パリ・リヨン駅近くのクラレル模型店
On August 31, 2000, I visited Clarel model shop, modelisme ferroviaire, near Gare de Lyon, Paris in France.
2000年夏にイタリアからの帰途、花の都パリに寄ったのですけれど、ルーブル美術館にもベルサイユ宮殿にも興味は無く、テッチャンもベニスとフィレンツェで堪能して疲れていました。それで一人、ホテルで寝ていようかとも思ったものの、同行者の「もう一生、来れないかも」の一言に促がされて、日本からメモしてきた場所に行ってみました。
とれいん誌1994年5月号で嶋野崇史(しまの・たかふみ)氏が紹介された、リヨン駅近くのクラレルという模型店です。【画像はクリックで拡大します】
以下は当日の日記です。
10:00、ホテルを出発。地下街を通り抜けてメトロ1号線のポート・マイヨPorte Maillot駅に辿り着く。出場専用口からドッと人が出てくる。自動券売機を弄るが買い方が分からず、窓口で女性の係員に「バスティーユ」というと「8フラン」だと返事があって、20フランを渡すと釣りと切符をくれる。8フランはガイド氏に教わった通り。
ホームで待つと直ぐにスマートな電車が入ってくる。ゴムタイヤ車輪が高加速高減速を目的としていることがよく判る。ただし、車輪の周りに熱気が上り、ちょっと無理をしている風に見えなくもない。
ドア横に座る。目の前の若い女性は、小振りで細身なのに胸が大きい。「フランス人は皆これか!」とうれしくなったが、他はそれほどでもない。
バスティーユ駅はホームの中ほどが一部、露天。専用出口に近付くと、一人の男が逆行してくる。明らかに不正行為。地上へは、当てズッポウで出ると、リヨン駅方面。横断歩道を渡って、北東を目指す。地図を持った旅行者風の男に「エクスキューズミー」と声を掛けられる。一瞬身構えて「アイドントノー」と応えると、こちらが東洋人と初めて理解した様子。
漢字で「藤原」と看板の出ている日本食レストランを過ぎて、直ぐにクラレル模型店は見付かる。開いているが中に客はいない。2区画に分かれていて、全体の広さは30坪ほどか。製品はメルクリンを中心としてプラスチックがほとんど。レイアウト用品だけでコーナーがある。1番ゲージのブルーの蒸機を12,000フランから9,990フランにディスカウントしている。レマコなどのブラスも僅かだがある。ディスプレイは白を基調として上品。
5人ほどの客が入れ替わり立ち替わり出入り。カタログと雑誌を11冊、漁る。Eltrainのタルゴ客車が中間車だけあって170~190フランで悩んだものの、8両を求める。合計1,933フランはカードで払う。11:00に店を出る。
リヨン駅への途中でサンドイッチとコーラを買う。構内には日本人がウヨウヨ。ホームにはブルーのTGVだけで面白くない。11:30、西側の本屋を覗くと、鉄道雑誌が並んでいて、クラレルに無かったものを6冊求める。モデル雑誌もある。息子にとバイクや車なども7冊買う。合計464.50フラン。12:30、メトロで一旦、ホテルへ帰る。
情けないことに勇気が無くて、店内を撮影させてくれ、と言えませんでした。タルゴ客車については「BN線上のタルゴ」で懺悔させていただいています。貫名英一氏のHPに拠れば残念ながら同店は2001年夏に廃業とのことです。
次のGoogle航空写真では赤い「A」のマークが所在地で、ストリートビューを表示させると、跡は美容室と袋物屋でしょうか。
その南西がバスティーユ広場、さらにその南南東がリヨン駅です。
リヨン駅では、グルッと数枚を撮影しただけです。色が悪い理由は、屋根採光板にスモークが掛かっているのかも知れません。ピントが甘いのはポジフィルムのカールだと思います。
垂れ幕の写真は、男4人が同じ方向を見上げているのが面白くてシャッターを押したものの、何を見ていたのかは忘れてしまいました。
このときエッフェル塔には、新世紀の開始を祝う「an 2000」という電飾があったり、ダイアナ妃が180km/hで事故を起こしたトンネルとか、現在の高感度なデジカメを持っていれば撮影して来たはずなんですけどね。
■模型店の看板上に貼ってあるオレンジのステッカーが尋常ではない雰囲気ですので、拡大しいてみたのが左です。"VENDRE"を仏和辞書で調べたら「売る、販売する」という意味だと出ていました。で、この数字を検索すると、アパートのリストみたいなHP(リンク切れ)に"ETUDE LA ROQUETTE"の文字が、クラレル自体の所在地と共に並んでいます。ということは、「ロケット通りエチュード・アパート 売出中」ということで、モデルではなくて、お店自体を売っていたんですね。そういえば、棚に商品が疎らだったような記憶がしないでもありません。2009-09-19
【追記】宮崎繁幹さんに御紹介いただいた模型店Opher Line 1のグーグル・ストリートビューを記録しておきます。撮影は2008年5月です。2017-03-08
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コメント
あんまり話題になりませんが、フランスにも鉄道模型愛好者は結構居るようですね。首都だけに、模型屋さんはフランスで一番多いと思いますが、夏場に行くととても長い夏休みを取っていて、店が閉まっていたりします。以前行ったときに、それを知らずひどい目にあったことがあります。如何にも、おフランスであります。
今、リヨン駅から一番近いのは、OPHER LINE1と云うお店ではないでしょうか。地下鉄の6系統で、セーヌ川の対岸に渡って一つ目の駅、Quai de la Gareから歩いて、数分です。貫名さんのホーム頁にも紹介があります。
OPHER LINE1
16 RUE RAYMOND ARON
75013 PARIS
大きな店で、米国型の模型もあったりして、ヴァラエティ豊かなお店です。英語が殆ど通じないのが難点ですが。割と新しそうな店だったので、「何時からやっているのですか?」と聞いたら、ご丁寧に、曜日ごとに営業時間を教えてくれました。あれ!、漢字で書くと、この質問と答えは、合致してますね。もちろん、私はどのくらい昔から店を始めたのですか?と聞いた(つもり)だったのですが、やっぱり第二外国語程度の実力じゃムリのようでした?!
>>御紹介ありがとうございます。早速Googleのストリートビューで覗くと、イエローで統一された店先に黄色のバイクが止めてあり、見慣れたロゴが……【ワークスK】
投稿: 宮 崎 繁 幹 | 2009/09/19 00:42