大阪で見た!シャルフェンベルク連結器
種明かしをすれば先日、近畿車輌の社員工場見学会に参加されたとのことで、ドバイ・メトロへの輸出車両に装備されていた由です。
同社のサイトを覗くとこの車両が紹介されていて、Wikipedia英語版に既に詳しい解説があり、またYouTube動画には試運転の様子がアップされていました。次の写真は近車サイトからの引用です。
さて問題は連結器です。新品ですからディテールがよく判るものの、どういう動きをするのかは、やはり頭を捻らざるをえません。
澤田氏の予想は、「奥に開放用のプシュロッドのようなものが見える。また、向かって右の出っ張りの引っ掛かりもトムリンソンの様に左右に動くのか。あるいは後ろに移動するようにも見えるが‥‥」というものでした。
また、当ブログ2008年1月19日の記事にはYoさんが御説を披露してくださっています。
ただし、私にはいま一つ納得できない面があります。
疑念は、Wikipediaのイラスト、あるいは小坂狷二著「客貨車工学(下巻)」の付図に、肝心のロック機構が描き込まれていないのではないか、ということです。
次の2葉の画像は、メーカーVoith Turbo社のサイトから探し出した最新式です。【"Voith Turbo"は「フォイト・ターボ」と読むらしい】
次は動画です。
英語もドイツ語もサッパリですのでこれ以上は前に進みません。Wikipedia独語版も含めて、どなたかに読み解いていただける日を気長に待つことにしましょうか。シャルフェンベルヒ シャルフェンベルク式連結器 シャルフェンベルク式密着連結器 シャーヘンバーグ 密着連結器 シャーフェンベルク密着式連結器
【追記】新宮琢哉氏より、コメントと共に写真をお送りいただきました。見れば見るほど不思議な形です。アメリカでも採用されていたのですね。2009-09-02
「シャルフェンベルク式用の車止めです。サンディエゴ・ノーザン鉄道(交通公団)の支線”スプリンター”の終点(Escondido)で撮影したものです。連結器下部の棒は一体何なのでしょうか。車輌によって、付いていない事もあります。車止めに付いているという事は、何らかの案内棒なのでしょうか?」
【追記2】“連結器下部の棒”は「グリッパー」と呼ぶようです。ある特許情報の照合(30)ですが機能は判りません。2012-10-18
【追記3】サンディエゴのMTSで使われている連結器をF'Trackさんが拡大写真で紹介してくださいました。多分これもシャルフェンベルクだと思います。ただ、この填り合う膨らみと穴が変な形をしています。2009-10-02
【追記4】9月11日の読売新聞朝刊が伝えるところによると、9月9日、ドバイメトロが一部区間で営業運転を開始したとのことです。一説に拠れば2009年9月9日の9時9分発車という、アラブでは縁起の良い"9"尽くの様です。ウィキペディアは英語版、日本語版とも、既に書き換えられていました。2009-09-15
【追記5】記事として「シャルフェンベルク連結器のもろもろ」を上掲しました。一応、解決編のつもりですが‥‥。なお、Voith Turbo社のサイトは大幅にリニューアルされていましたので、リンクを貼り変えています。2012-08-20
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コメント
ドイツの鉄道雑誌Eisenbahn Kurier 2012/1月号に、副題は"100年以上確実な接続"と訳すのかどうかわかりませんが、シャルフェンベルク連結器について7ページの記事になっています。
DBの蒸気機関車から近年のディーゼルカーなどの写真も載ってますから、これらに使われているということなのでしょう。
構造図や動作の説明図、部品状態、電気接点が左右にあるタイプや下にあるタイプの写真も載ってますが、如何せんドイツ語なので内容は理解できません。
趣味雑誌に載るくらいなので、現地でも興味を持っている人が居るということでしょう。
>>連結器だけで7頁とはすごいですね。まあ何時かはWikipediaに反映されるはずで、気長に待つしかありませんね。【ワークスK】
投稿: とやま | 2012/01/08 18:27
(追記2)について、あれ確かに案内用です。分岐器などである程度オフセットになっても連結できます。
ドイツ語版Wikipediaにイラストがあります。
グーグルは翻訳機能があります、あれを使えば、内容はなんとかわかるはず
>>コメントをありがとうございます。“案内用”という説明はどのあたりでしょうかね?【ワークスK】
投稿: tomoyo | 2019/11/26 17:27
ドイツ語版Wikipediaの付図
https://de.wikipedia.org/wiki/Scharfenbergkupplung#/media/Datei:Scharfenberg_07.tif
>>おおっ! ここですね。"Durch das bei vielen Scharfenbergkupplungen vorhandene Führungshorn, das unten an der Kupplung angebracht ist, werden die Kupplungen grob aufeinander ausgerichtet, so dass man auch in Gleisbögen und auf unebenem Gleis kuppeln kann. Einige Kupplungen erlauben einen Versatz von bis zu 370 mm horizontal und bis zu 140 mm vertikal." Führungshornが案内ツノで、Berührpunktは接触点ですか。これで完全氷解となりました。ありがとうございました【ワークスK】
投稿: tomoyo | 2019/11/29 12:00