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2009/08/09

JR石山駅で機関庫を撤去の報せが

Two pieces of picture which Mr. Takayuki Nakamura photographed the small shed of JR Ishiyama station express the good old days and the final days.

Img493b

 鉄道ピクトリアル誌などで活躍されている中村卓之(たかゆき)さんから暑中見舞いが届いて、驚きました。JR石山駅の日本電気引込線で撤去作業が始まったというのです。

 ちょうど1年前にここでお伝えした、あの可愛い機関庫です。2枚の写真が添えられていて、1枚は、2000年4月17日撮影の、L形ディーゼル機が元気に入れ換えをしているもの。そしてもう1枚は、今年8月4日で、パワーショベルが線路の上を動いているものでした。【画像はクリックで拡大します】

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 プリントをスキャンしましたので、オリジナルの画質をお伝えできないところはご容赦ください。
 手前の側線は既に無く、また線路際に枕木が積み上げられていますから、工場内も大方、作業が終わっているのでしょうか。土木機械に塗られたパステルカラーが時代の移り変わりを告げています。 

Ishiyama
 ところで、上の地図は昔の石山駅周辺です。米陸軍が1945-46年に作成した日本の主要都市のうち「Otsu and Seta」から切り取りました。鉄道ホビダスの「編集長敬白」に紹介されたテキサス大学のライブラリーです。
 縮尺は1/12,500、基になったものはJapanese Imperial Land Survey(帝国地理院?)の1929年「瀬田」や、日本窒素肥料会社が1937年に撮影した航空写真などとのことで、すごい情報収集能力だと思います。もちろん、現在の国土地理院へ行けば古い地図を有料でコピーしてもらえますが、「『謄本交付申請書』と『交付用別紙』に必要事項を記入の上、手数料相当額の収入印紙を添えて提出」しなければなりません。
 東洋レーヨンへの引込線は「PROBABLE R.R.」となっています。「予定線」の意味ですね。ちなみに「Tomb」は、前回も紹介した今井兼平という源平時代の武将の墓所です。そして「TOKAIDO HIGHWAY」は東海道の旧街道です。ハイウエイの「ハイ」は「高速で走る」という意味とばかり思っていましたが、研究社新英和大辞典を引くと「幹線道路、本街道」だそうです。今ではJR線の南側に平行して広い国道1号線が走っています。

 次の写真は国土地理院が国土変遷アーカイブ空中写真として公開しているもののうち、進駐軍が1946年10月2日に撮影したものです。拡大しても残念ながら機関庫や線路までは判りません。なお、ここの操作方法は、YahooやGoogleからすると、ちょっと分かり難いのですが、要は撮影された写真1葉毎に保存されているということで、種々弄ってみてください。近年のものもあります。
Ishiyama_photo2

Kikanko_yahoo 右は、現時点でのYahoo航空写真で、未だクダンの機関庫が存在します。いずれは最新のものに更新され、地図からも消えてしまうことでしょう。
 なお、2008年8月29日の当方の記事は「JR石山駅の小さな機関庫」です。また、勤務先がこの7月から大阪天満橋となり、滋賀県とは縁遠くなってしまいました。

ヤマさんより、YahooやGoogleの航空写真では過去の貴重なシーンが見られるというコメントをいただいて、この駅の南側に場面を変えると、なんと京阪の駅が移設前なんですね。早速、写真と地図の両方をコピーして貼っておきます。ウィキペディア日本語版に拠れば移転は2005年4月1日なので、工事期間を見込めば、航空写真は5年以上前の姿ということになります。2009-08-11
Ishiyama_sta_south

Ishiyama_sta_south_map

【追記】鉄道ホビダスの編集長敬白に拠れば、名取編集長も8月15日に訪問されたそうです。その後、撤去はどの程度進んだのでしょうか。気になります。2009-10-13

【追記2】中村さんよりお便りをいただきました。「今年になってとうとう車庫も撤去されてしまいました」とのことです。なお、1両目のタンク車は「タキ39940」と読めます。この写真をスキャンし直しました。2010-04-12

【追記3】所用のついでに車庫跡を撮影してきました。会社名も「ルネサス関西セミコンダクタ」に変わっていました。2011-04-13
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【追記4】再び中村さんより写真が届きました。「・・・・背景となっていた円形の体育館の解体が始まりました。意外なことに、専用線の分岐部分は未だ記念物の様に残っています」とのことです。あれっ! 列車は・・・・。2016-04-09
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【追記5】朝日新聞2023年12月5日夕刊によれば,JR石山駅のすぐ北にある半導体大手の工場跡地に総戸数1001戸のマンションや商業施設が計画されているとのこと.ここだ! 京都市から大津市へ人口移動が続いていて,大津京駅周辺も活況らしい.その恩恵は京阪大津線にも及ぶだろうか.2023-12-05

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コメント

YahooやGoogleの航空写真はリアルタイムではないので、ちょっと前の意外と貴重なシーンが見られたりしますね。嵯峨野線の工事中写真も残しておきたいところです。嵯峨嵐山駅なんか、旧跨線橋が残っていて新駅舎工事中で、113系湘南色が中線に止まっているという写真です。

>>コメントをいただいて思い立ち、JR石山駅の南側に移動すると、おおっ……! これも貴重です 【ワークスK】

投稿: ヤマ | 2009/08/10 23:35

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