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2009/08/15

雪晴れの上田交通別所線

Backed by the mountains around Ueda Basin, the trains of the Ueda Electric Railway run in snow scenes.

 信州といえば山国ということで冬は雪深い風景を想像されるでしょうが、こと、上田盆地に関しては、そうではありません。内陸性気候を地理の授業で習った様に一年を通じて降水量が少ないのです。たまに降っても日に当たって直ぐに消えてしまいます。ですから、上田丸子電鉄、今の上田電鉄の雪景色を撮れるのは地元在住者の特権といえます。
 今回お見せする写真は1974年、期末休暇で帰省中に撮影したものだと思います。天気予報を確認して、早朝から出かけたはずです。【画像はクリックで拡大します】花見旅館 サハ62
Image20b

 1枚目は、千曲川鉄橋を北から南向きに撮ったもので、2連の後追いです。後方の山は小牧山といって、山中に須川湖というため池があります。結氷して格好のスケート場になり、子ども達は連れ立ち1時間ほど掛けて徒歩で登りました。晴れの日が多いといっても空気は冷たく、また夜はマイナス10数度に冷えますから、日が当たらないところには氷が厚く張り、雪もずっと残ります。ちなみに上田城公園の北側の堀もスケート場になりました。もちろん、下駄スケートと真田紐(さなだひも)です。

Image26b  この朝、早くに出発した一番の理由は、木の枝やトラス橋の枠に積もった雪を撮影することにありました。午後には皆解けて無くなってしまうのです。電車の屋根にも未だ残っています。モハ5250

 3枚目は左岸の川上からレンズを北西へ向けています。鉄橋に平行して国道143号線が渡り、その先は古舟橋です。さらにその向こうに太郎山や虚空蔵山が連なっています。
 カメラの位置の左には当地では知られた「小菅訓導殉職記念碑」があります。モハ4257
Image28b

 次は赤坂上(あかさかうえ)付近です。右に僅かに頂上が見えるのが太郎山で、線路と山の間に千曲川が右から左へ流れているという位置関係です。
 太郎山山上には太郎神社があって、元日にはここで初日の出を拝む風習があるほどに、足下は穏やかです。標高は1,163mで、街からは550m程度です。その左下の、電柱に掛かって見える積雪模様が「指さし五郎」です。右手人差し指で左上を指している様に見えませんか。白馬岳の雪形ではないのですけれど、山肌が崩れて地面が露出しているわけです。これらの見え方で、自分が立っている位置のおよその見当がつきます。モハ5250
Image29b
 この写真で、山に雲がかかっている現象が「逆さ霧(さかさぎり)」だと思います。日本海から吹き付けた寒風が太郎山などに遮られて、稜線辺りに雲が一文字に留まります。本来は、ビールの泡が噴きこぼれつつありように見える、本当に幻想的な風景です。

Image13b  最後は翌日か数日後で、白いものは地平ではほとんど消え去り、東にそびえる烏帽子岳2,066mが戴いているだけです。そして、三好町(みよしちょう)に電車が停まっています。モハ4257
 これも盆地から眺められる典型的な風景です。

 当時はニコマートFTNに新たに買い込んだ135mmの望遠レンズを装着して、はしゃいでいた時分ですね。
 ヤマさんのサイトに触発されて引っ張り出してきたものの、ネガは傷とカビだらけだったので、全て1枚当たり30分ほど掛けて修復しています。保存状態も記録性も情けない数々ですが、まあ今は昔ということでお許しください。

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コメント

1986年3月にも行って千曲川橋梁で撮影しましたが、さすがに鉄橋トラスの雪は撮れません。地元の特権というか、地元で記録してしてもらうしかないでしょう。
京都市内の雪景色もチャンスは少ないですね。西院に住んでいるときは、休日に雪が降ったら阪急の撮影に行ってました。洛北では昼頃まで残っているようですが、四条以南では10時ころには消えてしまいます。
ネガ保存は難しいですね。昔は金属缶に入れて乾燥剤入れて押し入れ(冷暗所のつもり)に入れてましたが、本数増えてきてネガフォルダを使ってますが、夏は酷暑になる場所に置いていたりしましたので、50年持たずに劣化するかもしれません。とりあえずデジタル化を進めていますが、カールのひどくなってきたネガもあり、スキャンしてもカール歪み?が出ている可能性があります。

>>雪晴れというのはいつもとは違う光景で、魅力的です。ところでネガのスキャンは、保有枚数と読込速度がネックで遅々として進みませんが、確かに劣化が心配ですね。当方にもカールしたものがあって……【ワークスK】

投稿: ヤマ | 2009/08/16 10:27

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