 製品寸評 プロト2000のSD60MフェーズⅠ(2005.01.10)
- イースタン・カー・ワークスの貨車(2004.12.01)
コメント